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燕三条・新潟県央地域のニュース

金属洋食器発祥の燕物産で幕開け 「燕三条 工場の祭典」過去最多157カ所 「人が、ひらく。」テーマに4日間

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新潟県燕三条地域の工場や工房などを一斉に開放する「燕三条 工場の祭典2026」が1日、開幕した。14回目となることしは過去最多の157カ所が参加し、4日までの会期中、燕三条地域の産業の魅力を観光の視点から発信する。

燕三条工場の祭典開扉セレモニー

参加会場は燕市、三条市を中心に、加茂市、見附市、新潟市、田上町、弥彦村へとエリアを広げ、うち製造業は100社を数える。工場見学やものづくり体験、製品販売などを通じて、金属加工をはじめ、金型、木工、プラスチック、印刷・パッケージ、食品など、地域の幅広い産業に触れてもらう。

年次テーマは「人が、ひらく。」。工場の扉を開くだけでなく、ものづくりを担う人と訪れる人が出会い、関係や挑戦、次の一歩をひらくとの思いを込めた。ことしは複数の工場を巡る公式バスツアーを昨年の27本から40本へ増便。参加会場のQRコードを読み取って集める「デジタル御朱印帳」も初めて導入した。

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テープカット
テープカット

金属洋食器発祥の燕物産から幕開け

初日の1日は午前8時半から燕市小池の燕物産で開会式が行われ、実行委員会や行政、経済団体などの関係者が4日間にわたる祭典のスタートを祝った。

燕物産は1751年に金物商として創業。1911年に前身の捧吉右衛門商店が東京・銀座の商店から注文を受けて洋食器を製造し、日本の金属洋食器発祥の企業となった。燕の代表産業である金属洋食器製造の出発点であり、ことしの実行委員長を同社専務取締役の捧開維さんが務めることからも、祭典の原点を象徴する会場となった。

過去に工場の祭典の事務局や実行委員として関わった佐野大輔燕市長も挨拶で、燕物産を「燕の洋食器の発祥の地、日本の洋食器のスタートの地」と紹介し、開会式にふさわしい場所で開催できることを喜んだ。

式では来賓らがテープカットしたあと、開扉セレモニーを実施。捧実行委員長の恒例の「ひらけ!」の掛け声に、会場全体が「KOUBA(こうば)」と応えた。

例年は工場の扉を開いて開幕を告げてきたが、ことしは燕物産のパワープレスを稼働させ、その機械音で生の製造現場を感じてもらう演出とした。同時に開催エリア各地で開幕を告げる花火が打ち上がった。

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このあと、燕物産では来賓や報道関係者を対象に工場見学やスプーン研磨のワークショップを行った。

「人」を主語に産地の日常を未来へ

捧実行委員長

捧実行委員長
捧実行委員長

捧実行委員長はいよいよ開幕を迎えて涙をこらえて挨拶した。行政や関係者、参加企業、ボランティア、運営スタッフなどに感謝したうえで、「燕三条は技術や製品が注目される産地だが、それを生み出すのは人。ことしは、ものづくりの主語に改めて『人』を掲げた」とテーマの意図を説明した。

燕三条 工場の祭典が第10回ジャパン・ツーリズム・アワードの観光庁長官賞を受賞したことを紹介し、「目指すのは365日いつでもものづくりに触れられる産地」と述べた。

さらに、工場に明かりがともり、機械音が響き、職人が手を動かす日常は当たり前に残っていくものではなく、「守りたいのは工場の祭典というイベントではなく、私たちが過ごしている日常そのもの」と強調した。

ものづくりをする人が生み出す唯一無二の風景を「MakerScape(メーカースケープ)」と呼び、10年後へつなげたいとした。来場者には製品や技術だけでなく作り手に会ってほしいと呼びかけ、安全第一で「またこの産地に訪れたい、あの職人に会いたい」と思ってもらえる4日間に期待した。

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滝沢三条市長

滝沢亮三条市長
滝沢亮三条市長

共催する公益財団法人燕三条地場産業振興センター理事長でもある滝沢亮三条市長は、参加の輪を年々広げてきた実行委員会に敬意を示し、「工場の祭典は燕三条、県央地域全体の誇り」と評価した。

来場者に働く人たちの息遣いを感じてほしいとし、来年に予定される国道289号八十里越の暫定開通にも言及。福島県側からも訪れやすくなるとして、工場の祭典の魅力がこれまで以上に国内外へ伝わり、4日間が安全で楽しく終わることを願った。

佐野燕市長

佐野大輔燕市長
佐野大輔燕市長

同センター副理事長の佐野燕市長は、2013年に始まった祭典が新型コロナ禍でのオンライン開催などの苦難を乗り越え、14回目を迎えた歩みを振り返った。

「まちづくりも、ものづくりも、人があってこそ」と述べ、AIやDXが発展しても、ものづくりの最後には人が関わり、祭典の感動も人と人とのつながりから生まれると強調。来場者だけでなく受け入れる工場側にも楽しんでほしいとし、この日を365日続く交流のスタートにしたいと話した。

産業観光の価値と通年化に期待

細川燕商議所会頭

細川哲夫燕商議所会頭
細川哲夫燕商議所会頭

燕商工会議所の細川哲夫会頭は、際立った観光の目玉がないと思われてきた地域で、ものづくりの現場を見せ、職人と一般の人をつなぐ発想から始まった祭典が年々拡大してきたことを評価した。

「地方産業の一つのモデル」とし、観光庁長官賞もその点が認められたのではないかと分析。AIが主流になりつつある時代だからこそ、その対極で職人と来場者が直接つながる産地の姿に価値があるとし、大変革の時代を乗り越える一助になることを願った。

兼古三条商議所会頭

兼古耕一三条商議所会頭
兼古耕一三条商議所会頭

三条商工会議所の兼古耕一会頭は、「この地域には観光資源がないと思い込んでいたが、今や産業自体が重要な観光資源になり得ることを証明した」と述べた。全国各地にオープンファクトリーの例はあるが、毎年継続しながら規模を拡大してきた例は珍しく、他地域からも注目されているとした。

古い歴史を大切にする一方で、工場の内部では新しい機械や製法が導入されており、地域外からの来場者だけでなく、地元住民が工場を見てまちを理解し、誇りを持って発信する契機になることを期待した。

菊田衆院議員

菊田真紀子衆院議員
菊田真紀子衆院議員

菊田真紀子衆院議員は、日常の業務を続けながら開幕へ向けて万全の準備を整えた実行委員会や関係者をねぎらった。

全国や海外から多くの人に訪れてもらい、地域のものづくりの魅力を広めてほしいとし、自身も祭典を楽しみながら全国へ発信したいと述べた。

国定衆院議員

国定勇人衆院議員
国定勇人衆院議員

三条市長時代に工場の祭典の立ち上げに携わった国定勇人衆院議員は、祭典がこれまで紆余曲折を経てきたと振り返り、新たな運営体制による現在の「第2幕」の取り組みがジャパン・ツーリズム・アワードで正当に評価されたとした。

一方、華やかな本祭4日間の裏には「残り361日をどうするか」という当初からの課題があると指摘。高付加価値のインバウンド向けコースなど通年の取り組みも進んでいるとし、本祭の盛り上がりが残る361日への布石になることを期待した。

「燕三条 工場の祭典2026」は4日まで。基本の開催時間は午前9時から午後5時で入場無料。公開日や時間、予約の要否、体験料金は会場によって異なる。燕物産の一般公開は2日から4日までの午前10時から午後5時で、工場見学ツアー、カトラリーの研磨体験、製品販売などを行う。

昨年は133の企業・団体が参加し、来場者は過去最多の6万2,060人を数えている。

燕三条 工場の祭典2026 | 公式サイト
https://kouba-fes.jp/

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