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福島県南相馬市の桜井市長が避難した市民を受け入れる新潟県内の自治体の首長と面会、避難所を訪問、17日は三条市と燕市へ

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福島県南相馬市の桜井勝延市長は、東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故で市民の多くが避難している新潟県内の受け入れ自治体を16日から18日まで3日間かけて訪問しており、17日は午後から三条市と燕市を訪れて両市長に謝意を表し、避難所の市民に現状を説明したり、質問に答えたりした。

三条市総合福祉センターで避難している南相馬市民と話す桜井市長
三条市総合福祉センターで避難している南相馬市民と話す桜井市長

桜井市長は、予定になかった避難所になっている三条市体育文化センターに立ち寄ってから南相馬市教育委員会の小田幸夫文化財課長と三条市に派遣している3人の職員と連れ立って午後1時に三条市役所を訪れ、国定勇人市長に面会。その後、避難所になっている三条市総合福祉センター、三条市勤労青少年ホーム「ソレイユ三条」を訪問。続いて燕市役所で鈴木力市長と面会してから避難所の消防本部・防災センターを訪問した。

国定市長は、2日に三条市から南相馬市へ一時帰宅した人たちに同行して南相馬市を訪れて桜井市長に面会しており、互いに「先日はどうもありがとうございました」で握手し、国定市長は「こんなに早い段階でお会いできるとは思いませんでした」と歓迎した。

南相馬市は福島県で最も犠牲者が多く、これまで確認された死亡者は539人にのぼるが、当初は1,500人くらいと見られたのと比べると、それを下回りそうだ。

三条市役所で桜井南相馬市長(右)と握手する国定三条市長
三条市役所で桜井南相馬市長(右)と握手する国定三条市長

「市民に対していつ戻っていいですよって、なかなか言えないのがつらいです」と桜井市長。原発から20キロ圏内は国の一時帰宅の方針に変更はなく、「1台で20人ずつしか入れないとか、また、1世帯で2人までいいということになると、人数もましてや倍になりますし、今度、持ち出したものの線量を測るんですよね。スクリーニングするんです。ああいうことやってると無駄な時間だけですし」と、こぼした。

国定市長も「1世帯2人ということを決められたときに、あっ、これは菅さんの言っていたスケジュールは崩れたなと思ったんです」と同調。「逆に言うと、もしかしたら防護服とかも緩和してくるんじゃないのかなとも思ったんですが、そこは全然、崩れされないまま…」と首をかしげた。

国定市長に南相馬市の現状を話す桜井市長
国定市長に南相馬市の現状を話す桜井市長

三条市内では460人が避難所生活をしているが、これから梅雨時。アパートに入っていただいて、「ある意味、快適な避難生活を送っていただきたい」と国定市長。

桜井市長は、国は応急仮設住宅の建設地を原発から30キロ圏外しか認めないため、南相馬市では5,400戸の建設を希望しているところ、1,070戸しか認められていないことに強い不満を示した。

南相馬市役所で見た津波の写真の驚きを話す国定市長
南相馬市役所で見た津波の写真の驚きを話す国定市長

桜井市長は、南相馬市の放射線量が低いことを訴えており、「警戒区域の見直しも線量にあわせてやってくれということで働きかけてるんですけどね」。「警戒区域のなかをランパン、ランシャツで走ろうかなって思って」と笑わせた。

国定市長が「とても2カ月近くずっと臨戦態勢を続けていらっしゃる市長さんとは思えないぐらいに気力がますます」と驚きを伝えると、桜井市長は「わたしが倒れるのを望んでいる人は、そうは多くないのかと信じながら」に爆笑だった。

 三条市総合福祉センターを訪問する桜井市長
三条市総合福祉センターを訪問する桜井市長

燕市では、これまでの避難の受け入れ状況を説明。桜井市長は、燕市に避難していた人が燕市の世話になった礼にと託された贈り物を鈴木市長に手渡した。

鈴木市長から桜井市長に提案。燕市の避難所を出て雇用促進住宅に移った人が増え、南相馬市から派遣されている職員は民間アパートを借りており、職員も雇用促進住宅に移った方が「避難されている方々も安心」、「子どもさんが多いので看護師の職員も近くにいた方が」と勧めた。

 三条市総合福祉センターを訪問する桜井市長
三条市総合福祉センターを訪問する桜井市長

また、鈴木市長は先に応急仮設住宅への入居者に燕製品の台所用品で支援しようと、岩手、宮城、福島の各県へ「頑張れ東北!仮設住宅応援(燕)」グッズを1,000セットずつの目録を贈ったことを紹介。

桜井市長は「本来であれば自治体間での融通がいつでもきけるような形が何よりも必要なんだと思いますけどね。どうしても県を通じてだとスピーディーさも欠けるところがあって」と言う一方、泉田知事のおかげもあり、新潟県には「温かい受け入れをいただいていることに本当に感心、感謝をしきれない」と話した。

 三条市勤労青少年ホーム
三条市勤労青少年ホーム

避難所では三条市総合福祉センターで約80人、ソレイユ三条で約40人、消防本部・防災センターで約40人が出席した。避難していている人たちの最も関心が高かったのが、義援金がいつ振り込まれるかというもの。振り込みは、まだ対象世帯の4分の1にとどまっており、少しでも早く振り込まれるよう対応しているとした。

職場が警戒区域で失業せずに休職中でも雇用保険がおり、事業者も雇用保険を使って首を切らずに休職できるような方向性を経産省とともに取り組んでいる。市の補償を求める人もいたが、財源がなく、補償はできないと答えるほかなかった。

燕・弥彦消防本部・防災センター
燕・弥彦消防本部・防災センター

基本的には、原発事故に関連した補償はすべて東京電力が負担すべきという立場で、今後も強く補償を求めるとした。警戒区域はいつ解除されるのか、仮設住宅の仕様やいつ入居できるのかといった質問も多かった。

避難生活を送る人たちの多くは、桜井市長の訪問を歓迎。会場をあとにする桜井市長に声高に質問をぶつける人もいたが、その場で桜井市長の回答を聞いて握手すると、「市長さんも頑張ってください!」と逆に激励した。「何と言ってもわたしたちのお父さんは市長さんですから」と体を気遣う人もいれば、桜井市長が体調を崩して点滴を受けていると聞いたと話す人には「一度も点滴したことはありません」ときっぱり否定した。

 国定市長の話に聞き入る
国定市長の話に聞き入る

桜井市長は毎朝40分、走っている。燕市役所では一段とばしで階段を上り、周囲が体を心配する必要はまったくなさそうだ。

東日本大震災から2カ月余り、三条市や燕市が避難者の受け入れを開始してからほぼ2カ月での桜井市長の訪問。これまで南相馬市は副市長を置いていなかったが、4月25日に内閣府沖縄振興局総務課の村田崇課長補佐が副市長に就いたことから、桜井市長の県外の避難所訪問が実現した。

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