新潟県三条市の伝統文化「三条凧(いか)合戦」が、フランス・パリ近郊で開催された桜の花見を楽しみながら日本文化にふれるイベント「HANAMI」で、18、19日の2日間にわたり披露され、現地来場者から高い関心を集めた。主催はパリ西部のオー=ド=セーヌ県。会場となったソー公園(Parc de Sceaux)には、2日間で約1万人が訪れ、日本文化に親しんだ。
今回の取り組みは、2027年にパリで本格的な三条凧合戦を開催することを見据え、オー=ドーセーヌ県からの依頼を受け、視察と実証を目的に行われた。
会場では、三条六角巻凧の凧揚げ披露や凧合戦のデモンストレーションのほか、来場者向けの凧揚げ体験、武者絵の塗り絵ワークショップなどが行われた。凧揚げの披露には約2,000~3,000人が足を止め、約100人が体験プログラムに参加するなど、現地での反応の大きさがうかがえた。
印象的だったのは、日本文化に対する関心の深さ。現地ではアニメやゲームといったポップカルチャーに加え、伝統文化や工芸といったより本質的な文化への関心が高まっている傾向が見られた。
来場者は凧合戦という独自性の高い文化に強い興味とリスペクトを示し、「より深く体験したい」という声も多かった。
また、オー=ド=セーヌ県との協議も進み、今後の展開に向けた具体的な可能性が見えてきた。来年は、一般参加型の凧合戦の開催や凧づくりワークショップ、三条凧囃子の太鼓披露、凧の物販などが提案された。
さらに現地高校での出前授業といった教育プログラムの実施も検討。5月に主催者側から報告書が共有され、6月中には次年度の参加可否が決定される見込みだ。
広大なソー公園の環境は凧合戦に適しており、実際に披露された凧揚げには多くの来場者が足を止め、高い関心を集めた。開放的なロケーションと観覧環境の良さから、条件が整えば本格的な凧合戦の開催も十分に可能。今後の展開に向けた手応えを感じさせた。
また、パリ市内ではギャラリーヴィヴィアンヌにおいて4月22日から26日までの5日間、「三条凧合戦展」も開催され、六角巻凧の展示や凧合戦の文化的背景の紹介を通じて、三条の伝統文化の魅力を多角的に発信した。
会場のギャラリーヴィヴィアンヌ周辺には、ルーブル美術館やピカソ美術館、セーヌ川などが位置するパリ中心部。多くの観光客や芸術愛好家が行き交うエリアに立地する。
そうした環境の中で開催された本企画展は、三条六角巻凧をアートとして捉える新たな視点を提示する機会となり、その可能性を大きく広げた。
これまで三条凧合戦は、22年のアゼルバイジャン、24年の台湾、25年のタイと海外での披露を重ね、各地で高い評価を得た。日本文化として海外でも十分に通用する手応えを感じた。
そのうえで今回のフランス パリでの反応は想像以上に大きく、毎年パリでの凧合戦の開催などの継続的な海外事業や文化交流の可能性を強く感じさせる結果となった。
