新潟県三条市を拠点とする作家らでつくる三条美術協会(池浦道之理事長・会員70人)の年に一度の会員展「第26回三条美術協会展」が28日、三条東公民館(三条市興野1)で開幕した。同協会はことし創立35周年の節目。会員59人の力作70点を展示し、創作に励む会員らの作品を通して、地域の文化芸術の魅力を伝えている。会期は30日まで。
開会式には滝沢亮三条市長、野崎久雄三条市議会議長、新潟県美術家連盟・伊藤省風理事長、三条市文化団体協会・佐藤隆司会長、三条市市民部生涯学習課・小林和彦課長をはじめ関係者ら約30人が出席。テープカットで開幕を祝った。
創立35周年、先人の思いを次代へ
三条美術協会は1991年6月、ものづくりのまち三条で産業の発展と文化芸術の振興は切り離せないとの考えから設立された。発足時には326人が参加したという。
これまで協会展の開催に加え、県展の誘致や公民館講座などにも取り組み、地域の文化芸術活動を支えてきた。
池浦理事長は開会式で、少子高齢化によって会員の高齢化や若い世代の参加減少といった課題があることにふれた。「35周年という節目に、先人たちの熱い思いをもう一度、振り返り、三条で培われてきた文化芸術の素晴らしさをしっかり後世に伝えていきたい」と決意を語った。
滝沢市長「文化芸術からパワーをもらえる」
滝沢市長は祝辞で、自身が現在、書道に取り組んでいることを紹介。以前は文化芸術への関心がそれほど高くなかったが、地元で作品にふれる機会が増えたことで「文化、芸術の素晴らしさを感じ、それがエネルギーにもなり、パワーをもらえると実感している」と話した。
ことしは新潟市への出張にあわせて県展にも足を運び、「数年前の自分なら絶対にしなかった」と自身の変化を紹介。この協会展が「作品を見ることで、自分も作ってみよう、何かやってみよう、別の展覧会にも行ってみようという気持ちにつながる展覧会になれば」と期待した。
野崎議長も美術好きであることを話し、「三条美術協会があるおかげで、市民が地元で素晴らしい作品を見ることができる」と活動をたたえた。
会員は指導的立場にある人も多く、公募展に挑戦するなど、長く創作を続けている作家が中心。三条市の芸術活動の粋ともいえる作品群が来場者の目を楽しませてくれる。彫刻ではことしの県展で最高賞の県展賞に輝いた捧徳弘さんの受賞作品「開放」も展示している。
来場者が文化芸術を身近に体験できる恒例のワークショップも企画した。ことしは陶芸でぐい呑みやコーヒーカップを制作するもので、申し込みからすぐに定員に達したため、2回開催で各回10人の定員を各回20人に拡大した。
「アナログな表現ならではの良さがある」
池浦理事長は、「皆さん気合を入れて作品を出していただいた。年々、一人ひとりの技術も上がっていると感じる」と話した。
一方で会員数は減少傾向にあり、現在は約70人。池浦理事長は、デジタル機器で気軽に創作できる時代になり、若い世代を伝統的な美術活動へ呼び込む難しさも感じているという。
「私たちがやっているアナログな表現には、それならではの良さがある。地道に活動を続け、その魅力を発信して理解してもらいたい」と話している。午前9時から午後6時まで、最終日30日は午後4時まで。
