角利産業

kenoh.com

ケンオー・ドットコム

燕三条・新潟県央地域のニュース

フィルムに焼き付けた星の光 弥彦の丘美術館で渡部佳則写真展「星の輝く場所」

広告

新潟県弥彦村の弥彦の丘美術館で27日、写真家、渡部佳則(わたべ・よしのり)さん(67)=新潟市西区=の写真展「星の輝く場所」が始まった。ライフワークとして全国各地で撮影してきた「星空のある風景」をテーマに、すべてフィルムで撮影した35点を展示し、8月9日(日)まで開かれている。

写真展「星の輝く場所」で作品を解説する渡部佳則さん
写真展「星の輝く場所」で作品を解説する渡部佳則さん

渡部さんは1959年、見附市生まれ。中学校教諭を経て、新潟市を拠点に活動する写真家の上山益男さんに師事。1991年にStudio Fを設立し、フリーランスの写真家として書籍、広告、雑誌、新聞などで撮影、執筆を行ってきた。公益社団法人日本写真家協会会員。

今回の会場には、新潟県内をはじめ、北海道、秋田、熊本、鹿児島、沖縄など各地で撮影した星空の写真が並ぶ。弥彦村で撮影した「弥彦神社御神廟と北斗七星」も展示され、今回の写真展を象徴する作品になっている。

「フィルムでしか表現できない光」

開場式で本間芳之弥彦村長は、渡部さんの作品を「宇宙の計り知れない長い時間が焼き付いた星たちの光と、地上の景色が織りなす美しい世界」と表現。メインビジュアルにした「弥彦神社御神廟と北斗七星」について、「本当にこういった景色が見られるのかと鳥肌が立つ思いがした」と話した。

作品解説会
作品解説会

展示作品はいずれもフィルム撮影。デジタルカメラでは星が小さな点として均一に写りやすいのに対し、フィルムでは明るい星は大きく、暗い星は小さく写る。星の明るさを大きさとして表現できることが、渡部さんがフィルムにこだわる理由のひとつだ。

渡部さんは「デジタルカメラは性能が上がりすぎて、人間の目で見えない暗い星まで写ってしまう。自分が見た星空と違っていた」と話す。フィルムについては「何の動力も電気もない。ただ星のエネルギーだけがフィルムの表面に化学変化を起こしていく。うそ偽りのない映像」と語った。

小学6年で見た満天の星から

メインビジュアルの「弥彦神社御新病と北斗七星」
メインビジュアルの「弥彦神社御新病と北斗七星」

渡部さんが星空にひかれたのは小学6年生のとき。見附で空を埋め尽くす星を見て「すっかりはまった」。高校時代、親に買ってもらったカメラで星の写真を撮り始めた。写真家として独立してからも仕事の合間に撮り続けた。

暗い星空を写すには長時間露光が必要になるが、時間をかけると星の点が動き、線になってしまう。1993年ごろから、星も風景もぶれずに写す方法を試行錯誤した。1995年ごろには現在の作品につながる撮影方法にたどり着いた。

その後、高感度フィルムは販売中止に。渡部さんは10年ほど前に約100本のフィルムを冷凍保存し、少しずつ使いながら撮影を続けている。近年は、低感度のフィルムでも星を写せるよう、フィルムカメラのボディーに最新のデジタルカメラ用レンズを装着できるよう自作した機材も使う。

「苗名滝とカシオペア」
「苗名滝とカシオペア」

弥彦は「星も美しい場所」

渡部さんにとって弥彦は、自転車で若いころから訪れたなじみの場所。競輪場や弥彦スカイラインにも通った。「しょっちゅう来ているところで、しかも星も美しい場所。そんなところで写真展ができることをすごくうれしく思っている」と喜んだ。

開場式のあと渡部さん自身が作品を解説した。1996年の百武彗星や1997年のヘール・ボップ彗星といった天体ショー。石垣島で雷雲と星空を同時にとらえた作品、新発田市の田んぼに星が映り込む「田んぼの中の宇宙」、妙高高原の雪原と星空、阿蘇山火口、北海道の流氷と星空など、それぞれの撮影時の体験を交えて紹介した。

ポストカードや書籍の販売も
ポストカードや書籍の販売も

「弥彦神社御神廟と北斗七星」は、昨年6月に撮影した。渡部さんは「この写真を見ていると、神様にありがとうございますとお礼を言いたくなるような一枚」と撮影したときの気持ちを思い出す。

「自分が感動した星空を、そのまま持って帰れればという思いで撮っている。皆さんの中にある星空の記憶と重ね合わせながら見てもらえたらうれしい」と渡部さんは話している。

関連イベントも

会期は8月9日(日)まで、会期中は無休。展示作品とは別に作品のポストカードや渡部さんの書籍などを販売している。また、会期中に関連イベントとしてギャラリートーク、ミュージアムコンサート、天体観測会(参加申し込み終了)、作品解説会が行われる。日程などは次の通り。

  • ギャラリートーク 7月5日(日) 13:30〜
     渡部先生から「星空のある風景」を撮り続ける理由と、その魅力をうかがいます。
  • ミュージアムコンサート 7月26日(日)13:30〜
     アコーディオン奏者 田中トシユキ氏による星空コンサートです。
  • 天体観測会 7月26日(日)19:00〜  
     渡部先生が観測のポイントを説明した後、天体望遠鏡で夏の星空を観測します。
     参加申込終了
  • 作品解説会 8月1日(土)13:30〜
     作家による作品解説会です。


関連リンク

広告