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弥彦村人口ビジョン・総合戦略を策定、村民債のような新しい資金調達方法も提案

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弥彦村総合戦略策定委員会(田中幸弘委員長・委員16人)は10月31日、委員会で策定した弥彦村人口ビジョン・総合戦略を小林豊彦弥彦村長に提出した。

小林村長(右)に弥彦村人口ビジョン・総合戦略を提出する弥彦村総合戦略策定委員会委員長の新大大学院・田中教授
小林村長(右)に弥彦村人口ビジョン・総合戦略を提出する弥彦村総合戦略策定委員会委員長の新大大学院・田中教授

委員長の新潟大学大学院実務法学研究科・田中幸弘教授が村役場を訪れ、「どうか今後の弥彦村、長い視点に立って持続的な成長を確保すべく改革を行っていただきたい」と小林村長に手渡した。

田中教授は、「村民と将来の方向感を共有したい」と、報告書のような堅い言葉が多くならないように工夫したことなど、内容を説明した。持続可能な弥彦村のため、人が住み続け、それに必要なインフラをどう共有して発展させるかに力を入れたとした。

4つのキーワードと3つの導線・動線の関連イメージ
4つのキーワードと3つの導線・動線の関連イメージ

“農業”、“観光”、“子育て”、“定住”4つのキーワードに、“人”、“物”、“知識・情報”の3つの“導線・動線”を重ね、つくりあげ、管理していく協働参画型で、それらを持続可能な一本の太い将来へのベクトルで貫き、「村には胸を張って進めていただきたい」と求めた。

目的のために複数の施策を村と村民が協働して関連づけて進められるような意識をもつよう提起しした問題解決型。村長の発案である、物や観光資源は地域を超えた連携を進めることは前面に打ち出した。地域のクラウドとも言えるもので、近隣や場合によっては海外とも連携し、ネットワークでつながってともに高めていくという発想は今の時代に必要な視点であり、「その発想を住民とどう共有するかは村の行政の手腕にかかかっている」。

具体的施策との関連図・俯瞰図
具体的施策との関連図・俯瞰図

なるべく人口を減らさずに独立して頑張ることについては、村民が自分たちの問題として考えてもらえればとまとめた。幸い弥彦村は観光や農業をはじめリソースに恵まれており、それらを村で一元化して頑張っていけるように委員会で議論を進めた。

さまざまな事業に必要な資金調達については、「資金を供与するほうの意のままに動くのはどうかと思う」とし、「この計画をベースにしたうえで目的のためにどういう資金調達の手段を掘り起こしていくかというところも工夫の余地がある」。ふるさと納税も資金調達のひとつで、「どう弥彦の独自色を出していくか、村長もこのあと考えていくのでは」と期待した。

田中教授は、新しい資金調達の方法を提案した。自身が研究したテーマのひとつに、「自治体に金を出すことによってプラスは生まれないが、形のうえは損失になるが税法上の対応で社会的な責任投資をしたのと同じような枠組みがつくれないかという形でやってたのがある」と示した。

小林村長に思いを話す田中教授
小林村長に思いを話す田中教授

例えば特定の事業のための村民債を発行し、実際に収益をあがらなければその一部を金を出した人が損失として取り扱えるようにする。損失が出た行為はふるさと納税のときと同じような発想で、目的の事業ごとにふるさと納税をやるような証券化の仕方と似ている。

金を出して村のために貢献し、税法上もマイナスを活用できる仕組みは、投資家のインセンティブになり、新しいファイナンスも検討の余地がある。村が進めようとしている木質バイオマス事業も、その事業に使うためだけの目的債を出すとか、証券化で金を集めることができる。

投資家はほかの案件と損益通算ができればいいので直接、その事業がもうからなくてもいい場合がある。村長が押し出している枠組みを変えて目的をひとつもって事業を進めるのは非常に財政の観点からも親和性がある。事業ごとに資金付けを行っていく、プラスの部分もマイナスの部分も、村と投資家で合理的な取り引きでもっていく。一般財政に影響をもたらさないようにもっていくことができ、「その辺は今後も少しご検討いただいたらいい」と展開に期待した。

小林村長は「一億総活躍のほうが前面に出て、地方創生が少し陰が薄くなってきている」と心配しながらも、人口ビジョン・総合戦略は「これから村が生き残って元気な村にするためには絶対に必要。しかも皆さんの意見を聞いてつくったので、国の動きがどうあろうともこれを確認して村づくりを進めていきたい」とした。

さらに「これをやろうと思ったら本当に大変だが、心配してもしようがない。前へ進むしかない。できあがったらすばらしいものになると思う」と確信。「問題は地方創生が少しトーンダウンすると公金、補助金をどうやって引っ張ってくるか」で、「とにかくわたしの人脈で使えるものは何でも使う」とした。

旧やひこ観光ホテルの廃墟の姿を見たいという声があり、廃墟見学ツアーを実施することにしたことについて「村が変わったことをやって元気なことをやっていると、いろんな声が出て来て弥彦は将来的にもうかるかもしれないから行ってみるかという人が出る可能性がある」と村の元気を外に向けて発信することの大切を話した。

委員会は産官学金労言の委員16人で構成。7月29日から10月29日まで4回の委員会を開いて弥彦村の人口ビジョンをA4判で30ページ、総合戦略を32ページにまとめた。

人口ビジョンでは、9月現在の村の人口は8,443人、65歳以上の高齢者が23.9%を占めるが、2060年の人口は小学校の各学年で30人クラスを2クラス以上を確保し、人口6,554人を目指す。何も対策を講じない場合、人口は6,005人となり、5歳から14歳の人口は462人で学年2クラス以上の確保は難しくなる。

総合戦略では、主な取り組みの基本目標として、「弥彦村の核となる農業の推進」、「弥彦村の資源を活用した観光の推進」、「ここで子どもを育てたいと思われる村づくり」、「住みたい村・住み続けたい村“弥彦”の実現」を掲げた。また、「生まれ変わる弥彦村」の実現に向けて、農業経営実践塾、旅館経営実践塾、弥彦の歴史継承、昔の門前町復活など村民と専門家が連携して「弥彦村塾」を開催する。

「弥彦村の核となる農業の推進」では、バイオマス事業で財源を確保して首都圏対象のマーケット開拓や農業の企業化に取り組。農業経営者を生産者でなく経営者として育成、グリーンツーリズムを推進する。

「弥彦村の資源を活用した観光の推進」では、弥彦神社を中心に観光産業を育成。近隣市町村と連携、モンゴルと交流。弥彦競輪は神社とタイアップしたインバウンドを促進する。

「ここで子どもを育てたいと思われる村づくり」では、村独自の婚活支援事業に取り組み、若い世代の出会いや交流を場を創出。子育てに関する助成、休日保育や延長保育で子育ての環境を整備する。

「住みたい村・住み続けたい村“弥彦”の実現」では村の魅力発信、就職支援を行う。空き家の情報提供やリフォーム費用の助成、若手アーティストの誘致、起業出店者の誘致、古民家・日本家屋の整備など空き家を活用する。おもてなし広場の活性化も図る。

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