夏の東京五輪に向けて新潟県加茂市で行われる予定だったロシア男女体操チームの五輪事前合宿は、チームの選手らの新型コロナウイルス感染防止のため中止になった。
6日、ロシア体操連盟のバシーリ・チトフ会長名で「代表選手チームの加茂市での事前合宿は行わずに直接、東京に向かうことを決断した」とする文書が加茂市に届いた。
中止の理由は、合宿による感染リスクが大きすぎ、最悪の場合は五輪出場ができなくなるため。加茂市は2019年7月に五輪の直前合宿をスムーズに行うための合宿を受け入れ、同年11月に来日したロシア体操連盟のチトフ会長と事前キャンプに関する覚書を結んだ。
この覚書に基づき、ことしは五輪直前の7月11日から27日まで選手やスタッフ合わせて42人が加茂市に訪れて事前合宿する予定だった。
7日の記者会見で藤田明美市長は「これまで、練習会場となる体操トレーニングセンターの整備や宿泊施設と国内の移動手段の確保、そして感染症防止対策のマニュアル作成などの受け入れ準備を進めてきたが、合宿の中止でロシア体操チームの選手、コーチとの交流ができなくなり非常に残念」とし、「今後は、ホストタウンとして市民の声援を届けるようにしたい。これからも、ロシア体操チームが五輪で良い成績を上げられるように応援していく」と述べた。
加茂市は事前合宿に向け、約6700万円を投じて加茂市トレーニングセンターの建物を回収し、器具すべてを東京五輪使用器具に入れ替えて整備した。