新潟県燕市の鈴木力市長は9日、臨時記者会見を行って64歳以下を対象とした新型コロナウイルスワクチン接種の基本計画を示した。前日8日、隣接する弥彦村の小林豊彦村長が村外住民に対するワクチンの集団接種を行うことを発表したが、燕市でも教員などを対象に弥彦村での集団接種や65歳以上の接種の予約の空き枠を活用した接種の前倒しで、11月末の接種完了を目指す。
64歳以下のワクチン接種の優先順位は、高い方から市内の保育園の保育士ら約400人と小中学校教員約600人、次いで59歳から12歳までの基礎疾患のある人と60歳から60歳までの約1万人、そして59歳から12歳までの約3万3000人の順とする。
このうち教員約600人は弥彦村の集団接種会場で7月上旬に接種を行う。弥彦村には1,000人分の接種を依頼しているので、残り400人分は保育士の接種に充てる。それ以外の保育士は高齢者の集団接種の予約の空き枠などを活用し、7月上旬から8月下旬にかけて接種する。
基礎疾患のある人と64歳から60歳までは、7月5日に接種券を配布し、12日から予約を受け付け、早ければ8月下旬から接種を実施。59歳以下は年齢によって8月上旬から9月中旬ごろまでに接種券を発送し、1回目の接種を9月上旬から10月中旬以降までに行う。集団接種や個別接種に出向けない人には関係機関と連携して対応する。
対象者 年齢区分 |
接種の区分 | 接種券の発送 | 1回目の接種時期 (集団接種) |
---|---|---|---|
保育園保育士等 | 集団接種 (高齢者の集団接種の 空き枠等を活用) |
個別に対応 | 7月上旬〜8月下旬 |
小中学校の教員 | 集団接種 (弥彦村内の 集団接種会場) |
個別に対応 | 7月上旬 |
基礎疾患あり | 個別・集団接種 | 7月5日(月) | 8月下旬 |
64歳〜60歳 | 個別・集団接種 | 7月5日(月) | 8月下旬 |
59歳〜50歳 | 個別・集団接種 | 8月上旬頃 | 9月上旬以降 |
49歳〜40歳 | 個別・集団接種 | 8月中旬頃 | 9月下旬以降 |
39歳〜30歳 | 個別・集団接種 | 9月上旬頃 | 10月上旬以降 |
29歳以下 | 個別・集団接種 | 9月中旬頃 | 10月中旬以降 |
弥彦村の集団接種会場を利用できるようになったことについて鈴木市長は、村議会で小林村長が村民以外の集団接種を行うと発言したことを知り、すぐに連携を進めたと話した。燕市と弥彦村は2014年から定住自立圏を形成しており、PTAは燕市と弥彦村で協力して運営。燕市の小中学校に勤務する教員は燕市在住と限らないことから教員の集団接種の実施を弥彦村に依頼した。
鈴木市長は「半分、ダメ元で村長の所へ走って行ったら心よく引き受けてくれた」と述べ、「早めに村長が引き受けてくれたおかげで、毎日のように学校休校や保育園休園と冷や冷やしているところを解消でき、よりアンリスクになるめどが立ったのは、感謝のひと言」。
さらに「こんな取り組みはほかに例がないと思う。どんどん接種が先に進んでいる弥彦村がとなりにいた、常に定住自立圏や一部事務組合で連携をしている間柄だったからこそ、本当に行ってすぐ話が決まった」と述べた。
7日現在、燕市では65歳以上の接種対象者24,505人のうち22,389人が接種を予約し、予約率は91.4%。このほか集団接種受け入れ枠の拡大として、接種会場に1日約1,000人に接種できる燕市民体育館を9月25日に新設し、吉田産業会館は1日約600人を900人に増設する。中央公民館は現行通り1日約460人。
予約時の混雑緩和のためインターネット予約の割合を全体の8割に増やし、電話受け付けの予約枠を全体の2割とし、スタート当初の4回線を今は11回線に増やしたが、さらに20回線に増やす。