新潟県加茂市出身の書家、泉田佑子さん(49)とオンライン書道教室で学ぶ仲間たちの展覧会「筆人の集い2026」が17日(土)、三条市の三条東公民館で始まった。2014年から毎年、「筆人の集い」として開かれており、ことしで13回目。画面越しに磨いてきた表現を作品にして持ち寄り、来場者と書を通じた交流を楽しんでいる。18日(日)まで。入場無料。

筆先まで見えるオンライン指導で「学びは深くなった」
泉田さんは昨年から教室のオンライン化を試み、ことし1月に完全移行した。現在は5人が学んでおり、年末からはそれぞれが教える側に立つことも目指している。
授業にはZoomを使い、顔と手元を映す二つのカメラを用意する。泉田さんの画面には受講生の顔と手元が並び、筆先の細かな動きまで確認できる。対面では見えにくかった部分を互いに大きく映せるほか、録画を見返すことで、その場では理解しきれなかった説明も学び直せるという。
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移行に戸惑い、教室を離れた人もいた。それでも泉田さんは「今まで見えなかった部分がはっきりと確認できるようになった」「学びは深くなった」と手応えを語る。「たまには会うことも重要」としながら、指導については「もう元に戻れないと思う」と話した。
オンラインで学ぶ仲間たちと展覧会を開けるのか。当初の心配は、作品が並んだ会場で実現の喜びに変わった。
藍に染めた加茂紙に、新たな「花」の表現

会場では泉田さんと受講生が、それぞれの思いを託した書作品を展示。泉田さんが5点、受講生が7点の計12点が並ぶ。
泉田さんの新作は、藍で染めた加茂市で伝承されている加茂紙を使った作品。青い地に「種」と「咲く」をそれぞれ表した2点の書を展開した。「花」の漢字をいったん解体し、シンプルな線で組み直すことで、自分なりの新しい「花」の形を生み出したという。
青は、聖母マリアがまとう「慈悲の青」のイメージも重ねたマリアンブルー。「2026年の私が作った『花』という字」と説明し、文字の形と色を通して表現を広げている。
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会場には、さまざまな筆を使って大きな紙に円を書くワークショップも用意した。形の整った円を目指すのではなく、思い思いに筆を動かし、書く楽しさに触れてもらう。

筆の動きを映像で伝え、世界へ
泉田さんが次に目指すのは、筆ペンの技法を世界中の人が共有できる教材づくりだ。高精細なカメラで筆先の動きを記録し、書法を体系化することで、流派や言葉の違いを越え、目で見て理解しやすい教材にしたいという。
SNSでは海外で日本文化に関心を持つ人たちとの交流も進めている。「世界に向けて技術も発信するし、仲間を増やしていく」と、オンラインで広がる書の可能性を見据える。

地域の文化を未来につなぐ活動にも取り組んでいる。泉田さんによると、雪で屋根が損傷した加茂市の青海神社の本殿修復に向け、人々の心を一つにするシンボルマークを制作した。テーマに据えたのは「拓く」。「100年後の子どもたちも未来を拓いていけるように」と、修復を通じて地域の見えない絆を結び直したいと話している。
18日は午前9時半から午後4時半まで。午後1時半から2時半まで作品制作の舞台裏を紹介するギャラリートーク、同2時半から3時までオンライン教室の公開デモンストレーションを予定している。問い合わせは筆人の会の野水隆さん、電話080-6576-1024。
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