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仮渡金4割減でも「品質最重視」 JAえちご中越が8年産米の現況報告

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新潟県中越地域を管内とするJAえちご中越(吉田文彦経営管理委員会会長)は7日、長岡市・ホテルニューオータニ長岡で「令和8年産 えちご中越米 現況報告会」を開き、ことしの米の品質や稲作経営の現状を消費者、流通関係者らに説明した。令和8年産米は春先から生育が順調だった一方、9月の長雨で刈り取りが遅れた。それでも猛暑を免れたことなどから品質はおおむね良好だった一方、主食用米の仮渡金は前年から4割前後下がり、資材費高騰も続くなか、農家経営の厳しさが浮き彫りになった。

令和8年産 えちご中越米 現況報告会
令和8年産 えちご中越米 現況報告会

生産者や消費者団体、米の流通関係者ら35人ほどが出席した。吉田会長は「米が不足しようが余ろうが、いちばん重要なのは品質最重視でいい米を作り続けること」と強調。生産者と消費者の双方が納得でき、農家が再生産を続けられる価格形成を求めた。

長雨で刈り取り遅れるも「いい米が取れている」

JAによると、令和8年産米の一等米比率は10月2日現在で76.8%。前年産の最終比率80.2%には届いていないが、今後、カントリーエレベーター分の品質認定が進めば80%台前半まで上昇するとみる。

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吉田会長は囲み取材で「今年は暑くもなく、雨も適度に降っていたので、品質的にはこの先も心配ないだろう」と話した。一方、9月に続いた雨で稲刈りが遅れ、「刈り遅れという部分の品質への影響は出始めている」。「新之助」や「にじのきらめき」など晩生品種では今後も収穫が続く。

吉田文彦経営管理委員会会長
吉田文彦経営管理委員会会長

報告会後、あらためてことしの米作りについて問われた吉田会長は、春先は天候に恵まれて生育が順調だったとしたうえで、「秋になって長雨が続き、稲刈りが遅れた部分はあったが、雨があって猛暑もなかったことで、非常にいい米が取れている」と評価した。

コシヒカリに限らず、新之助、なつひめ、葉月みのりなど「いろいろな品種を食べていただきたい」と消費拡大も呼びかけた。

主食用米の仮渡金は前年から4割前後減

令和8年産米の仮渡金は60キロ当たり、一般コシヒカリが1万8500円で前年の3万円の61.7%、魚沼コシヒカリが2万1000円で64.6%、こしいぶきが1万7000円で63.0%、新之助が1万9000円で61.3%。主食用米では前年から4割近い減額となった。

JAえちご中越 仮渡金の推移(単位:円/60kg)
銘柄 8年産米 8/7 7年産米 6年産米 5年産米
コシヒカリ 一般 18,500 61.7% 30,000 18,000 14,100
コシヒカリ 魚沼 21,000 64.6% 32,500 19,500 17,400
こしいぶき 17,000 63.0% 27,000 15,300 11,800
新之助(基準適合米) 19,000 61.3% 31,000 18,000 15,200
五百万石(契約栽培) 20,500 85.4% 24,000 15,300 15,000
こがねもち(契約栽培) 22,000 72.1% 30,500 17,000 16,600

一方、生産現場では肥料や農薬、燃料、機械などのコスト上昇が続く。農林水産省の資料では令和6年産の60キロ当たり生産費は、作付面積1~3ヘクタール規模で1万7781円、10~15ヘクタールで1万2188円、50ヘクタール以上でも9978円。規模拡大でコストは下がるものの、資材価格の上昇によって経営環境は以前より厳しくなっていると説明した。

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JA管内では水田約3万800ヘクタールのうち、作付けされず保全管理となっている農地が約3000ヘクタール、約1割に達する。10ヘクタール以下の経営体が全体の9割以上を占める一方、これらが耕作する面積は半分以下で、離農が進めば誰が農地を引き受けるのかも大きな課題になっている。

令和8年産 えちご中越米 現況報告会
令和8年産 えちご中越米 現況報告会

「生産者と消費者の歩み寄りを」

ことしの報告会では初めて若手生産者を招き、実際の経営状況や米作りの苦労も紹介した。

吉田会長はその狙いについて、昨年までの米価高騰に対する消費者の反応が厳しかった一方、生産者側もことしは再び厳しい経営に直面していると説明。「生産してもらわなければ困るという消費者と、作る以上は一定の価格で買ってもらいたいという生産者の、双方の歩み寄り」の場にしたかったと話した。

これまでの報告会はJAや卸、消費者側が中心だったが、生産者の苦労や思いを直接伝えることで理解につなげたいとした。

米価については、令和7年産の高騰で消費者離れが起きたことを踏まえ、「消費者にも納得していただき、生産者のコストが賄えて継続可能な価格で折り合いがつくのがいちばん」とした。政府に対しては備蓄米の追加買い入れも求め、「大きく余っているという状況ではない」との認識を示した。

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さらに令和9年産に向けては、主食用米だけでなく酒米や加工用米なども含めて「需要に見合った生産」を進め、水田をできる限り活用する必要があると指摘。国内生産が不足して輸入米の増加を招くことがないよう、生産者とJAが一体で取り組む考えを示した。

5品種を食べ比べ

5品種を食べ比べ
5品種を食べ比べ

報告会ではコシヒカリ、こしいぶき、新之助、葉月みのり、なつひめの新米5品種を食べ比べた。吉田会長は「食べ比べをしていないのは生産者が一番していないのかもしれない」と話し、生産者側にも品種ごとの味や特徴を知る機会があっていいとした。

規模拡大に伴って収穫時期を分散する必要から複数品種を作る農家が増えていることにも触れ、「どれも一定レベルの味がある。消費者の皆さんにもそういった部分を理解して届けていただければ」と話した。

報告会は10月8日の「お米・ごはんの日」を前に毎年開いているもので、JAは消費者や流通関係者に産地の現状を伝えながら、えちご中越米の消費拡大につなげていく。

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