子どもたちが自分で考えた商品や体験を自ら販売し、大人と肩を並べて「仕事」に挑戦するイベント「おとなとこどもの しごと市」が20日、新潟市江南区沢海の真宗大谷派・光圓寺(村手敦史住職)で開かれた。昨年に続く2回目で、本堂や広間を会場に規模を拡大。飲食や雑貨、ワークショップ、占いなど24店舗が並び、子どもたちが主体的に店を開いた。
商品づくりから接客まで子どもが主体
会場には、アクセサリー、アロマ、書道、フラワーアレンジ、フェイスシール、パーソナルカラー診断、メイク体験、射的、キーホルダー作り、占いなど多彩なブースが並んだ。キッチンカーや飲食ブースもあり、終日にぎわった。
イベントの特徴は、子どもが単なる「お手伝い」ではなく、ひとりの出店者として参加したこと。24店舗のうち、親子出店を含め半数に子どもがかかわった。小学1年生から中学生までが商品づくりや価格設定、接客まで自分たちで考えながら取り組んだ。
主催する飯塚菜央さん(42)=新潟市東区=は「去年、参加した子どもたちから『来年も出たい』『次はいつやるの』という声をたくさんもらいました。今年は親が出店しなくても、自分だけで出たいという子も増えました」と手応えを話した。
「親の仕事を子どもと一緒に」から始まった企画
飯塚さんはイベント企画や講座運営を仕事とし、人と人をつなぐ場づくりをライフワークとしている。昨年、光圓寺からイベント開催の相談を受けたのをきっかけに、「子どもも一緒に出店できる場」を企画した。
もともとは、自営業やイベント出店者の多くが、出店中は子どもを預ける現状に疑問も感じていた。
「好きなことを仕事にしている親の姿を、子どもが見る機会は意外と少ない。だったら子どもも一緒に仕事をすればいいと思ったんです」。
昨年は出店者の子どもが中心だったが、今年はイベントを知った子どもたちが「自分もやりたい」と参加を希望し、輪が広がった。
「また出たい」が何よりの励みに
会場では子どもたちが積極的に客へ声を掛け、自ら商品を説明し、会計まで担当した。飯塚さんは「子どもは本当にやる気がすごい。前日に遠足の前みたいに眠れなかったという話も聞きました」と喜ぶ。
昨年参加した子どもの一人からは、「お客さんに喜んでもらうことが仕事の喜びという意味が、実際にやって初めて分かった。また出たい」と感想を伝えられたという。「主催者として、それ以上にうれしい言葉はありませんでした」と振り返る。
出店準備では親子で商品や価格を相談する機会も多い。「イベントそのものだけでなく、準備の段階から家庭で新しいコミュニケーションが生まれていることもうれしい」と話す。
お寺から広がる地域のつながり
午前中は多くの来場者で会場は活気に包まれ、午後は出店者と来場者がゆっくり会話を楽しむ時間が増えた。「午後は『なぜこの仕事をしているのか』という思いまで伝えられる時間になりました」と飯塚さん。
来場者には隣接する北方文化博物館の入館料300円引き券も配布され、寺を拠点に地域の魅力を発信する催しにもなった。
会場を提供した光圓寺の村手住職は、「子どもたちが自分を表現できる場があると本当に生き生きする。お寺がそうした場として使ってもらえるのはありがたい」と話した。
飯塚さんは「子どもたちから『また出たい』という声をたくさんもらいました。来年も子どもも大人も挑戦できる場を続けていきたい」と意欲を示した。
