新潟県三条市に本社を置く株式会社オーシャンシステム(樋口勝人代表取締役社長)は1日、三条市の諸橋轍次博士奨学金の原資に充ててほしいと100万円を寄付した。樋口社長と樋口勤取締役会長が市役所を訪れ、滝沢亮市長に目録を手渡し、三条市の将来を担う子どもたちが安心して学業に専念できるようにとの思いを伝えた。
「若い時の教育は学生時代しかできない」
樋口社長は寄付のきっかけについて、「子どもたちの未来は、やっぱりわたしたちの世代より厳しい。若い時からの教育は、なかなか学生時代しかできない」と話した。
さらに「何か知恵を使って将来を生き抜いてほしいという思いがあった。われわれの時代は体ひとつで生き抜いてきたが、これからの子どもたちは知恵を使っていかないと生き抜けない時代なのかなとつくづく思う」とし、「働く環境も変わり、朝から晩まで働ける時代でもない。頭を使うために、子どもたちの教育の一環として使っていただければ」と期待した。
同社は給食や社員食堂などを手がけるコントラクトフードサービス事業も展開している。樋口社長は「中学生や小学生も、うちの給食を食べている。小中学生を含めて何か貢献できれば」と、子どもをテーマにした寄付であると思いを話した。
諸橋轍次博士の志を次世代へ
諸橋轍次博士(1883ー1982)は三条市の旧下田村出身の漢学者で、漢字辞典の金字塔とされる『大漢和辞典』の編さんで知られる三条市名誉市民。市はその功績と志を受け継ぎ、奨学金制度を通じて高校生や大学生、看護師を目指す学生らの学びを支えている。
滝沢市長は、寄付金を奨学金の充実に活用していくと話し、「今はその思いをしっかり次につなげていこうということで、高校生向け、大学生向け、看護師向けの奨学金に使わせていただいている。有効に使わせていただく」と礼を述べた。
贈呈式では、諸橋博士が今の天皇陛下の名付け親としても知られることや、上皇さまの教育にも関わったこと、諸橋轍次記念館や生家が下田地域に残ることなども話題に。地元が生んだ偉人の志を、今を生きる子どもたちの学びへつなぐ寄付となった。
