新潟県三条市の滝沢亮市長の市政報告会が24日夜、三条東公民館で開かれた。滝沢市長は2027年夏に暫定開通する国道289号「八十里越(はちじゅうりごえ)」をはじめ、国道403号バイパスの延伸や国道8号の4車線化、学校統合、三条市立大学の定員拡大などについて説明。人口減少が進む中でも「変化、変革を恐れることなく進めていかなければならない」と訴えた。
2年前に2期目に無投票当選してから、市政報告会は昨年5月に続いて2回目。滝沢亮後援会が開いた。支持者ら約260人が参集し、来賓に杉井旬新潟県議、野崎久雄三条市議会議長らがあいさつし、市議らも出席した。
八十里越「開通はゴールであると同時にスタート」
滝沢市長は来年夏に暫定開通する三条市と福島県只見町を結ぶ八十里越のPR用ポロシャツ姿で登壇。八十里越について、国が事業化を決めた1986年が自身の生まれた年で、工事開始から長い年月を経て来夏の開通を迎えることにふれた。
自身の先祖が戊辰戦争会津側から八十里越を越えて下田地域に逃げて来たと聞いているが、只見町議会議長に、義勇兵として越後の人たちを助けに来たと言えば、話がきれいになるとになるじゃないかと言われたエピソードも紹介した。
「開通はゴールであると同時にスタート」とし、福島県や太平洋側との交流人口、関係人口を拡大し、三条市を新潟県側の玄関口として発展させたい考えを示した。
道路整備を加速 石上大橋下流に新たな橋も
道路整備では、景雲橋の所で止まっている国道403号バイパスを、三条市役所近くの第二産業道路まで延伸する計画に言及。残る約3キロのうち、県が担当する約2キロについて2026年度から事業を進めることになったと説明し、市が担当する約1.1キロと合わせて整備を促進する考えを示した。
国道8号の三条市内の4車線化についても国への要望を続けるとし、工事中の区間について「できれば今年度中に」と国側から説明を受けていることを紹介した。
さらに、第二産業道路や石上大橋、燕三条地域の渋滞を抜本的に改善するため、石上大橋より下流側に信濃川を渡る新たな橋を整備する、いわゆる石上大橋下流橋の必要性を強調。「国、県、市議会、市民と一致団結して前に進めたい」と意欲を示した。
人口減少を人づくりで乗り越える「パワー理論」
教育分野では、2028年4月に予定されている下田地域5小学校の統合について、飯田小学校の校舎を活用する方針のもと、校名、校歌、校章やスクールバスのルートなどの検討が進んでいると報告した。
県央工業高校と三条商業高校が2029年4月に統合する県の計画については、背景に少子化がある一方で、「これを機にどのような教育をし、どのような人材を地域から輩出していくのかを考えるチャンス」と受け止めた。
現在、9万人を割った三条市の人口が将来4万〜4万5,000人規模になる可能性がある。今は1人が1パワーとすると、三条市の総パワー量は9万パワー。学校の統合で教育を充実させ、人づくりをしっかりして1人が2パワーをもてば、仮に人口が 4万5,000人になったとしても9万パワーを維持できる。
さらに1人が3パワーを持てれば13万5,000パワーになり、「むしろ今よりもパワーアップするまちづくりが進められる」と独自のパワー理論で人口減少を前向きにとらえた。
三条市立大学は、2027年度入学生から1学年の定員を現在の80人から120人に増員する予定になっており、ものづくりや経営に加えてデジタル、グリーン分野の教育も強化する。卒業生の県央地域への就職についても成果が出ており、ことしは卒業生は13人が県央地域に就職した。「今いい状況だからと安心するのではなく、現状維持は衰退だと思って変革していく」と述べた。
滝沢市長は2020年に34歳で初当選し、現在2期目。ことし1月に40歳になった。「変わるのは怖いし、何もしないのがいちばん楽だが、それでは市民への裏切りになる」とし、「残り2年間、市民の皆様、三条市のために全身全霊、粉骨砕身で働く」と締めくくった。
質疑では、市民から生活道路の改良や物価高騰対策について意見が出た。物価高対策では、水道基本料金や小中学校給食費の無償化を評価する一方、近隣自治体に比べ現金給付や商品券などが少ないとの指摘や、中小企業支援を従業員の賃上げにつなげてほしいとの要望があった。
来賓も人口減少時代の市政に期待
また、開会にあたり、村上幸一後援会長は、滝沢市長が就任から6年を迎えることにふれ、「財政的に厳しいなか、市民が一致して協力していかなければならない」と述べ、引き続き市政への支援を呼びかけた。
来賓の杉井旬県議は、少子化と人口減少を取り上げ、これまで人口増加を前提としてきた行政計画を根本から見直す必要があると指摘。「誰も経験したことのない人口減少時代の行政運営に滝沢市長が取り組んでいる」と述べ、市民にも時代の変化を踏まえた市政への理解と支援を求めた。
野崎久雄三条市議会議長は、国道403号をはじめとする道路整備の要望活動を紹介するとともに、出生数の減少に伴う学校再編の必要性に言及した。将来は市内の中学生全体でも現在より大幅に少なくなるとして、「10年、20年先を見据え、早めに青写真を示してほしい」と長期的な計画づくりを求め、「人口が減るから悲観するのではなく、その中ですごい三条市をつくればいい」と滝沢市長の今後に期待した。
祝辞を寄せた国定勇人衆院議員は、滝沢市政について、産業振興や子育て支援、防災力強化などを着実に進めていると評価し、国政の立場から今後も連携していく考えを示した。
菊田真紀子衆院議員は、市民との対話を重視した市政運営や子育て支援、防災・減災、産業振興などを評価。八十里越開通を見据えた都市開発や交流人口の拡大について、滝沢市長のリーダーシップに期待した。
河原井拓也県議は、滝沢市長が国や県への要望活動で自ら先頭に立っていることを紹介。八十里越や道路、河川などのインフラ整備について、「三条市の将来と市民のために行動する熱意と行動力に感銘を受けている」とし、県政の立場から支えていく考えを示した。
後援会青年部は、今後も各地域で少人数を含めた座談会を続け、市民の声を直接聞く機会を設けていくと説明。若い世代にも市政や地域への関心を広げ、後援会として滝沢市長を支えていくとした。
閉会のあいさつで後援会の野崎勝康副会長は、2期目が無投票だったことによる支援側の気の緩みを懸念していたとしながら、「きょうの市政報告を聞き、その懸念は払拭された」と評価。八十里越開通や新たな信濃川架橋などへの期待を示し、今後も市民とともに滝沢市長を支えていくよう呼びかけた。
