新潟県三条市議会の最大会派「自由クラブ」(森山昭会長、9人)は9月30日、三条市役所で滝沢亮市長に2027年度(令和9年度)の政策要望書を提出した。滝沢市長への政策要望は初めて。観光振興や道路整備、産業支援、保育、介護離職防止、財政の見える化の6分野10項目をまとめ、新年度の予算編成を前に市政への反映を求めた。

改選で新人3人、政策担当を置いて意見集約
自由クラブは、ことし4月の市議選を経て9人のうち3人が1期目の新人となった。森山会長は、最大会派としての責任に加え、新たに加わった議員らの意見を市政に反映したい、来年度予算の編成が始まる前にと、今回の要望を発案した。
政策要望は森山会長の発案で、改選後から準備を進めた。会派の役員に政策担当を設け、白鳥賢、村上勝の両議員が意見の取りまとめを担った。森山会長は、議員経験の浅いメンバーもさまざまな考えを持っているとし、会派として毎年、その思いを市に届けていく考えだ。
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要望は「成長をつくる」「暮らしと仕事を守る」「都市基盤を強くする」の3つを軸に整理した。個別の施策を組み合わせ、交流人口や生産性、定住、投資余力が循環する都市経営を目指す内容とした。
八十里越を見据えた観光改革と産業用地確保

観光分野では、国道289号八十里越の暫定開通を見据え、三条観光協会の組織・機能改革を求めた。法人化や外部委託化を含む新たな組織への移行方針と工程を明確にし、観光マーケティングなどを担う専門人材の配置を要望。観光客数だけでなく、宿泊者数や観光消費額、市内周遊などの成果指標を設け、毎年度、成果を公表・検証する仕組みも求めた。
道路整備では、市が進める都市計画道路の見直しを契機に、継続する路線の整備を加速するよう要望した。渋滞解消、防災、産業・物流、費用対効果などから優先順位を明確にし、国・県の幹線道路整備と連携した具体的な工程の提示や、従来以上に踏み込んだ予算化を求めた。
産業分野では、地場企業の金属加工技術を生かし、GX(脱炭素)、ロボット、半導体・AI関連などの成長分野への参入を支える技術・設備投資支援を要望した。企業誘致や地場企業の事業拡大に備え、国道289号や三条燕インターチェンジ周辺などの交通条件、電力・水・通信の供給条件を踏まえた産業用地整備計画の策定も求めた。
保育の選択肢を広げ、仕事と介護の両立支援を
保育では、待機児童ゼロの維持に加え、家庭ごとに異なる働き方や生活条件に合った施設を選べる情報提供を求めた。
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子育てガイドブックに、対象年齢、開所曜日・時間、延長保育、費用、申込先などを共通項目として整理し、企業主導型保育施設についても契約手続きや無償化の適用条件などを分かりやすく説明するよう要望。妊娠・出産、転入、復職時の相談で各施設の情報にアクセスできる体制や、保育条件が合わず利用を見送った家庭などのニーズ把握も求めた。
仕事をしながら家族の介護を担う「ビジネスケアラー」の支援では、介護離職を企業の人材確保や事業継続に関わる課題として位置付けた。福祉部局と経済部局、商工会議所などが連携し、経営者や人事担当者を含む支援網の構築を要望した。
具体例として、介護離職防止や経営リスク対策のセミナー、初動対応ハンドブックの作成・配布、LINEなどを活用した時間外の初期相談を挙げた。意見交換では、介護現場のケアマネジャーから、企業経営者への啓発が必要との声が寄せられていることも紹介された。
財政の投資余力を市民に分かりやすく
財政では、国の統一的な財政指標を補う、市独自の「三条市財政持続可能性評価基準(仮)」の策定を求めた。

ふるさと納税の経費を差し引いた財政効果や、財政調整基金の必要額・活用可能額、寄付金が減少した場合の中期的な財政見通しなどを盛り込み、市の財政状況や将来への投資余力を分かりやすく示すことを要望。過去5年間の決算分析と今後5年間の財政推計を行い、毎年度、議会と市民に評価結果を公表するよう求めた。
滝沢市長は、要望への謝意を述べ、新年度予算の検討を進める時期に入るとして、今回の内容も含め、三条市の発展につながる予算を考えていく姿勢を示した。意見交換では、市側も課題として認識している内容があるとし、今後もさまざまな観点から意見を寄せてほしいと呼びかけた。
