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「長谷川清晴展-時の世界-」開幕 弥彦村名誉村民・鈴木力氏のいちばん弟子

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新潟県弥彦村の美術館「弥彦の丘美術館」は、26日(土)から9月24日(日)まで企画展「長谷川清晴展-時の世界-」を開く。弥彦村の名誉村民、洋画家鈴木力さん(1937-2020)のいちばん弟子、新潟市西蒲区巻地区出身の長谷川清晴(きよはる)さん(68)の作品15点を展覧する。

オープニングセレモニー
オープニングセレモニー

いきなり県展賞を受賞した作品がデビュー作

長谷川さんは、石川県金沢市に本部を置く美術団体「一陽会」会員で、日本美術家連盟会員、新潟県美術家連盟常務理事、県展運営委員。1979年に県展賞、2000年に雪梁舎フィレンツェ賞展優秀賞などを受賞。06年に弥彦村で開かれた「新潟の洋画家10人の世界展」で10人の1人に選ばれて出展しているが、弥彦の丘美術館での個展は初めてになる。

展示作品は20号から200号まであり、ほとんどが油彩で近作の3点だけアクリルで描いてある。25日開かれたオープニングセレモニーで長谷川さんは1点ずつ作品を解説した。

作品を解説する長谷川清晴さん
作品を解説する長谷川清晴さん

最も古いのは県展で入選もしていなかったのに、いきなり県展賞を受賞した1979年の作品『静物III』(F50)。テーブルに置かれたモナリザの絵や額、瓶やグラスを描いた。「私としてはデビュー作となった」と長谷川さんは言う。

この作品については、モナリザの絵は銀行のカレンダーにあったもので、「わたしを描いてって感じだった」と長谷川さん。「瓶やグラスを描いて途中で瓶が倒れてこのまま描けばいいや」と描いたと、制作のプロセスを話した。

『静物III』(F50)県展賞受賞
『静物III』(F50)県展賞受賞

家業の畳店で働きながら画業に励む

16歳から絵を描き始め、「この作品を見て鈴木先生がぜひ会いたいと言ってくださった」。25歳で鈴木さんと出会い、きりがないくらい話をした。鈴木さんに「あんたどうするんだ」と聞かれて「仕事をしながら絵を描きたい」と答えた。今も家業の畳店で働きながら画業に励む。

『ショートケーキ』(F30)は今回のために制作した。モノトーンが基調の『ビールの香り』(P200)はマジックで描き始め、画面の上はイラスト的になった。「うーん、下を描けばなんとかなるというのを見せつけようかなと思った」とキーを描き加え、ビールを黄色に塗った。

『ショートケーキ』(F30)
『ショートケーキ』(F30)

『ラーメンの香り』(F30)は「子どもがカップ麺が好きで」。たくさんのちびた鉛筆を大きなカンバスに描いた『HB~8B』(F120)は、「昔から小さいものを大きく描くのが好きだった」。なんのけれん味もない作品解説で、長谷川さんは創作の手の内を明かした。

同じモチーフに執着して描き続け、究めようとする作家は多い。その方が評価が得られやすいという側面もあるが、長谷川さんの作品は時代によってモチーフも技法もがらりと変わる。会場はすべてひとりの作品と思えないほど振れ幅が大きい。

『デザート』(P200)
『デザート』(P200)


「こっちに行ったらいいかなと見つけたらすぐ変わっちゃう」

「今、自分がやっていることをやりながらほかの方向も見ている。こっちに行ったらいいかなと見つけたらすぐ変わっちゃう」。常にアンテナを伸ばし、周りを見ながら新たな方向性を探している。

ずっとテーマにしているのが「時」。作品に込めた「時」はもちろんだが、長谷川さんの作風の変化にもはっきりと「時」が流れている。変化した結果、「ひっくり返して成功したときの喜びがいちばん大きい」。そして「自分がおもしろけりゃいい。だから続けられる」と、興味の向いた先を追いかけることが、長谷川さんの創作の原動力になっている。

『ビールの香り』(P200)
『ビールの香り』(P200)

8月26日と9月10日に長谷川さんによる解説会

8月26日(土)と9月10日(日)は、いずれも午後2時から長谷川さんによる解説会を開く。開館時間は午前9時から午後4時半まで、会期中は無休。入館料は高校生以上300円、小・中学生150円。問い合わせは弥彦の丘美術館(0256-94-4311)。

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