新潟県加茂市の森友和市議(47)は25日、加茂市産業センターで記者会見し、2027年4月の新潟県議選に加茂市南蒲原郡選挙区(定数1)から無所属で立候補する意向を表明した。「地域の力をともにつなぐ」をスローガンに、加茂市、田上町と県との連携を強化し、地域課題の解決に向けた「つなぎ役、調整役」を担いたいと訴えた。
県と市町をつなぎ、地域の声を事業に
森氏は2019年に加茂市議に初当選し、現在2期目で、市議として8年目。県政を目指す理由について、市議として市に要望や意見を伝えてきたものの、市だけでは十分に対応できない課題が多かったと話した。
市、県、国で所管が分かれていても、住民の生活では一体のサービスとして受け止められていると指摘。道路や河川などでは県との足並みをそろえる必要がある一方、行政職員同士の調整だけでは地域住民の声を具体化することが難しいと感じる場面があったとし、「県につながる仕事をしていきたい」と語った。
具体例には、加茂市の中学校統合に伴う通学路の安全確保を挙げた。統合後の中学校として準備が進む若宮中学校に通う道路について、県が所管する区間に安全面の課題があり、長年、改善が進んでいないと指摘。「加茂市の力だけではどうにもならない」とし、市の学校再編と県の道路整備を連動させる必要性を訴えた。
加茂市が人口減少を見据えて進める公共施設の再編や、田上町での消雪パイプの更新、道路・河川の維持補修にも言及。両市町で課題となっている有害鳥獣対策には、市町村の枠を超えた対応と県の支援が必要とした。
地域の声をまとめ、行政との間で合意形成を図り、県の予算を含めた事業化につなげることを自身の役割と位置付ける。
無所属で出馬、自民党の地元両支部が推薦
森氏は自民党加茂支部の副支部長。会見では、同党の加茂、田上両支部や、新潟県商工政治連盟田上支部などから推薦を受けているが、自民党県連に推薦や公認を求める予定は、現時点ではないとした。
無所属で立候補する理由は、保守か革新か、どの政党かという「色」だけで選挙が行われることへの危機感を挙げた。加茂、田上が解決すべき地域課題と、国政をめぐるイデオロギーは必ずしも結び付かないとし、政党の色による対立が、地域課題として政治を考える関心の薄れにつながっているのではないかとの考えを示した。
自身の政治姿勢については、地域の慣習や人々の営みを大切にしながら、課題解決のための変化をいとわず、現実的な解決策を積み重ねる「保守的な姿勢」と説明した。
現職との違いに、地域との意見交換を挙げる
同選挙区選出の現職、大平一貴県議との違いについての質問があった。大平県議は、森氏が初当選した2019年から大平氏が県議選出馬のため市議を辞職した2023年まで、加茂市議会で同僚だった。
森氏は大平氏について、市議時代から「前例にとらわれない活動」をしているとする一方、大平氏の県議就任後は、市議会や町議会と県政に関わる地域課題について話し合いや意見交換をする機会がなかったとの認識を示し、「ここは一つ、私が出馬を決意する大きな理由」と述べた
一方で、市議会や町議会とのコミュニケーションを取る機会が十分ではなかったとの認識を示した。県政に関わる地域課題がありながら、この3年半、話し合いや意見交換の場がなかったと記憶していると述べ、この点も出馬を決意した大きな理由に挙げた。
インフラを軸に産業、教育、防災へ
今後、力を入れたい分野には、道路などのインフラ整備を中心に、産業、教育、安全、防災を挙げた。加茂市で国道403号の整備に伴って大型スーパーの出店が進んでいることを例に、インフラ整備と産業の動きは結び付いており、地域の形を変えるものだとした。
スローガンには、産業界、行政、市民活動、日々の地域の営みが持つそれぞれの力をつなぎ、地域全体で課題解決を進める思いを込めた。詳細な政策は、今後地域住民の声を聞きながら整理する。
人口や自治体の規模が縮小しても、住民の安全や地域の営みを守るため、行政や政治との関わりを薄めてはならないと強調。政治への関心が薄れている次の世代に対し、行政と地域が協力してより良いまちをつくる姿を示したいとし、「私たちの世代から次の世代へ、より良い地域を引き継いでいきたい」と述べた。
市議は当面継続、支援の輪を広げる
後援会長には長澤義明氏が就任。会見には自民党加茂、田上両支部の支部長や、新潟県商工政治連盟田上支部の副支部長らが同席した。今後、地域や団体に支援を呼び掛け、選挙対策の体制を整えていく。市議については、まだやり残している仕事があるとして、現時点では続ける考えだ。
また、長澤吉明後援会長は、森氏が市議として活動するなかで、加茂市への思いや将来について日頃から話を聞いてきたと説明。今回、県議選に立候補したいとの意向に「心から応援したい」と考えて後援会長を引き受けたと述べた。
同席した池井豊田上町議は、加茂・田上地域では県政の情報を得たり、地域の要望を県へ届けたりする「つなぎ役」が十分に機能していないとの認識。県政に関する資料を他選挙区の県議に提供してもらったり、加茂・田上地域から三条地域振興局などへの要望が少ないと指摘されたことがあったと説明。「要望事項をまとめて県に上げる人のつなぎ役がいなかった」と述べ、地域と県を結ぶ役割を担う県議が必要だと森氏を支援する理由を語った。
森氏は1979年5月15日生まれ。加茂南小、若宮中、新潟明訓高を経て、2002年に成蹊大学経済学部経営学科を卒業した。製靴業、アパレル業を経て専門学校で会計学、簿記、財務諸表論の講師を務め、在職中に新潟大学大学院で公共経営学を学び、2017年に現代社会文化研究科修士課程を修了した。現在、市議会の総務文教常任委員長と広報広聴特別委員会委員長を務める。


