田上町立田上小学校(佐藤智昭校長)の4年生34人は19日、総合的な学習の時間「田上学」で、学校近くを流れる才歩川(さいかちがわ)の水質調査を行った。スローガンは「Let’s go 才歩川探検隊」。児童は神明橋のたもとの才歩川に入って水の汚れを調べたり、水生生物を採取したりして身近な川の環境を体感した。
「地域の川はきれいか」自分たちで確かめる
4年生は今年度、才歩川を学習のフィールドにして、川の水質や生き物、川の歴史、水害、護岸工事、環境保全について学ぶ。今回はその導入となる現地調査で、加茂地区理科教育センター協力員の白井先生明日華さんを講師に迎えている。
事前学習で白井さんから調査内容を学んだ。児童は長靴をはいて現地へ向かい、白井さんは「皆さんの地域にある才歩川がきれいかどうかを、いくつかの方法で調べます」と説明。川の水が流れている幅は2メートルほど、足を入れても足首ほどの水深しかなく、安全に調査できる絶好の環境だ。
透視度、pH、CODを調査
最初に行ったのは透視度調べ。透明な筒に川の水を入れ、底の目印がどの深さまで見えるかを班ごとに確認した。児童は「50センチくらい」「見えた」「もっと上から見て」などと声を掛け合いながら記録。友達が川の中を歩くと水が濁るため、白井さんは「上流でガシャガシャすると下流が濁るよ」と注意し、川の流れや調査の仕組みも学んだ。
続いてpH試験紙で酸性・アルカリ性を調べ、水質の簡易検査キット「CODパックテスト」で水の中の有機物などの量を確認した。パックの中の薬剤に川の水を吸わせると、色が変化。児童は見本の色と見比べながら数値を読み取った。
白井さんはCODについて「数が大きくなると汚れているという表現をするが、一概にそうではなく、栄養が多いとも言える。田んぼに水を入れる時期は、土や栄養分が流れ込んで数値が上がることもある」と話し、水質を単純に良い悪いだけで見るのではなく、地域の環境や季節と合わせて考える大切さを伝えた。
ヘビトンボやサワガニに歓声
最後は水生生物の採取。白いバットとバケツ、網を持った児童は、石を裏返したり、川底をすくったりして生き物を探した。
「川ガニいた」「ヘビトンボだ」「またいた」「カニ3匹もいる」と川の中は歓声でいっぱい。サワガニ、ヘビトンボの幼虫、ヒラタドロムシ、カゲロウの幼虫のような生き物などが見つかり、児童は白いバットの上で観察した。
ヘビトンボの幼虫が見つかると、白井さんは「ヘビトンボがいるということは、ここはきれいな水ということ」と説明。児童は自分たちの足元の川に、さまざまな生き物がすんでいることを実感していた。
水害や護岸工事、環境を守る学びへ
田上小では、4年生が例年、才歩川を学習の題材にしてきた。昨年度は都合により実施できなかったが、ことしは再び現地調査を行った。
才歩川はかつて氾濫しやすい川でもあり、護岸工事が行われた。川幅や流れ、湧き水の影響も含め、児童は今後、才歩川の歴史や水害被害、改修工事についても調べる。田上小では、この活動を通じて、地域の川を守るために自分たちに何ができるかを考える課題解決型の学習につなげていく。
川から上がった児童は水分補給をしながら、見つけた生き物や調査結果を班ごとに確認。才歩川は、子どもたちにとって理科の教材であり、地域の歴史を知る入り口であり、ふるさとの自然を見つめ直す教室になっていた。
