新潟県三条市の名誉市民、プロレスラーのジャイアント馬場(本名・馬場正平)さん(1938-99)の功績を後世に伝えようと活動する「三条ジャイアント馬場倶楽部」の会長、会社役員中條耕太郎さん(54)=三条市=は20日、馬場さんが巻いたチャンピオンベルトのレプリカに続いて今度は馬場さん関連の書籍41冊を三条市に寄贈した。
寄贈したのは、1968年から71年まで『週刊少年キング』に連載された馬場さんの半世紀を描いた漫画『ジャイアント台風(タイフーン)』の単行本全12巻、馬場さんが表紙の『プロレス入門』、馬場さんの生涯をつづる『王道十六文』、全日本プロレス公認ファンクラブ会報誌『KINGS ROAD』など。写真集や直筆サイン入りの貴重な本も多い。
中條さんは、第三中学校の卒業アルバムには尊敬する人として馬場さんとアントニオ猪木さんの名前を書いたほどのプロレスファン。小学校5、6年生のころからプロレス雑誌を買い集めてきたが、今となっては手に取って見返すことはほとんどなくなった。
ずっと家の中や物置に眠っていたのではもったいないと、数あるプロレス関係の本の中から馬場さん関連の本をほぼすべて寄贈することにした。
昨年8月にも馬場さんが巻いたのと同じチャンピオンベルトのレプリカ3本を三条市に寄贈した。昨年7月に開館した三条市歴史民俗産業資料館別館「ほまれあ」の馬場さんのコーナーに展示されている。
20日、滝沢亮三条市長を訪問した中條さんは「プロレスファンに手に取っていただき、見る機会を増やしたいという思いから、ほまれあならより多くの人に見ていただけるのではと、寄贈させていただくことにした」と話した。
学生プロレスあがりの滝沢市長は、ついつい没頭して本を読み込む場面も。中條さんは「昔は60分1本勝負じゃなくて3本勝負だった」、「子どものころのプロレス雑誌は月刊だった」、「プロレス雑誌にフィニッシュホールドが書いてなかった」。ボボ・ブラジル、グレート草津、ザ・グレート・カブキ、マサ斎藤ら往年のプロレスラーの名前を挙げてプロレスの昔話に花が咲いた。
中條さんは「ほまれあに来ればこの本が読めるという格好になればレアさが出る。馬場さんの愛車のキャデラック見て、本を眺めてうっとりして帰っていただく」、「子どもたちにも少しでも興味を示して見てもらうことで、こんな人がいたんだということが、より鮮明になる」。次の世代へも馬場さんの記憶がつながっていくことに期待した。
滝沢市長は「これを機にまた新たにほまれあや三条に来てくださる人がたくさん出てくると思うので、有効活用したい」と約束した。どういう形で常設するかはこれから検討するが、ひとまず市民が手に取って読めるような企画を練っている。