三条市五明、パール金属株式会社（高波久雄社長）は、5日午後5時からハミングプラザVIP三条で新年会を開いた。このなかで高波社長は、取引先などから出席した430人を前に恒例のあいさつを30分にわたって行い、ことしは「イチローのように攻めて、走って、守り元気を出して頑張っていく」と、“攻め”をキーワードに、ことしのさらなる躍進を誓った。

430人が出席したパール金属の新年会

昨年は高波社長の父、高波久治郎会長が亡くなったために中止しており、ことしは2年ぶりで27回目の新年会。高橋一夫三条市長、嵐義明県会議員、渡辺勝利三条商工会議所会頭など来賓や取引先企業など430人が一堂に会した。

ステージに「積極的な“攻め”をスタート。」と大書した看板を掲げ、高波社長は約30分にわたり、昨年までの同社とそれを取り巻く経済環境、ことしの同社の方針と話を進めた。

なかでも中国に関する話題に時間を割き、中国製品が国内の空洞化を招いたものの、一方で中国は日本にとって巨大なマーケットに成長することに期待感を示した。高波社長のあいさつの骨子は次の通り。

高波社長のあいさつ

あいさつする高波社長

昨年の業界は日本経済が大不況のなか、安売り合戦でお客を取り合った。昨年9月11日に米国で起こったテロのすぐ後にマイカルの倒産で大打撃を受けたが、11月からジャスコが支援していくことで順調に動いている。しかし、私どもの家庭用品の業界は昨年だけで約30社が倒産した。

それから狂牛病。関係ないと考えていたら、すき焼き鍋、焼き肉鍋、しゃぶしゃぶ鍋がまったく売れなかった。安くしても売れない。逆に寄せ鍋や土鍋はすぐに品切れ状態になって商売の難しさを感じた。昨年、当社では多数の新製品の開発と人材育成を行い、200人の営業マンが頑張ってくれた。第3スーパーハブの完成で物流システムも整ってきた。

一昨年、大型店の立地法の施行で、これからはなかなか大型店が進出することができくなり、反対に小型店がどんどんできる。須頃にヤマダ電気ができたことで、ジャスコやサティの電気製品を食っている。ドラッグストアも大型店を食っている。小さい店は専門的になったから強い。コメリさんもどんどん出店し開店の応援には部隊をつくって行っている。

ジャスコの会長は、値下げをしてもうけろ、値上げしてもうけるな、と言っている。これからの商売はあらゆる合理化を図って粗利を取っていかなければならない。

新しい店ができていますが閉店する店もある。カルフールのように18兆円の企業や、世界一のウォルマートが日本に上陸し、ますます競争が激しくなる。反対にイトーヨーカドーやジャスコが中国に進出し、日本が中国製品に埋もれてしまう。

デフレの傾向で物価が下がったから中国製品が入って来た。不景気とはいえ出荷はすごい。しかし、売り上げが上がらないのは安いものが売れるから。日本の厳しい事情では高いものが売れない。

毎日、スーパーやホームセンターのチラシを見ているとこれ以上のアイテムないほどメイド・イン・チャイナ。ただ中国製品はクレームも多く、その解決の手間暇、出張、現金、利息などを考えると中国との商売は経費がかかる。中国製を扱うリスク、クレーム、パテントを考えると、もうからない。メイド・イン・ジャパンを売ろうとしているバイヤーもいる。

三条のものを三条で買おうという“バイ三条運動”のように、小泉首相がみんなで日本製品を買おうと言ってくれれば空洞化もなくなるだろう。中国では賃金が上がり始め、製品はこれ以上安くならない。中国はWTOに加入したことで今後どんどん発展する。これからは中国に日本製品を売る時代がくる。13億の市場をみんなが狙っている。

雪印の大きなクレームを聞いた時、胸にぐさっと刺さった。ことしの方針はクレームをなくすこと。クレームがついて返品になった商品が倉庫に入らない。クレームは誠意を持って即、対応していかなければならない。

健康、簡単、環境、感動、近距離の“5K”をコンセプトに毎年100アイテムの新商品を開発している。これらをしっかり売ってサービスしていきたい。これからは小回りのきく中小の時代。イチローのように攻めて、走って、守り、元気を出して頑張っていく。常にお客さまを喜ばせることが次につながる。世界企業を目指して更なる躍進をしていきたい。皆さま方にご協力いただくことを切にお願いする。

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