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来夏開通なら今回が開通前最後に 八十里越交流会、六十里越を回った初訪問から16年

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国道289号八十里越の早期開通を願い、開通後を見据えて交流を重ねてきた新潟県側の三条市商工会と福島県側の只見町商工会による「八十里越交流事業」が10月17日、三条市で行われた。八十里越は来年夏に暫定開通する予定で、その通りに進めば今回が暫定開通前最後の交流会となる。2010年の交流開始から16年。関係者は待ち望んだ開通を前に、これまでの歩みをかみしめながら、道がつながった先も続く付き合いへ思いを重ねた。

暫定開通前最後となる三条市商工会・只見町商工会 八十里越交流事業

六十里越を回った初訪問から16年

交流事業は、2010年に当時の下田商工会が国道252号の六十里越を通って只見町商工会を訪問し、早期開通に向けた懇談会と福島県側の工事現場視察を行ったのが始まり。翌2011年は新潟・福島豪雨で中止したが、2012年には工事中の八十里越を車で通る交流が実現し、その後も両地域で交互に開催してきた。

道路の完成を待つ間にも、商工会の青年部や女性部、地域の祭りなどを通じて交流を積み重ねてきた。今回は只見町商工会関係者が八十里越の工事現場を視察し、三条市内のスノーピークミュージアムと諏訪田製作所を見学。午後は市役所栄庁舎で「八十里越道路開通後の交流に向けて」をテーマに懇談会を開いた。

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懇談会
懇談会

座長を務めた三条市商工会の渡辺定一顧問は、2012年秋、只見町側の一行がバス2台で八十里越を越え、三条市側で出迎えたときの感動を今も覚えていると振り返った。交流の初期から携わってきただけに、いよいよ開通を迎えることへの感慨をにじませた。

「さてこれからです」 開通を地域の力に

三条市商工会の佐藤洋一会長は、先人たちの長年の働き掛けと、国や県、関係機関の協力によって開通のめどが立ったことに感謝し、「さてこれからです」と呼び掛けた。

歴史的に往来があり、親戚関係もある三条と只見。新たな道路を地域のためにどう生かすかが問われるとし、産業の情報交換にとどまらず、人や文化の交流を通じて互いを理解する架け橋にしたいとの思いを示した。

只見町商工会の目黒長一郎会長も、これまで続けてきた交流を振り返り、八十里越の工事が進んでいることに言及。来年夏の暫定開通を見据え、交流をさらに進めていく意向を示した。

三条市の滝沢亮市長は、事業化や工事着手以前から続く、半世紀以上にわたる地元の願いが実現しようとしていると述べた。開通に向けてさまざまな取り組みが行われているが、その基本にあるのは人と人、心と心のつながりだとし、今回の交流を通じて両地域の結び付きが一層深まることを願った。

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只見町の目黒仁也副町長は、開通によって人や物の流れが大きく変わる転換期を迎えると指摘。三条市のものづくりと只見町の豊かな自然を結び付けることで、新たなビジネスや観光の可能性が生まれることに期待した。

道路の完成を、立ち寄りと交流につなげる

懇談会では、国や県、市の担当者が工事の進捗と開通を見据えた取り組みを報告した。

国土交通省長岡国道事務所の松川武彦所長によると、国の事業区間は三条市塩野渕から只見町大字叶津までの11.8キロ。1986年度に事業化し、1989年度に工事着手した。2026年3月末時点の事業進捗率は約96%で、2027年夏の暫定開通を目指して工事を進めている。

新潟県三条地域振興局の米山哲郎局長は、福島県と連携したデジタルスタンプラリーや関東方面でのPR、下田地域の伝統食「ひこぜん」を生かす取り組みなどを紹介。道路を通り過ぎるだけでなく、地域に立ち寄ってもらうための魅力づくりを進めていると説明した。

福島県南会津振興局の石井英世副部長は、局長の代理として出席。両県が連携するデジタルスタンプラリーや旅行会社向けのモニターツアーなど、誘客に向けた取り組みも紹介。「商工業者の力が必ず必要になってくる。一緒にタッグを組みながら取り組んでいきたい」と呼びかけた。

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三条市経済部営業戦略室の石黒美保子室長は、三条市、只見町、南会津町による観光連携などを報告。互いの祭りへの参加など、すでに育まれている交流を紹介し、開通後の一層の広がりに期待を示した。

意見交換では、地域の行事を交流の場として活用する提案のほか、建設業団体の間で災害時の相互応援協定を結んだことも報告された。長年続けてきた交流は、地域同士が支え合う具体的な取り組みにもつながっている。

開通後こそ、日常の「近所付き合い」を

閉会のあいさつに立った三条観光協会会長でもある三条市商工会の大竹啓五副会長は、予定通り来夏に開通すれば、開通を待ちながらこの形で集まる機会は最後になるかもしれないと語り、これまで以上に交流を深めたいとの思いを示した。

道路ができれば観光客の往来が期待される一方、地域の人たちが日々、使う生活道路にもなる。大竹副会長は、人口減少という共通の課題を抱える地域同士が、これからは「近所付き合い」を重ねていくことの大切さを語った。

互いの地域をよく知り、訪れた人に、向こうへ行けばこんな場所があると紹介できる関係を築く。それぞれのふるさとがこれからも残っていくよう、寄り添いながら付き合っていきたいと呼び掛けた。

早期開通を願って続けてきた交流は、道路が開いてからも続いていく。長年の尽力への感謝とともに、開通後も互いを訪ね、知り、支え合う関係を育てていこうとの思いを共有した。

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