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燕市「まちトープ」が日事連建築賞奨励賞 同級生2人が形にした商店街の居場所

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新潟県燕市宮町の複合施設「まちトープ」を設計した佐藤圭真建築設計事務所(燕市井土巻5)が、日本建築士事務所協会連合会主催の2026年度「日事連建築賞」で小規模建築部門の奨励賞を受賞した。同級生のデザイナーと建築家が、それぞれの専門性を持ち寄って形にした商店街の居場所だ。

商店街の「生態系」を取り戻す場に

まちトープは2024年3月、宮町商店街に開業した民設民営の複合施設。株式会社つばめいと(燕市宮町・山後春信代表取締役)が設置した。図書館、シェアラウンジ、カフェ、キッチンを備える。

木造平屋建てで、延べ床面積は153平方メートル。店主でデザイナーのシマダマサノリ(嶋田雅紀)さんがコンセプト立案、運営し、同級生の建築家、佐藤圭真さんが設計した。

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宮町商店街では、アーケードの撤去や空き店舗の増加で、人が滞在する場が失われつつあった。計画の出発点は、シマダさんの「失われかけたこの商店街の生態系を取り戻すビオトープになって欲しい」という願いだった。

まちトープの店主でデザイナーのシマダマサノリさん
まちトープの店主でデザイナーのシマダマサノリさん

多様な生き物が共存するビオトープのように、世代や目的の異なる人が集まり、それぞれの活動が緩やかにつながる場所を目指した。買い物で通り過ぎるだけでなく、本を読み、仕事をし、会話や食事を楽しみながら街にとどまる。そんな街の生態系を育む場への思いを「まちトープ」の名称に込めた。

四つの用途を緩やかにつなぐ設計

建築の特徴は、4つの用途を明確に区切らず、境界が緩やかに重なり合う構成にある。異なる目的で訪れた人の活動が、同じ空間に共存できるようにした。

商店街の通りに面した位置には図書館を配置。奥へ進むにつれて商業性や私的な性格が高まる構成とし、街に開かれた入り口から落ち着いて過ごせる場所へとつないだ。西側の道路に面した開口部は奥ほど絞って音や光の漏れを抑える一方、光窓から自然光を取り入れ、開放性と居心地の両立を図った。

佐藤さんにとって宮町商店街は、2014年に大学の卒業制作でも向き合った場所。町工場の産業や暮らし、新しい複合的な建築が関わり合う環境を構想し、その延長線上で実際の建築を手がける機会となった。

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宮町商店街
宮町商店街

受賞に寄せて佐藤さんは「地域に思いを持つ方々と一緒につくったこの場所を評価していただけたことを、とてもうれしく思います」とコメント。卒業制作を評価した人が今回の審査にも関わっていたといい、学生時代からのつながりに「不思議な巡り合わせ」を感じているという。

一人ひとりが活動を続けられる街へ

シマダさんは、クリエイターとして活動するなかで、活動場所の確保や集客、仕事と家庭の両立の難しさを感じ、活動をやめていく仲間も見てきた。その経験から、誰もが気軽に使え、それぞれの活動が街へ広がっていく拠点を目指している。

佐藤さんとは幼なじみ。同じ街で育ち、ものづくりと出会い、ともにデザインの道へ進んだ。2人でつくった場所が、次の世代の子どもたちにとっても、好きなことに向き合い、街で力を発揮できる環境になることを願う。

シマダさんは「『みんながずっと楽しく活動できるまち』を目指して、これからも取り組みを続けていきたいと思います」としている。

まちトープの上棟式で佐藤さんとシマダさん

優れた建築作品を設計した建築士事務所を表彰する制度。一般建築と小規模建築の2部門あり、今年度は全国から162点の応募があり、第1次・第2次審査と現地審査を経て、19作品が選出された。

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国土交通大臣賞1点をはじめ、日事連会長賞1点、優秀賞7点、そしてまちトープを含む奨励賞10点が決まった。

日事連建築賞 | 一般社団法人 日本建築士事務所協会連合会
https://www.njr.or.jp/prize/

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