新潟県燕市立燕北中学校を1992年3月に卒業した同級生が15日、燕市小中川公民館に集まり、中学生のころに思い出の品を詰めたタイムカプセルを約35年ぶりに開封した。詰め込まれた雑誌や手紙、日記帳、ビデオテープなどが当時の記憶や感情を呼び覚まし、50歳を迎える卒業生たちは中学時代にかえって懐かしんだ。
二十歳で開けるはずが約35年後に 「1999年地球は?」
タイムカプセルを企画したのは、3年3組の生徒たち。卒業を控えて思い出に残ることをしようと、黒いビニール袋に入れ、さらに大型のプラスチックのバケツに封じ込めた。ふたにはマジックで「1992.2.8 PM12:25:50」。「1999年地球は?」ともあり、ノストラダムスの終末論の予言された年より前なのが時代を感じさせる。
二十歳になったときに開ける予定だったが、開封の機会を逃し、その後に何度か同級会を開いてもタイミングが合わないまま年月が過ぎた。タイムカプセルは卒業生の実家の倉庫で大切に保管されてきた。
2年前、担任だった清野浩さん(60)から「そろそろタイムカプセルが腐っているのでは」と連絡があって開封の話が再浮上。卒業生が今年度で50歳になり、10歳年上の清野さんも還暦の節目のことから、この夏の開封を決めた。
この日は小中川公民館にクラスメート34人のうち18人と清野さんの計19人が集まった。20年、30年ぶりに顔を合わせる同級生もおり、ひとりずつ近況を報告してから開封の儀となった。
「5、4、3、2、1、オープン」
参加者が容器を取り囲み、「5、4、3、2、1、オープン」の掛け声でふたを開けると、かびくさいようなにおいはあったが、中身は傷みも少なく、当時の状態を保っていた。
出てきたのは、漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」やファッション誌、ポスター、寄せ書き、年賀状、テレホンカード、時計、楽器、運動靴、部活動で使った品、手紙、日記帳など。二十歳になったときにみんなで飲もうと入れたウイスキーまであった。
卒業生たちは品物を手に取るたびに「懐かしい」、「なぜこれを入れたんだろう」と笑い声を上げ、誰の持ち物だったのかを推理した。雪の降る日のことや将来の夢を書いたメモ、友人との交換日記なども見つかり、忘れていた中学生時代の記憶が次々とよみがえった。
ひとりずつメッセージを収録したビデオテープも入っていたが、再生機器を用意できなかったため、この日の上映は見送った。機器を確保し、次回の集まりで見る楽しみとして残した。
「当時の懐かしいにおいを感じた」
開封を呼びかけた地方公務員の田辺俊勝さん=柏崎市=は「思っていたものとは違う品も出てきたが、当時の懐かしいにおいや物を感じることができた」。作品や学校行事の資料など、分かりやすい思い出の品を想像していたが、予想外の中身も多く、「正直、面白かった」と振り返った。
参加した女性の一人は、自分に宛てた手紙を見つけ、「家に帰ってから読みたい」と大切そうに持ち帰った。別の参加者は、当時の男子生徒と交わしたとみられる交換日記を発見。まったく記憶になく、照れくさそうにそそくさとしまっていた。
担任「会えて良かった。これからも元気で」
清野さんは当時、新採用の教員として燕北中学校に赴任し、卒業生たちが中学2、3年のときに担任を務めた。現在も小学校教諭を務める。
最後に清野さんは「最初に一番言いたかったことは、ごめんなさいです」と切り出した。「自分なりにやってはいたけれど、皆さんをどれだけ支えたり、手助けしたりできたのか。それが皆さんにとって良かったかどうかはわからない。至らなかったところはごめんなさいと言いたかった」と当時を振り返った。
さらに「50歳は人生100年の折り返し地点。これまでつらいことも、いいこともあったと思う。笑顔の裏に人には言えない悩みを抱えていることもあるかもしれない。それでも、こうして生きて会えたことはすごいこと」と語り、「会えて本当に良かった。これからも元気に生きていてほしい」と教え子たちに呼びかけた。
参加者は最後にタイムカプセルを囲んで記念撮影。その後の同級会に移り、約35年の空白を埋めるように思い出話を続けた。
卒業生たちは現在も連絡先が分からない同級生を探している。燕北中学校3年3組に心当たりのある人は、同級会連絡用メールアドレス「tsubakita33@gmail.com」へ。
