印刷会社で物流や建築における温度管理・遮熱に特化した製品も販売する(株)サンユー印刷(玉木一朋代表・新潟県三条市直江町1)の会長、玉木敏さん(76)は、三条市立本成寺中学校第二体育館に遮熱シートの設置を寄贈するため23日、滝沢亮市長に目録を手渡した。
温度を5~6度下げる効果 寄贈額は見積もりベースで約800万円
体育館の天井面に一定の空間を設けて設置するタイプの遮熱シート「キープサーモウォール」を設置する。これまでの施工例では温度で5~6度下がり、体感では10度近く涼しく感じることもあると言う。
遠赤外線による“びりびりするような暑さ”が和らぐのが特徴。電気代が必要なく、冷暖房費の削減効果も期待できる。あわせて南側と東側の窓に遮熱カーテンも設置して相乗効果を図る。
5月7日に着工し、5月下旬までに完了させる。寄贈額は見積もりベースで約800万円にのぼる。
滝沢市長も暑熱対策の重要性に理解
滝沢市長は三条市が今年度、中学校9校の体育館への冷房整備を進める暑さ対策を紹介した。玉木さんは「冷房をしても暑いと思う。その差が分かるはず」と遮熱シートの効果に自信を示し、環境改善の必要性を強調した。
学校の体育館は体育や部活動の場であるだけでなく、災害時には避難所としても重要な役割を担う。滝沢市長も「避難所としても学校の体育館は大事」とし、暑熱対策の重要性に理解を示した。
教育委員会とも連携し、遮熱をした場合としない場合、さらに今後、冷房導入後の違いなども比較して、どのていどの改善があるかを検証する。
「暑くてとても運動できない」と社員から聞いたのが寄贈のきっかけ
東京では冷房と遮熱を組み合わせた学校もある一方、新潟県内では大規模な学校体育館への導入例はまだ多くないと玉木さん。「県内ではこうした形で大々的にやるのは初めてではないか」と言う。
玉木さんが寄贈を考えたのは、学校開放で本成寺中体育館を利用する社員から「暑くてとても運動できない」と聞き、現地を確認したのがきっかけだった。
近年の猛暑で夕方になっても暑さが抜けず、窓を開ければ虫が入る。実際に体育館に入って「これではバレーボールどころじゃない」と痛感した。
玉木さんは76歳。「最後の社会奉公をしないと」と笑いながらも、子どもたちの学習・部活動環境の改善に強い思いがある。ランニングコストがかからず、長期間使える遮熱シートの特性を生かしながら、学校施設の暑さ対策の新たな選択肢のひとつとなりそうだ。
