新潟の正月の郷土料理「のっぺ」やおせち料理にも欠かせない食材のひとつがギンナン。新潟中央青果株式会社(小出佐治取締役会長・本社:新潟市江南区茗荷谷)の西部支社(燕市吉田法花堂)では、弥彦産のギンナンに注目し、ブランド化に取り組んでいる。
弥彦村では15軒ほどの農家がギンナンを栽培している。以前、ブドウを栽培していた農家の転作が多いらしい。そのブランド化に西部支社の営業第一部・加藤勝寿課長が取り組んでいる。
加藤課長は新潟中央青果で新潟市西区の特産品、サツマイモの「いもジェンヌ」のブランド化にかかわった。新潟市西区の海岸砂丘地帯で、しっとりとして甘いサツマイモ「紅はるか」が採れることから、地元の商工会や新潟大学が連携してブランド化するプロジェクトに取り組み、青果をあげている。
その加藤課長が昨年、西部支社に異動し、目をつけたのが弥彦産のギンナン。取り扱いを求めて大手スーパーなどに営業し、昨年から県内の3社が扱ってくれるようになった。「量販店の指定席が確保でき、ようやくスーパーから弥彦のギンナンがないかと言われるようになった。2年目の割には頑張ったと思う」と加藤課長は成果を喜ぶ。
弥彦村のギンナンの生産者は、パッケージの量の要望にも柔軟に対応してくれると言う。塩水につけて沈んだものだけ出荷する、あまり身が入っていないギンナンの選別も行って品質を保っている。
ギンナンは激戦で、ブランド化により価格を上げるのは難しいが、「現状維持なら頑張れる」と加藤課長。弥彦産のギンナンは「弥彦ギンちゃん」とネーミングがあるが、「様子を見て知名度が上がったらネーミングの変更も考えられれば」と期待する。
県内にはほかに大きなギンナンの産地があるが、その分、組織自体の小回りが利き、市場の要望に応えられる。営業第一部・早川隆行統括部長も「青果物は産地主導が多いなかで、末端の要望に応えてくれる」と生産者の姿勢が成果に結びついているとし、加藤課長は「来年はギンナンの食べ方もPRしてよりいっそう消費者に食べてほしい」と話した。