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傘寿と役員退任の節目に600万円 夫婦で築いたハイサーブウエノ 小越憲泰会長が三条へ恩返し

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業務用厨房機器の設計、製造などを手がける(株)ハイサーブウエノ(三条市福島新田)の創業者、小越憲泰会長(80)は30日、三条市の諸橋轍次博士奨学金に500万円、NPO法人新潟県フードバンク推進協議会に100万円を寄付した。ことし傘寿を迎え、この日をもって代表取締役をはじめとする同社のすべての役員を退任。人生と会社経営の大きな節目に長年、事業を続けてきた三条市へ恩返しをしたいと、教育と子どもの支援に計600万円を贈った。

左から新潟県フードバンク推進協議会の小林事務局長、田代理事長、ハイサーブウエノの小越憲泰会長、滝沢市長、元晴社長
左から新潟県フードバンク推進協議会の小林事務局長、田代理事長、ハイサーブウエノの小越憲泰会長、滝沢市長、元晴社長

教育と子どもの食支援で諸橋轍次博士奨学金500万円、県フードバンク100万円

30日、市役所で贈呈式が行われた。高額寄付でもあり、市役所玄関で市職員らが集まって小越会長と同行したその長男の小越元晴社長(53)を拍手で出迎えた。

市長室で小越会長から滝沢亮市長に奨学金への寄付目録を手渡した。滝沢市長は「三条市の将来を担う子どもたちが安心して学業に専念できるよう、有効に活用させていただく」と感謝した。式には同協議会の小林淳事務局長も同席した。

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小越会長は、若いころにPTA活動に携わった経験などから、以前から教育や子どものために何かしたいとの思いがあった。

小越会長と滝沢市長
小越会長と滝沢市長

2004年の7.13水害では、三条市から受け取った見舞金をそっくり三条市に寄付した。2020年には金婚記念で三条市にコロナ禍でのマスク寄付も行い、同じ年には会社として水害後の泥落とし用に高圧洗浄機を三条市社会福祉協議会に寄付するなど社会貢献を続けている。

今回は小越会長が三条市へ寄付を申し出て、小越会長の思いが反映されるような形になるよう三条市と協議して寄付先を決めた。

「ことし傘寿という大きな節目を迎え、役員も退く。何かお礼をしようと思った。三条市に少しでも寄与できれば」と、寄付に込めた思いを語った。

元晴社長も「三条市に恩返しをしたい、教育や子どもたちのために使ってほしいという思いをずっと持っていた」と、父の思いを説明した。

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妻の百合子さんらと3人で築いた会社

ハイサーブウエノは1969年10月設立。厨房機器や厨房システムの設計、製造、施工、メンテナンス、ステンレス板金加工などを手がける。

市長室で歓談
市長室で歓談

生家はサッシなどに使う戸車を製造していた。「三条にない商売を始めたい」と考えていた小越会長は、1964年の東京五輪を見に上京したときに、これなら三条にはない業種だと、親戚の会社が手がけていた厨房機器製造の上野製作所に興味を持った。


県立三条高校から国立長岡工業短大(今の国立長岡工業高等専門学校)を卒業すると、上野製作所で約3年間、経験を積んだが、父親の病気を機に三条へ戻り、23歳で独立した。

修業先の名を受け継いで上野製作所として事業を始めた。その後、栄中央工業団地への移転を機にハイサーブウエノへ社名を変更。「ハイサーブ」には「より良いサービス」、「ウエノ」には修業先への恩を忘れないという思いを込めた。

創業時は妻の百合子さん(80)、後に工場長を務めた社員と小越会長の3人で会社の礎を築いた。百合子さんは事務を担う一方、自らトラックを運転して納品にも走り、小越会長と二人三脚で事業を支えた。

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小越会長は創業当時を振り返り、「会社をつくったのは私と女房、それから工場長の3人。女房は事務をしながらトラックを運転して納品にも行った」と話した。

小越親子
小越親子

今回の寄付には、夫婦で築いてきた会社のひとつの区切りに、長年にわたり支えてくれた三条市へ恩返しをしたいとの思いも込められている。

役員最後の日に迎えた新たな節目

小越会長は30日をもって代表取締役をはじめとするすべての役員を退任した。この日が役員として最後の日となり、傘寿を迎えた年に会社経営に一区切り。役員からは退くものの、今後も呼称は「会長」とする予定だ。

会社への出勤も続ける考えで、「とりあえず会社には行く。これからも一人ひとりにあいさつしたい」と話した。健康のため、できるだけ歩いて通おうと考えている。

元晴社長は、父が従業員だけでなく、郵便や荷物を届ける人にも欠かさずあいさつすることに触れ、「会社が成長しても原点を忘れないため、創業の苦労や考えをこれからも話してもらうことが大事」と述べた。

三条市の歓迎に小越会長は「晴れがましくされると困る」と照れ笑い。それでも、傘寿と役員退任の節目に、創業から半世紀余りを支えてくれた地域への感謝を寄付という形にした。

三条市内で約500世帯がフードバンクに登録

小越会長と新潟県フードバンク推進協議会の田代理事長
小越会長と新潟県フードバンク推進協議会の田代理事長

一方、新潟県フードバンク推進協議会は、現在の登録世帯は新潟県内で1万1,000世帯を超え、三条市内でも約500世帯に上ることを話した。今回の寄付金は、それぞれの家庭の状況に応じた食料支援や、子どもたちを支える活動などに活用する。

「厳しい状況にある子どもたちが支援からこぼれ落ちないよう、行政や社会福祉協議会、地域の企業や個人と連携して取り組みたい」と感謝した。

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