新潟県燕市で18日、「つば×ともモデルエピソードアワード2025」の表彰式が行われ、家庭や職場での「共家事」「共育て」を実践する4件の取り組みを表彰する初めての取り組み。家族や職場、地域で共に行う子育てや家事の工夫を募るこの事業を通じ、誰もが能力を発揮しながら暮らせる環境づくりを進めており、委員会選考と一般投票を経て受賞アイデアを決定。受賞者には副賞として燕市製品を贈った。
応募15件中4件が受賞 「共家事、共育てをしっかり推進していく」
燕市屋内こども遊戯施設「うさぎもちハレラテつばめ」で表彰式を行った。佐野大輔市長は、「燕市はほかの地域と比べて女性の就業率が高く、共働き世帯も多い」としたうえで、家事や育児の負担が誰か一人に偏らないよう「共家事、共育てをしっかり推進していく」と話した。
今回のアワードを、その考え方を広げるためのPRの場と位置付け、「皆さんが寄せたエピソードを市としても大事にしていきたい」と述べた。
表彰された4件は、「お互い様精神で賞」に「役割分担はあえて決めない」(ペンネーム:青りんご)、「社員思いやり賞」に「子どもひとりの誕生で100万円!ずっと安心して働けるように!」(ペンネーム:ちょぴん)、「郷土愛育むで賞」に「つばめっ子カルタ巡り」(ペンネーム:ギズモ)、「感謝の言葉は大事で賞」に「『ありがとう』って言ってもらいたい」(ペンネーム:もりみ)。
表彰式には、受賞者のうち「役割分担はあえて決めない」の加藤彩花さん(39)と、「子どもひとりの誕生で100万円!ずっと安心して働けるように!」の塗装ブース設備工事の(株)吉田工業(燕市吉田法花堂・吉田智代表取締役社長)が出席した。
家庭内で役割を細かく決めすぎないことが円満のコツ
加藤さんは受賞あいさつで、仕事と子育てを両立するなかで「これを自分がやらないと」と思い込み、負担やストレスを抱えていた時期があったと振り返った。
そのうえで、「得意な分野を得意な人がやる」と発想を変えたことで、時間的にも気持ちの面でも楽になった。「その時、その時で、お互いに思いやりをもって融通を利かせながら、今の楽しい時を楽しめるように頑張っていけたら」と話した。
加藤さんは家庭内で役割を細かく決めすぎないことが円満のコツと話した。決めてしまうと「やらなかった方に、なんでやらないんだろうというモヤモヤが出る」と言う。
状況を見ながら自然に動くほうが家庭はうまく回るとした。夫の達彦さん(42)も同席し、夫婦ともに働きながら子育てをしていることを話した。
子どもが生まれたら祝い金100万円を支給
一方、「社員思いやり賞」の吉田工業は、社員に子どもが生まれたときに、祝い金として100万円を支給する制度を13年ほど前から続けている取り組みが評価された。
これまでに対象は10人以上にのぼり、総額では1000万円を大きく超える規模になっているという。
吉田社長は受賞あいさつで、「子どもを産むことに対する抵抗が少しでもなくなればと思って始めた」。子どもはお金に換えられるものではないが、出産前後の生活を少しでも支え、家族の応援になればとの思いで続けてきた。
制度開始当初は社員に気に入ってもらえる会社づくりを考えた末の一手だったが、いまでは社員が家をもち、家庭を築くことにも積極的になってきたとし、「よかったなと思っている」と話した。
この取り組みを紹介した動画がTikTokやInstagramで大きな反響を呼び、TikTokでは約380万回再生に達したという。
採用面でも効果があり、20人規模の会社ながら昨年5人、ことし4人を採用し、現在は採用をいったん絞るほど。祝い金以外にも、フレックスタイム制や酸素カプセルの導入、駐車場への屋根設置など福利厚生を拡充。社員が自分の時間を有意義に使いながら働ける環境づくりを進めている。
欠席した受賞者2人のコメントも紹介された。「つばめっ子カルタ巡り」は、つばめっ子かるたを通じて家族で遊びながら内容も理解でき、外出のきっかけにもなると活用を勧めた。
「『ありがとう』って言ってもらいたい」は、同じ家に住むチームとして暮らすなかで、親しき仲でも思いやりと礼儀を忘れないことの大切さをつづった。
燕市は今回の受賞事例を、広報つばめやSNSなどを通じて発信していく。2026年度も「つば×ともモデルエピソードアワード2026」を開催予定。市公式ホームページでも、家族や職場、地域での「共家事」「共育て」の工夫を募る事業として位置付け、共育て推進や女性活躍推進の一環として展開している。
受賞の4件
