越後最古の古刹で今しか出合えない特別公開
新潟県燕市国上の越後最古の古刹「国上寺」(山田光哲住職)で、5月11日まで18年ぶりとなる御開帳が行われている。本尊の阿弥陀如来坐像をはじめ、秘仏10体の仏像、上杉謙信寄進と伝わる三千仏の掛け軸など、ふだんは見られない寺宝を特別公開。話題を集めた「イケメン絵巻」の第2弾も御開帳にあわせて公開され、歴史と信仰、そして現代アートが重なる、この春ならではの特別な催しだ。
コロナ禍で延期、前回から18年ぶりの開催に
国上寺の創建は1300年も昔にさかのぼる709年(和銅2年)と伝わる。本来は12年に一度の御開帳だが、2020年に予定していた行事がコロナ禍で延期となり、今回は前回から18年ぶりの開催となった。
山田光哲住職は、自身の年齢や住職就任30年の節目も踏まえ、「体力と気力があるうちに大々的にやりたい」と開催への思いを込める。人生のなかで何度も経験できるものではない御開帳だけに、今回の機会の重みは大きい。
本尊の阿弥陀如来坐像をはじめ秘仏10体を公開
今回の最大の見どころは、ふだん扉が閉ざされている本尊の公開だ。台座を含めると約3.5メートルに及ぶ阿弥陀如来坐像のほか、持ち運び可能な仏像が本堂に9体、祈願用の不動明王像が方丈講堂に1体の計10体の秘仏を公開している。
さらに、上杉謙信寄進と伝わる三千仏の掛け軸、牡丹の花の形をした香炉、義経自作と伝わる大黒天像など、御開帳のときだけ一般公開される寺宝も並ぶ。古い時代の信仰にじかにふれられる、またとない機会だ。
話題の「イケメン絵巻」第2弾を初公開
もうひとつの大きな注目が、「イケメン絵巻」第2弾の初公開だ。2019年公開の第1弾は、国上寺ゆかりの人物たちを現代的な感性で描いた斬新な表現として、メディアやSNSで大きな話題を呼んだ。
第2弾も前回に続いて画家の木村了子さんが制作した。方丈講堂のふすま絵や長岡間の障壁画を制作。墨を基調に、日本美術や仏画の流れを意識した落ち着いた作風で、良寛、酒呑童子、源義経、弁慶、上杉謙信に加え、役行者、万元上人らを描いた。第1弾の華やかさとはまた違う、しっとりとした世界観が寺の空間と調和している。
限定御朱印やお守りも 御開帳ならではの体験
御開帳に合わせ、限定の切り絵御朱印を含む複数の御朱印や、本尊を18年間包んで保管していたさらしの一部を納めた限定お守りも頒布している。
境内には本尊と「結願の綱」で結ばれた結縁柱も設置。綱に触れることで本尊との縁を結ぶ御開帳ならではの参拝体験もできる。
また、土日祝日には弥彦駅と道の駅国上を結ぶシャトルバスも運行し、来場しやすい環境も整えている。大型連休中の外出先としても注目を集めそうだ。
歴史と現代表現が交差する春の国上山へ
秘仏や寺宝に向き合う厳かな時間と、イケメン絵巻に代表される現代的な表現が同じ空間に息づくのが、今回の国上寺の御開帳の大きな魅力だ。寺に親しみのある人はもちろん、これまで足を運ぶ機会がなかった人にも、国上寺を知る入り口になりそうだ。
国上寺御開帳の概要
拝観時間は午前8時30分から午後4時まで。拝観料は記念品付きで1,500円。問い合わせは国上寺(0256-97-3758、燕市国上1407)へ。
