新潟県加茂市は、有害鳥獣対策を専門に担う地域おこし協力隊員として、兵庫県豊岡市出身の青田貢さん(52)を採用し、9月1日付で委嘱した。任期は3年間。加茂市が有害鳥獣対策を担当する地域おこし協力隊員を採用したのは初めて。ツキノワグマやイノシシ、ニホンザルなどの捕獲や生息・被害状況の調査にあたり、捕獲の担い手不足解消につなげる。
青田さんは銃猟とわな猟の狩猟免許、猟銃の所持許可を持つ。地元の猟友会豊岡支部では、イノシシやニホンジカの有害鳥獣捕獲を数多く経験してきた。加茂市では捕獲のほか、野生鳥獣の生息状況や農作物などの被害状況の調査にもあたる。
「SMOUT」で加茂市の募集を見つける
日常の仕事とあわせて猟友会の活動を続けるのは、朝早くから出動するなど体力的にも厳しかった。そこで移住や地域との関わりを求める人と自治体などをつなぐ国内最大級の移住スカウトサービス「SMOUT(スマウト)」で、有害鳥獣対策に関連した地域おこし協力隊の仕事を探し、加茂市の募集を見つけ、応募した。
加茂市は6月から有害鳥獣対策担当1人を募集。市のホームページに加え、SMOUTにも「サルの群れやクマから、地域を守る。0から始める、本気のハンター暮らし。」として募集情報を掲載していた。
兵庫県北部の豊岡市から加茂市までは約600キロ。車で8時間ほどかかる。遠く離れた新潟県での新たな仕事を選び、加茂市へ移住した。市は即戦力として期待を寄せる。
### 加茂市のサル捕獲設備に「びっくり」
青田さんは着任後、加茂市の有害鳥獣対策の現場も確認している。とくにニホンザルの捕獲設備について、これまで自身が活動してきた地域とは方式が異なり、加茂市の進んだ設備やシステムを見て「技術を見てびっくりした」と話した。
以前の活動地域ではサルをおりで捕獲する機会はそれほど多くなく、捕獲の難しさも感じていたという。加茂市ではライブ映像などを活用する仕組みも確認し、「システムも最新」と評価。これまでの自身の経験をそのまま持ち込むだけでなく、加茂市ですでに行われている方法も学びながら対策に取り組む考えだ。
一方、イノシシについては、これまでの捕獲経験を生かせる分野とみている。加茂市でもイノシシによる被害が課題となっていることから、現場の状況を把握しながら捕獲につなげていく。
捕獲の担い手不足解消にも期待
加茂市では、ツキノワグマ、イノシシ、ニホンザルなどによる農作物被害などへの対応を続けている。青田さんには捕獲だけでなく、生息状況や被害状況の調査など、現場の最前線での活動を担ってもらう。
市は、狩猟者の高齢化などによる鳥獣捕獲の担い手不足が深刻な課題となるなか、青田さんの着任を「鳥獣対策を大きく前進させる第一歩」と位置付け、関係団体と連携して農作物被害の軽減を図る。
