10月11日告示、18日投開票の任期満了に伴う燕市議選(定数20)に、新人の鳥部一彦氏(55)=燕市寺郷屋=が17日、立候補することを正式に表明した。人材・担い手不足への対応を最重要課題に挙げ、ものづくりや農業の事業承継、子育て支援、移住・定住支援などに取り組む考えを示した。
鳥部氏は1970年12月9日生まれ。1991年に福井工業大学を卒業し、同年、暖房機器などを製造する三条市の株式会社コロナに入社。2010年にコロナ労働組合副執行委員長に就任した。連合新潟などから推薦を受けている。後援会長は同級生の蓑口佐登美氏(55)。
17日、鳥部氏は燕市東太田に開設した後援会事務所で記者会見した。これまで労働組合活動を通じて働く人の生活や権利を守り、現場の声に耳を傾けてきたとし、「労働者の代表、代弁者として、燕市のものづくり産業を支える『人』を中心に据えた政策の実現に全力を尽くす」と決意を述べた。
人材不足と事業承継を最重要課題に
「ずっと働けるまち 住みたくなるまち燕市へ」を掲げる。燕市の課題は、ものづくりと農業に共通する人材不足、担い手不足を指摘。事業を続けたい会社や農家でも後継者が見つからない現状があるとした。
「事業承継の難しさは個々の会社や農家だけの問題ではなく、地域全体のこれからにかかわる問題」。若い世代が「燕で働きたい」「燕で暮らしたい」と思えるまちづくりを進める必要性を訴える。
そのために働く環境、安心して子どもを育てられる環境を整える。「燕のものづくりは単に製品をつくる産業ではない。人を育て、技術を育て、仕事を生み、地域を支えてきた大きな力」と述べ、その力を地域づくりに生かす考えを示した。
移住支援や子どもの医療費無償化も
具体的な政策では、移住・定住支援が現在は関東圏からの移住者など対象が限定的で、県外の大学を卒業しても若者が燕市へ戻るような、幅広い人を対象に支援を充実させる。
子育て支援では、子どもの医療費について、現在の一部負担から無償化へ踏み込む。障害のある人やその家族への支援にも力を入れ、「子どもだけでなく、育てる親にも支援がつながる政策を進めたい」。
人材不足や担い手不足の解消は「簡単に解決できる問題ではなく、現時点で具体策に至っていないのが正直なところ」。人を呼び込むためには従来の施策からさらに踏み込む必要があり、現場の声を聞きながら方策を探る。
ボランティア活動が政治を志す原点
立候補を決意した経緯は長年、続けてきたボランティア活動を挙げた。「ボランティア活動だけでは人を助けられないこともある」と感じ、政治によって仕組みを変える必要性を意識するようになった。
昨年の燕市議補選でも立候補を検討したが、勤務先の事情などから見送った。その後も思いが強まり、家族や関係者に相談して今回の立候補を決めた。
市議会に対しても、市政をチェックするだけでなく、議会自身のあり方を変えていく必要があるとの認識を示す。
ドラマ「踊る大捜査線」の有名なせりふ「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きている」が大好き。「現場を見てきたからこそ言えることがある。現場で起きていること、現場で働く人の声を市政に反映させたい」と言う。
「労働組合出身だからこそ、経営者の皆さんと対話しながらも、常に働く人の立場に立つ」と強調。「ひとりですべてを変えられるとは思っていない。皆さんと一緒に考え、悩み、一緒に燕の未来をつくっていきたい」と語っている。
