新潟県加茂市の春の風物詩「加茂川を泳ぐ鯉のぼり」が、ことしも始まった。市街地を流れる加茂川の上空、葵橋ー西宮橋間に約500匹の色とりどりのこいのぼりが泳いでいる。5月25日まで。
大型連休にきれいな鯉のぼりを見てもらうため開始を後ろ倒し
加茂市観光協会(会長・藤田明美加茂市長)が実施している。例年、4月上旬からゴールデンウイーク明けまでの掲揚だったが、ことしは開始を遅らせた。
というのも、数日でも風雨で破れたり、はずれたり、絡んだりするものがある。大型連休のころには最もいたんだ状態になっている。いちばん多くの人に見てもらう大型連休中に、できるだけ見栄えのいい状態で迎えようという判断だ。
5本のワイヤーを輪にして10列に 設置はすべて人力
こいのぼりは両岸を結んだワイヤー1本に約50匹、10本で計約500匹。全国各地にこいのぼりの名所はあるが、加茂川は目線に近い高さで泳ぐのが特徴。ふれられる高さのこいのぼりもあり、子どもたちにとっても迫力は十分だ。
設置作業はすべて人力。先にワイヤーを張ってから塩ビパイプをワイヤーにはめて取り付けたこいのぼりを送り出す。ボランティアや市職員、地元建設業者に加え、ことしは新潟経営大学の学生も作業に参加してくれた。
須田中と加茂小が口ひも付け オリジナル鯉のぼりも
ことしは学校と連携した。須田中学校と加茂小学校で、こいのぼりの口の部分にひもを通す「口ひも付け」の作業を児童生徒に手伝ってもらった。観光協会側が学校に出向き、加茂川の鯉のぼりの歴史や背景を伝えながら、一部のこいのぼりの口ひも付けを一緒に行った。
加えて真っ白な無地の鯉のぼりを贈り、両校それぞれ児童生徒から自由に絵付けしてもらったオリジナルこいのぼりも掲げられている。たくさんのこいのぼりの中に隠れキャラのように泳いでおり、探す楽しみもある。
1989年の“ゲリラ掲揚”から加茂の名物に
「加茂川を泳ぐ鯉のぼり」の始まりは1989年。地元有志が「加茂を盛り上げたい」と、夜中にワイヤー1本を張り、ゲリラ的に鯉のぼりを泳がせたのが最初だった。
それが好評を年々、こいのぼりのが増え、今の約500匹の規模になった。寄付されたこいのぼりは現在も多く保管されており、使えるものを選びながら毎年、掲げている。
かもこいマルシェは8日間 芝生はピクニックエリアに
会場では「かもこいマルシェ」も開かれる。ことしは4月25日(土)、26日(日)、29日(火・祝)、5月2日(土)から6日(水・祝)までの8日間で、雨なら中止の可能性がある。飲食やキッチンカーなどが日替わりで午前9時半から午後4時まで出店する。
マルシェはことし日数を増やした一方で、出店場所を集約する。これまで出店者のテントが並んでいた芝生部分は、鯉のぼりを眺めたり、写真を撮ったり、ブルーシートを敷いてくつろいだりできるピクニックエリアとして開放する。こいのぼりの景観を妨げず、家族連れがゆっくり過ごせるようにした。
また、ことしは協賛を受け付け、協賛者名を印刷したシートを会場に掲示している。
観光協会ではシーズン前に河川敷のごみ拾いも実施。空き缶などが写真に写り込むと見栄えが悪いだけでなく、子どもが河川敷に入った際のけがにもつながるため、マルシェ期間中も含めて随時、清掃を行う。
会場はJR加茂駅から徒歩約8分。新潟県観光協会の案内でも公共交通機関の利用が呼びかけられている。
加茂川の空を泳ぐ500匹の鯉のぼりは、ことしもゴールデンウイークの加茂を代表する風景になりそうだ。




