三条看護・医療・歯科衛生専門学校(新潟県三条市・木村勉学校長)は22日、三条市体育文化会館で、看護学科6期生の継燈式(けいとうしき)を行った。8月からの本格的な臨地実習を前に2年生になった6期生40人がナイチンゲールの精神を受け継ぐ灯火(ともしび)を手に、看護師を目指す決意を新たにした。
継燈式とは、病院で初めて患者を受け持つ臨地実習を前に、ナイチンゲール像から看護の灯火を受け継ぎ、看護の道への決意を表明する式典で、同校でも毎年恒例。
6期生は実習着の胸にコサージュをつけ、ステージ正面のナイチンゲール像のキャンドルに火をともしてから、2年生はひとりずつ順番に登壇し、それぞれの手に持つキャンドルにその火を移した。
全員がひな壇に並ぶと、声を合わせてナイチンゲール誓詞を唱和したあと誓いの言葉。「わたしたちはこの灯火を受け継ぐ者として人々の命と健康を守る責任を自覚し、学び続けながら看護を実践することを誓います」などと述べ、「人と向き合い、人々の命と健康を守る」医療人としての自覚を胸に刻んだ。
臨地実習を前に「誠実であることを忘れずに」
木村学校長は式辞で、継燈式を「ナイチンゲールの時代より受け継がれてきた看護職としての職業理念を継承する誓いの式」と位置づけた。
学生に向けて「これから看護の学びはより専門性を増し、臨地実習へ進む。困難に直面することもあるだろう」としたうえで、「常に患者さんに誠実であること、看護職を志した気持ちを忘れずに困難に向き合ってほしい」と激励した。
さらに「これから始まる看護実習、待ち受ける看護師試験、そして看護師になった後も多くの試練がある。そんな時、きょう誓った自分が大きな支えになるはず」と述べ、仲間や教職員、家族の存在を力にして歩むよう呼びかけた。
「患者さんの時間と心に寄り添える看護師を」
来賓を代表して社会医療法人三之町病院の鈴木美智子看護部長が祝辞を述べ、「看護には高い倫理性、人間性が求められる。戸惑いや不安を覚える場面もあるかもしれないが、失敗も悩みも皆さんを良い看護師へと導く大切な経験になる」と話した。
また、フローレンス・ナイチンゲール記章を受章したシスター寺本松野さんの言葉を紹介。「時間は平等で有限。とくに患者さんにとって、今この時は二度と戻らない。患者さんが感じている時間に寄り添い、患者さんと過ごす時間に何をすべきかを考えてほしい」とし、「患者さんの時間と心に寄り添える看護師を目指してほしい」と期待を寄せた。
代表の鈴木琉依さん「地域や社会に貢献できる看護師を目指す」
6期生を代表して三条市出身の鈴木琉依(るい)さん(19)が感謝の言葉を述べた。鈴木さんは「1年前の春、新たな環境への期待と不安を胸にこの学校へ入学した」と振り返り、専門的な知識や技術の習得に戸惑いながらも、授業やグループワークを通して仲間と支え合って学んできたことに感謝した。
そのうえで「看護の知識や技術だけでなく、人として大切な思いやりや責任感についても学んできた」とし、医療人材不足や高齢化、医療体制のひっ迫などの課題にも触れながら、「一人ひとりが今後の医療を担う責任を自覚し、地域や社会に貢献できる看護師を目指していく必要がある」と決意を述べた。
これから始まる臨地実習については「困難に直面することもあると思う。そのような時には一人で抱え込まず、お互いに頼り、助け合い、協力して乗り越えていきたい」と話し、実習先の病院、患者、教職員、家族への感謝を表した。
仮死状態で生まれた自分や家族や知り合いを医療従事者が助けてくれた
式後、鈴木さんはは臨地実習を前にした心境について「不安しかない。先輩から大変だと聞いているし、学校での演習と違って実際に患者さんを受けもたせていただく」と率直に話した。
さらに「自分が生まれたときは仮死状態だった。そのときに助けていただき、家族や知り合い、自分も医療従事者に助けていただいた。きょうの来賓の方に取り上げてもらった」と、新潟県済生会三条病院の池穂波看護部長の席を指さした。それが看護師を目指すきっかけになった。
将来の看護師像を聞くと、「人のためになれて、親身になって寄り添える看護師になりたい」と目を輝かせた。6期生たちは灯された思いを胸に、8月から臨地実習に臨む。地域医療を支える人材を目指す40人の歩みが、ここから本格的に始まる。
