新潟県燕市国上の越後最古の古刹「国上寺」(山田光哲住職)で18年ぶりに開かれている御開帳が11日で終わるのを前に8日、「イケメン絵巻」第2弾の障壁画を手がけた画家の木村了子さん(54)=東京都=が、動画撮影のために再び同寺を訪れた。「SNSを見るといろんな方が来てくださっていてありがたい」と反響に感謝している。
東京芸大大学院修士課程壁画専攻修了で、男性をときにエロチックに、コミカルに描き出す。武蔵美や長岡造形大の講師も務める。
2019年、木村さんが国上寺ゆかりの人物を国上寺本堂に官能的、幻想的に描いた「イケメン絵巻」が公開され、メディアやSNSに取り上げられて大きな反響を呼んだ。
翌年にその第2弾を公開しようと制作にとりかかっていたが、コロナ禍もあって先送りに。御開帳のタイミングでの公開となった。
第2弾はふすま絵と「長岡間」と呼ぶ部屋に「竹林七賢図」になぞらえて、四方のふすまや壁に国上寺ゆかりの偉人を描き、木村さんの作品世界に包まれる。
今回、木村さんは大阪のギャラリーの依頼で動画撮影のため、国上寺を訪れた。6日から新潟に入り、燕三条地域の包丁の「藤次郎」や鎚起銅器の「玉川堂」などものづくりの現場もめぐった。
木村さんは4月中旬から米国カンサス州のカンサス大学で開かれた日本画のシンポジウムに参加。そこで国上寺の障壁画についても紹介し、日本画ワークショップも担当したと言う。
木村さんによると、都内在住でふだんは寺めぐりや新潟に縁のない知人も、「作品を見るため」に燕三条まで足を運んだという。その知人は「特別な空間の中で作品を見ることに感動した」と話した。
さらに「人をここまで呼び寄せる、人を一人動かす経済効果ってすごいよねと言われて、確かにそうだなと思った」とも。
これまで寺院で本格的な障壁画を制作した経験はなかったが、映画美術では多くのふすま絵を担当してきたので、映画「清須会議」や「首」にもかかわり、ふすま絵制作そのものには慣れている。
とはいえ、映画での制作と違って「分業もできたけど、ひとりで描くのは大変だった」。「どこから手をつけていいかわからなくて、最初の3日くらいは固まっていた」、冬場の制作は寒くて「最初はストーブから離れられなかった」と制作のエピソードを懐かしそうに振り返っていた。
