新潟県三条市須頃1、道の駅燕三条地場産センターは1日から9日までの9日間、「燕三条じばさんサマーフェア2026」を開いている。毎年、帰省客をターゲットに盆に合わせてお盆フェアを開いてきたが、ことしは2、3日の長岡花火に合わせてサマーフェアとして開催。地元メーカーによる実演販売やものづくり体験、屋台などを展開。目玉として、いずれも創業100年を迎えた三条市に本社を置く爪切りメーカー、諏訪田製作所とマルト長谷川工作所の歴史や製品を紹介している。
工具の技術を爪切りへ
特別展示「百年企業 研鑽を続ける爪切りメーカー」では、ものづくりのまち三条で工具づくりから出発し、その技術を爪切りへ発展させた両社の歩みを、創業当初の製品や道具、写真、広告、社内資料などで振り返る。
マルト長谷川工作所は1924年創業。作業工具メーカーが集積する燕三条地域でいち早くペンチ類の製造に取り組み、「KEIBA」ブランドを世界30カ国以上に展開してきた。
展示では、かつての工場の写真や製品カタログ、広告などを紹介。1964年には輸出した同社のペンチ類が、通産大臣から輸出貢献企業の認定を受けたことなど、海外市場を切り開いた歴史が分かる。
同社は高品質なニッパーづくりで培った技術を爪切りに応用。ニッパー型爪切りを年間35万丁を必要とした資生堂から相談を受け、日本国内はもとよりドイツ・ゾーリンゲンの刃物メーカーまで調べ、製品開発に挑んだ。
世界各地から入手できる爪切りを集めて性能試験を重ね、量産化にこぎ着けた。順調に生産できるまでには予期しないトラブルも相次いだが、社員が力を合わせて解決。深夜まで残業し、寝不足のままプレス機を操作していて、うとうとした瞬間に「ハッ」と目が覚めたこともあったとする元社員の手記も展示し、製品開発の舞台裏を伝えている。
現在は職人が仕上げるネイルニッパーで爪の美しさと健康を支える。会場には実際に切れ味を試せるコーナーもあり、8月7日には同社がニッパー型爪切りやネイルファイルを実演販売する。
喰切から世界に知られる爪切りへ
諏訪田製作所は1926年、ニッパーの前身ともいえる、くぎの頭を切るための道具「喰切(くいきり)」の製造で創業した。以来、刃と刃を合わせて切るニッパー型刃物に特化し、つめ切りなど美を高める製品を生み出してきた。
展示ケースでは、丸い鋼材から加熱、鍛造、部品加工、組み立て、研削・研磨、刃付けを経て爪切りが完成するまでを、各工程の状態の製品とともに紹介。職人が一丁ずつ手をかけ、切れ味と形をつくり上げる工程を視覚的に理解できる。
商品開発や材料選びから仕上げまで自社の職人が携わり、デザイン性だけでなく、長く愛着をもって使える道具を追求してきた。現在では、切れ味鋭い爪切りが国内外で高く評価される同社の代表製品となっている。
燕三条は包丁や園芸鋏など刃物の産地として知られる。展示は、ともに創業100年を迎えた2社が、地域に根付く工具と刃物の技術を受け継ぎながら、爪切りという新たな分野を切り開いてきた軌跡を伝える内容となっている。
実演販売やものづくり体験も
サマーフェアでは期間中、地元企業が日替わりで出店し、カトラリーや包丁、キッチン用品、アウトドア用品などを実演販売する。
ものづくり体験は、スプーン磨きが300円、チタンストローの色付けが1,000円で毎日行われる。2日は彫金による木の葉のグッズづくり、4日は鎚起銅器の形づくり体験がある。
8日は三条鍛冶職人による包丁研ぎを1丁800円から受け付け、9日は子どもの写真入り安全免許証を無料で発行する「JAFデー」を行う。5日から9日までは、5,000円の購入ごとに1回参加できる空くじなしの抽選会もある。
開催時間は午前9時半から午後5時半まで。問い合わせは燕三条地場産業振興センター物産観光・施設課、電話0256-32-2311。
