新潟県三条市の初夏を彩る伝統行事「令和8年度 三条凧(いか)合戦」が6月6日(土)、7日(日)の2日間、三条防災ステーションで開かれる。17日には同会場で組分け抽選会と揚げ師技術伝承会、新組発表が行われた。ことしから新加盟の凧組2組と三条が舞台のアニメ「Do It Yourself!!」ファングループの一般参加が発表された。
三条凧合戦は、江戸時代から350年以上続く三条市の伝統文化。六角巻凧を空中で絡ませ、糸を切り合う勇壮な「けんか凧」で知られる。
ことしは「三条エコノミークラブ六角塾」と「上州凧協会」の2組が新加盟。一般参加の「龍王組」には、アニメ「Do It Yourself!!」のファングループ「潟女DIY部後援会」の有志が加わり、総勢31組による合戦となる。
主催する三条凧協会の須藤謙一会長は「新しいチームも増え、DIYのメンバーも龍王組で出ていただく。携わっていただける方が増え、非常にいい傾向にある」と歓迎。「優勝をかけての運もある。いい組み合わせができるといい」と話し、出場者の健闘を期待した。
| 赤組 A | 白組 A | ||
|---|---|---|---|
| 1 | 三龍会 | 1 | 三條真田丸 |
| 2 | 清友会 | 2 | 飛燕三舞会 |
| 3 | 謙信組 | 3 | 市役所凧倶楽部 |
| 4 | 隆青会 | 4 | 雷神組 |
| 5 | 一ノ木戸清正組 | 5 | 旭組 |
| 6 | 大町組景清 | 6 | 三条エコノミークラブ六角塾 |
| 7 | 凧の藤組 | 7 | 龍王組 |
| 8 | 燕三条愛粋組 | 8 | 上州凧協会 |
| 赤組 B | 白組 B | ||
| 9 | 越後三条鍛冶集団 | 9 | 三条越路組 |
| 10 | 東三条五月会 | 10 | 緑水会 |
| 11 | 三条小町会 | 11 | 健青会 |
| 12 | 白朗会 | 12 | まろみ会 |
| 13 | 下田村羚羊会 | 13 | 風神組 |
| 14 | 保内植木組 | 14 | 上町組 |
| 15 | さんじょう浪士組 | 15 | 嵐南組 |
| 16 | 福ノ島会 | 16 | |
65周年の六角塾、前橋から2組目の上州凧協会
新加盟の三条エコノミークラブ六角塾は、三条市の青年経済団体「三条エコノミークラブ」の65周年を機に参加を決めた。塾長に就いた笹川英二さん(38)は「初心者ばかりで迷惑をかけることもあるかもしれないが、まずは一生懸命。楽しみたい」とあいさつした。
三条エコミークラブはかつて凧組として活動していた。復活を目指したわけではないが、結果的に20~30年ぶりの復活。笹川さんは「65周年で何かPRになることをやれたらと思った。つくったからには来年以降も続けていきたい」と話す。
ことしは10枚ほどの凧を用意し、クラブのロゴや65周年を入れた凧も制作した。看板凧はかつてと同じく徳川家康。合戦では子ども向けの小さな凧を配布し、活動のPRにつなげる考えだ。
前橋から緑水会に続いて上州凧協会が参加
もうひとつの新加盟、上州凧協会は群馬県前橋市から参加する。前橋からは前橋商工会議所青年部でつくる「緑水会」に続く2組目。緑水会は毎年、「上州空っ風凧揚げ大会 in 前橋」を開いている。3年前から三条凧協会と交流を続け、互いにイベントに参加している。
緑水会会長で上州凧協会会長の石川翔平さん(37)は「一般の組にも興味をもってもらい、それを受け入れるチームとして上州凧協会をつくった。初心者ばかりだが、ルールをしっかり勉強して試合に臨む」と意気込んだ。
「作品を見てほしい」DIYファンが有志で凧制作
龍王組で一般参加するテレビアニメ「Do It Yourself!!」のファングループ「潟女DIY部後援会」も注目だ。三条市を舞台にした同作品のファン有志が資金を出し合い、凧を制作した。
2023年から毎年、三条凧合戦に「DIY!!」の声優が参加したが、ことしは参加しないことになった。言い出しっぺで代表格の小高伸介さん(50)=神奈川県川崎市=は「DIY!!の凧が揚がらないと聞き、ファンとしてアピールしたい、みんなに見てもらいたいと思った」と参加のきっかけを話す。
当初は来年の参加を目標にしていたが、ことしでも準備が間に合う見通しが立ち、急ごしらえで参加することに。ただ、県外の人が多く、凧組としての役割や責任の負担が多く現実的でないことから、凧組を組織するのではなく、一般参加の竜王組にグループで参加するというたてつけだ。
凧の制作にかかる費用は15人ほどが出資。2枚の白凧を購入し、著作権にも配慮しながら女性会員が「DIY!!」のキャラクターを描いた。加えて須藤凧屋の須藤会長も1枚、「DIY!!」の凧絵を製作中。来場できない県外ファンからも応援が寄せられている。
この日は8人が参加した。小高さんは「DIYということで、みんな自分たちでやろうという空気があった。自分たちを見てほしいのではなく、作品を応援している一環として凧を見てほしい」と話していた。
凧マルシェは25店舗、ぬり絵コーナーも新設
ことしの三条凧合戦では、飲食、雑貨、キッチンカーなど約25店舗が並ぶ「凧マルシェ」も開催。三条凧協会ブースではオリジナルTシャツや凧合戦グッズを販売するほか、ことしは六角巻凧の武者絵の塗り絵コーナーを新設する。
この塗り絵は、三条凧協会の海外交流でパリを訪れた際に現地で人気を集めた企画。子ども連れにも楽しんでもらおうと取り入れる。
7日午前のイベントも例年以上に充実する。開会式後には、東日本大震災の被災地を支援する団体「ラブフォーニッポン」で組織する「福ノ島会」による復興支援凧揚げを実施する。
きらきら保育園の太鼓演奏、一ノ木戸小学校の凧ばやし演奏、三條太鼓三小相承会と三条凧協会凧ばやしクラブによる初のコラボ演奏、裏館小学校の凧ばやし演奏、よさこいグループ「一躍」の演舞も行われる。
赤1番は三流隊、選手宣誓へ
紅白の組分け抽選会では、昨年の優勝組から順にくじを引き、兄弟組制度による自動配置も行われた。昨年から赤組の1番を引いた組が開会式で選手宣誓を行うことになっており、ことしは三龍会が引き当てた。
合戦は違う色の組と対戦する。過去13年間は東三条五月会と大町組景清のどちらかが優勝している。ことしはいずれも赤組となり、直接対決はない。ただ、強豪チームが紅白に分散してバランスのいい組み分けになったと話す人もいた。
組分け抽選会後は、揚げ師技術伝承会を実施。ベテラン揚げ師による技術指導や副審講習会を行い、凧揚げ文化と運営ノウハウを次世代へつないだ。
