「ぎゃらりー浜つばき」(新潟市西蒲区越前浜)で5月30日(土)から6月8日(月)までの土曜、日曜、月曜に、三条市在住の書家、川口紫芳(本名・郁子)さんの書作品展「森を思うひととき」が開かれる。
午前10時から午後5時まで開館、最終日の8日は午後3時まで。火曜から金曜は休み。川口さんが長年親しんできたかな書を中心に、森や自然への思いを込めた作品を展示する。
かな書と森づくり、ふたつの歩みを重ねた作品展
川口さんは東京・杉並区出身で、日本女子大卒。元幼稚園教諭で、高校時代から20代半ばまでかな書に親しんだ。1996年に三条市の住人となり、1998年にはこどもエコクラブの立ち上げに関わり、サポーター、事務局として三条の自然に親しむ活動を計画、実行した。
大崎山や五十嵐川で遊ぶ活動、緑の百年物語による三条市内小学校などへの植樹にもかかわり、自然と子ども、地域をつなぐ活動を続けてきた。
書道は1999年に再開し、三条市の書家、中村城翠さんに師事した。2005年からはその長女で書家の中村暢子さんにかな書道を専門に学んだ。
12年に三条市展市展賞、13年に芸展新潟日報大賞、14年に日展入選。19年から22年に県展入選し、22年には日本書芸院展書芸院大賞を受賞している。
現在は書道香瓔会所属展覧会部部員、読売書法展評議員、日本書芸院一科審査会員、新潟県書道協会理事、新潟県美術家連盟会員、三条美術協会監事。三条市内で書道教室を開き、東公民館と大島公民館でも講師を務めている。
「豊かな森がみつからない」 自然へのまなざしを書に
案内状に使った作品「豊かな森がみつからない」は、淡い森の風景を背景に、かな書の柔らかな筆致で言葉を重ねた
「ヤマ柿ヤマ桃がない 猿ナシも鬼グルミもみつからない セリのかわばも生えていない 川に鮭も上ってこない 豊かな森がみつからない」。
森をただ美しい風景としてとらえるだけでなく、そこにあるはずの命の循環や失われたものへも目を向ける。書でありながら、自然観察の記録のようでもあり、森に向けた静かな問いかけでもある。
川口さんは、公募展で多くの賞を受けてきた一方で、もともと形式に縛られることは好みではなく、「気の向くままに伝えたいことや書きたいことを、身近にあるものを利用して書いて作品にすることが、エコの観点からも自分の性に合っている」と話す。
小さな森「グランパの森」も管理
川口さんの趣味は森づくり、ランニング、乗馬。森好きが高じて、三条市下田地区にある小さな森「グランパの森」も管理している。
木漏れ日の中でハンモックやハイジのブランコに揺られたり、鳥のさえずりを聴いたりする癒しの森として訪れてもらえればと願っており、今回の会場にも森の様子を伝える展示を取り入れる。
個展は2017年の「三条の住み人となりて」、18年「森からの贈りもの」、21年「森の囁き」、23年「森で呼吸ととのえて」に続くもの。今回も、書家としての歩みと森に寄り添う暮らしが重なり合う展示になりそうだ。
6月7日は「まりこ&リリアン」フラワーコンサートも
会期中の6月7日(日)には、同じ浜つばきで「まりこ&リリアン」フラワーコンサートも開かれる。出演は熊谷真梨子さん(ソプラノ)、星田聖子さん(フルート・オカリナ)、福島ひろみさん(チェロ)、かごしまけいこさん(ピアノ)。
時間は午前11時からと午後2時からの2回。料金は1,000円、当日は1,200円。会場は浜つばき母屋のいす席。申し込みはぎゃらりー浜つばきへ。
ぎゃらりー浜つばきは新潟市西蒲区越前浜6864。問い合わせは電話・FAX0256-77-2073、携帯090-5778-3291。Facebookでも「ぎゃらりー浜つばき」として情報を発信している。
