新潟県三条市の三条剣道倶楽部(川村充代表)で稽古する三条市立裏館小学校6年生、中野稟汰朗(りんたろう)さん(11)が、第21回全日本都道府県対抗少年剣道優勝大会の新潟県代表に選ばれた。県内5地区から勝ち上がった25人で争う新潟県最終選考会で4位となり、上位5人による県選抜チームの一員として9月20日(日)、大阪市のおおきにアリーナ舞洲で開かれる全国大会に出場する。
「昔ながらの町道場」から全国へ
三条剣道倶楽部は、戦前に剣道愛好家が始めた道場をルーツとする三条で最も歴史のある「昔ながらの町道場」。昭和30年代には行政からの要請もあり、剣道を通じた青少年の健全育成を目的に子どもたちの指導を始めた。かつては140人を超える子どもたちが通った時期もあったという。
現在も「勝ち負け」よりも礼儀、協調性、精神力、強い体、集中力を大切にし、技の習得の前に心を鍛えることを旨として活動している。道場旗には「和顔愛語 求道不止」の言葉を掲げ、剣道を通じて穏やかな心と思いやり、努力を続ける姿勢を育んでいる。
中野さんは、そんな三条剣道倶楽部から初めて全国大会へ進む小学生剣士となった。
県内25人から5人の代表入り
新潟県最終選考会は6月27日、亀田総合体育館武道場で行われた。県内は上越、中越、下越、新潟市、新潟地区の5地区に分かれ、各地区から5人ずつ、計25人が出場。AからEまで5つのブロックに分かれてリーグ戦を行い、上位者が最終予選決勝リーグに進んだ。
中野さんは三条地区、続いて中越地区の選考会を勝ち上がって県最終選考会に出場。一次リーグ2位から、2位通過者によるリーグで1位となり、最終的に県4位で代表入りした。三条剣道倶楽部からの全国大会出場は初めて。
「大阪に行きたい」と稽古重ねる
中野さんは小学2年生のとき、当時の学校の担任だった黒田勇次朗先生(現指導者)に誘われて剣道を始めた。それまで剣道はあまり知らなかったが、道着を着け、竹刀を持って向き合う感覚が新鮮で、「最初のころは楽しいという感じしかなかった」と振り返る。
ローカル大会で表彰台に立った経験はあるが、大きな大会では緊張で思うような試合ができないこともあった。今回の県最終選考会も「最初は5位以内に入るとは思っていなかった」。
それでも「後半につれて動きが良くなっていったのが良かった」と話し、強豪道場の選手がそろう2位リーグを1位で突破して代表の座をつかんだ。
中野さんは年明けから「大阪に行きたい」と言い続け、通常の稽古日の火曜、金曜だけでなく、道場が空いている日にも稽古を重ねてきた。全国大会に向けては「悪いところを直して、当日までにいい試合ができるようにしたい。技を増やしたい」と話す。
「初めての全国大会なので、頑張って勝ちたい」と力を込め、将来も「中学、高校になっても剣道を続けて、いい成績が取れるようにしたい」と話した。
「面のスピードとまっすぐさは3本の指に入る」
三条剣道倶楽部は現在、小学生9人、中学生8人ほどが通い、おとなも自由に稽古に参加している。公式サイトでは体験入団も歓迎しており、稽古は毎週火曜、金曜の午後7時30分から9時まで、三条中央公民館上林分館体育館で行っている。
事務局で指導にも当たる古川裕之さん(54)は、中野さんについて「面のスピードとまっすぐさは、私がここに来て20数年、30年近くになるなかでも3本の指に入るくらい」と評価する。
全国大会は47都道府県の代表チームが出場する団体戦。小学生の部は各都道府県5人でチームを組み、予選リーグを勝ち抜くと決勝トーナメントへ進む。
新潟県代表は過去に予選リーグ突破がなく、古川さんは「今回はぜひ突破して、決勝トーナメントに行ってほしい」と記録を残すことにも期待する。
今後は県剣道連盟の主導で県外遠征なども予定されており、道場としても稽古を通じて中野さんを支える。古川さんは「大阪に行きたいと言って一生懸命稽古してきたことが、やっと実を結んだ。何かを身につけて全国に臨んでほしい」と話している。
三条剣道倶楽部では随時、見学や入会、体験を受け付けている。興味のある人は公式サイトの問い合わせフォーム、または電話090-4062-6096(三条剣道倶楽部事務局・古川裕之さん)へ。
