10月18日投開票の任期満了に伴う新潟県燕市議選(定数20)に、青木栄二氏(67)=燕市大曲=が無所属新人で立候補する。大学や専門学校など教育現場で約40年働き、労働組合活動にも約20年間携わった。社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引士の資格も持つ。「4年前は出ようと思いながら踏ん切りがつかなかった。立候補するとしたら今回しかない」。後援会も組織からの推薦もないなか、長年抱いてきた市政への思いを実行に移す。
東京からUターン、若者と向き合った約40年
青木氏は1959年6月15日、燕市大曲の理容店の次男として生まれた。大関小、小池中、県立三条高校を経て東洋大学法学部を卒業。大学では法律や政治学を学び、在学中に宅地建物取引士や行政書士の資格を取得した。
卒業後は東京都内の私立大学の事務局に約10年勤務。父親から強くUターンを勧められ、1992年に新潟へ戻り、NSGグループの専門学校に教員として勤務した。
宅建や行政書士など法律分野を教え、担任として18歳から20歳前後の学生と向き合った。教員として22年間勤務したほか、学校運営にも携わり、2025年までNSGグループに勤務した。
2006年には休眠状態だった職場の労働組合を再び動かす取り組みに加わり、書記長や執行委員長を歴任した。経営側との団体交渉にも長年携わった。
65歳で専門学校を定年退職したあと、2025年から新潟市の社会保険労務士法人に勤務。実務経験を積み、ことし6月に退職して市議選への準備に入った。
4年前は団体交渉を途中で投げ出せず断念
市議選への立候補を考えたのは今回が初めてではない。4年前の市議選でも出馬の準備を進めていた。
しかし、当時は労働組合の執行委員長。選挙を前に団体交渉を抱えていた。「選挙に出るから辞めます、あとはよろしく、とは言えなかった」。不義理はできない。交渉を途中で仲間に任せることができず、立候補を見送った。
それが翌年に一段落し、定年も迎えた。「今は誰に遠慮することも、迷惑をかけることもなく挑戦できる」。4年後には71歳になることもあり、「この先の4年後はない。今回、出なかったら、なぜ出なかったんだろうと後悔すると思う。当落にかかわらず、今回は立候補することに意味がある」と決断した。
若いころから法律や政治に関心があり、「これまでの知識や経験をどう世の中のために生かすかを考えた時、市議会議員として市民のために働くことが、自分を生かせる道だと思った」と話す。
後援会なし 選挙スタッフもネットで募集
選挙戦も異色だ。後援会はなく、政党や労働組合から推薦を受ける予定もない。
「支援者がいない、後援会がないと言っていたら、いつまでたっても出られない」。ほぼゼロから準備を始めた。ポスター貼りや選挙カーのドライバー、ウグイス嬢などはインターネットで募集。一人ひとりと面談し、選挙戦を戦う陣営を整えた。
新人だけに「まず顔と名前を知っていただくことがいちばん」。選挙期間中は選挙カーで市内を回り、各地で街頭演説を行って、自分がどんな人間で何を考えているのかを訴える。
教育、労働、資格を「3つの強み」に
掲げるのは「若者の未来、高齢者の安心、暮らし第一の燕市へ」。その実現に向け、自身の「3つの強み」を挙げる。一つ目は教育現場で若者と接してきた経験。「若者が帰りたくなる燕」を目指す。進学や就職、学費などの相談にも携わり、多くの卒業生を送り出してきた経験から、「若い世代の将来への希望やふるさとへの思いを受け止め、その声をまちづくりに生かしたい」とする。
二つ目は労働組合活動。「働く人目線で燕の明日を拓く」とし、職場環境や働く人の悩み、不安に目を向ける。団体交渉の経験から「自分の考えを主張するだけでは物事は前に進まない。相手の立場を理解し、課題を共有し、知恵を出し合って解決策を見つけることが大切」と対話を重視する。
三つ目は社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引士として身につけた法律や制度の知識。年金、介護保険、税など暮らしに直結する制度への理解を生かし、「生活者目線で制度や行政のあり方を検証し、市政をしっかりチェックしたい」とする。
市議になれば「情報を得たらまず現場へ行く」ことを基本姿勢に、市民の声を拾って行政につなげたい考えだ。
心の支えはマリリン・モンロー
青木氏には、米国の俳優マリリン・モンローの熱心なファンという顔がある。半世紀にわたりモンローを追い続けた集大成として、市内で「マリリン・モンロー生誕100年記念 写真集・書籍コレクション展」を開いた。
青木氏自身、「選挙とモンローは、まったく別」と笑う。それでも、苦悩を抱えながら自分を信じて生きたモンローの姿は、今の青木氏を支えているという。
「いろいろ悩みながらも強い信念を持って生きた人。僕も彼女に負けないように、今回は最後まで頑張りたい」。
妻と娘の3人暮らし。妻からも「ここまで来たらちゃんとやりなさい」と背中を押されている。4年前に果たせなかった挑戦に、今度こそ踏み出す。公式サイトは次の通り。
