新潟県燕市の佐野大輔市長は27日、市役所で7月の定例記者会見を開き、燕市合併20周年を記念した絵画コンクールをはじめ、高校生が企画する市内バスツアー、製造業向けDX人材育成講座、東京ヤクルトスワローズとの連携事業、市公式InstagramとTikTokの開設など11件を発表した。
佐野市長は、子どもや若者の視点をまちづくりに生かすとともに、ものづくり、農業、観光など燕市の幅広い魅力を市内外へ発信していく考えを示した。
子どもが描く「20年後の燕」
合併20周年記念事業の「つばめっ子が描く未来の燕」絵画コンクールは、市内在住か在学の小中学生を対象に、「20年後の燕市がこんなまちであってほしい」をテーマとした作品を9月25日まで募集する。
小学校1〜3年、同4〜6年、中学生の3部門を設け、それぞれ市長賞、市議会議長賞、教育長賞を選ぶ。受賞者には賞状と記念図書カードを贈り、11月21日に表彰式を行う。
応募された全作品は11月21日から25日まで、市内公共施設で展示する方向で調整している。
佐野市長は「子どもたちがどんな燕市になってほしいと思っているのかを見ることは、これからの政策にも生きてくる。自由な発想で描いてほしい」と期待した。
高校生が燕市を「点ではなく面」で案内
高校生34人が所属する「燕市役所まちあそび部」は8月30日、市外在住者を対象に「つばめぐりバスツアー」を行う。
燕市産業史料館での鎚目(つちめ)入れ体験を皮切りに、道の駅SORAIRO国上、国上寺・五合庵、信濃川大河津資料館、宮町商店街、燕三条地場産業振興センターを巡る。定員は25人程度、参加費は昼食代や体験料を含め5,000円で、申し込みは8月15日まで。
企画や準備、当日の案内はまちあそび部員が担う。佐野市長は「ものづくりや観光、商店街などを点ではなく面で見てもらえる内容。ツアーをきっかけに、もう一度、燕市に来たいと思ってもらえたら」と話した。
このほか、広報つばめの「子ども記者」19人も取材活動を開始。「燕ジュニア検定」「子どもの居場所」「燕市B&G海洋センター」の3チームに分かれ、11月発行の子ども広報に向けて取材や編集を進める。
製造業のDXを経営と現場の両面から
製造業向けDX人材育成講座は、富士通フロンテック新潟工場を会場に、経営層・工場長向けの2日間コースと、現場リーダー・製造管理スタッフ向けの3日間コースを設ける。
経営層向けは9月17、18日、現場向けは10月7、8、15日に開催。工場見学や講義、ディスカッション、ワークショップを通じ、社内改革の進め方や属人化の解消、作業標準とデジタル技術を組み合わせた現場づくりを学ぶ。
佐野市長は、市内製造業について「手仕事が多く、人手不足になるとできる仕事が限られる。生産効率だけでなく品質を担保するためにもDXを活用してほしい」と説明。一部企業ではロボット化などが進む一方、「市内企業の大半では、まだDXへの関心をどう高めるかという段階」との認識を示した。
若手デザイナーと燕の加工技術を結ぶ「若monoデザインコンペティション燕」も8月1日から作品を募集する。11回目のテーマは「ぬくもり」。39歳以下の個人またはグループを対象に、金属を使った製品デザインを10月31日まで募り、大賞受賞者には賞金30万円を贈る。
スワローズとの連携を秋も展開
東京ヤクルトスワローズとの連携事業では、9月19日に市役所南側の水田などで「スワローズ・ライスファーム稲刈り」を開く。
春に植えた稲を参加者が刈り取り、収穫米をスワローズの選手に届ける。稲刈り体験は50人、トークショーは300人を募集し、8月3日から26日まで申し込みを受け付ける。
ゲストにスワローズ前監督の高津臣吾さんや燕市PR体鳥(長)のスワローズマスコットキャラクターのつば九郎、ダンスチーム「Passion」らを迎え、お笑い芸人のラブレターズの溜口佑太朗さんが司会を務める。
9月22日には明治神宮野球場で、東京ヤクルト対阪神戦に合わせて「燕市DAY」を開催する。小中川バファローズの選手が始球式やスタメンキッズを務めるほか、つば九郎ロゴ入りエコカップ、スプーン、フォーク、学校給食で人気のトマ味噌カレー豚丼などを販売する。
オリジナルうちわを先着5,000人、つば九郎米450グラムを先着1,000人に配り、ふるさと納税や観光もPRする。
InstagramとTikTokを開設
燕市は27日、市公式InstagramとTikTokを開設した。アカウント名は「新潟県燕市」、ユーザー名は共通で「@koho_tsubame」。
Instagramではイベントや地元グルメ、おすすめスポットなどの写真、TikTokでは若者が思わず見たりシェアしたりしたくなる短い動画を発信する。
市民などから好きな燕市の風景、場所、もの、出来事の写真とエピソードも募集し、市公式SNSなどで紹介する。
佐野市長は、Instagramについて年度末までにフォロワー500人を目標に掲げ、「燕市にこれまでなじみのなかった人にも魅力を感じてもらい、実際に足を運ぶきっかけにしたい」と話した。
新米20キロを市長が直接届ける
燕市産農産物を対象とした「つばめ食べて応援キャンペーン」は8月1日から10月31日まで実施する。
7回目の今回は合併20周年賞として、燕市産米「飛燕舞」の新米20キロを佐野市長が当選者3人に直接届ける。市外の当選者には配送する。
宮?製作所のソテーパン、ル レクチエ、プリンとのむヨーグルト、味付き肉、熟成焼き芋などを計470人に贈り、外れた人の中から600人にトマ味噌カレー豚丼のレトルトパックが当たる。前年度は1万8,274件の応募があり、関連売上額は約8,150万円だった。
婚活支援や八十里越・佐渡企画展も
20、30歳代を中心とした婚活実践講座「ドキラボ」を8月から11月まで3回開く。
男性向けのマッチングアプリ・身だしなみ講座、女性向けのライフデザイン・カラー診断講座、男女を対象としたマネープラン講座を用意。市内在住、在勤に限定せず、市外からも参加できる。
燕市産業史料館では8月11日から9月27日まで、「燕〜八十里越(はちじゅうりごえ)〜佐渡 産業・工芸・文化展」を開催する。
八十里越を通じて仙台、会津方面から伝わった鎚起(ついき)銅器やきせる、仙臺銅壺(せんだいどうこ)、会津漆器、会津本郷焼、佐渡金山の発展過程で生まれた無名異焼(むみょういやき)などを展示する。金塊つかみ体験、燕市の鎚起銅器の玉川堂と宮城県仙台市銅細工の住宅設備業タゼンの対談、仙臺銅壺の小箱作り、佐渡の鬼太鼓実演も行う。
佐野市長は、2027年夏に予定される八十里越の暫定開通を見据え、「燕市としても観光につなげ、佐渡との交流も深めたい」と述べた。
東電拠出金は一括活用を軸に検討
会見では、東京電力が柏崎刈羽原発の再稼働に関連して拠出する資金を原資とした県の支援制度についても質問が出た。
佐野市長は、燕市では旧分水町地域だけが個別給付の対象となる可能性があることから、市が一括して受け取り、避難所の空調や安全対策などに活用する方法が望ましいとの考えをあらためて示した。
一方で、個別給付を行う場合、市町村側が電力契約や振込口座などの情報を把握する必要があることを指摘。市町村に任せる形ではなく、県などへの対応を求めている。
制度の詳細はまだ正式に示されていないとして、旧分水地域の住民感情にも配慮しながら、市役所内や地域で議論し、最終的な活用方法を判断するとした。
