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初めての燕三条遺跡展「調理具と器から歴史をたどる」が燕市文化会館での燕会場展から始まり、現代の燕三条のものづくりの系譜をたどる (2010.10.29)

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三条市と燕市教育委員会は、10月29日から11月7日まで燕市文化会館で初めての燕三条遺跡展「調理具と器から歴史をたどる」を開いており、三条市と燕市から出土した調理具と器を中心とした遺物500点余りを現代のものづくりへと続く系譜という視点で展示している。

11月7日まで燕市文化会館で開かれている初めての燕三条遺跡展「調理具と器から歴史をたどる」燕会場展

11月7日まで燕市文化会館で開かれている初めての燕三条遺跡展「調理具と器から歴史をたどる」燕会場展

三条市と燕市は、燕三条ブランドの確立に向けて取り組んでいることもあり、信濃川によって文化や歴史が分断されていると思われがちな両市を一体化した地域として遺跡をとらえ、さらに現代のものづくりのルーツと位置づける、壮大なスケールの企画だ。

燕と三条の2会場で順に開き、今回は燕会場展。続いて三条会場展を11月18日から12月19日まで三条市歴史民俗産業資料館で開く。共通する展示物もあるが、燕会場展は古墳時代から江戸時代、三条会場展は旧石器時代から古墳時代が中心の展示だ。

5,000年前の縄文時代中期、長野遺跡(三条市長野)から出土した縄文土器の火焔型土器を復元して初めての公開

5,000年前の縄文時代中期、長野遺跡(三条市長野)から出土した縄文土器の火焔型土器を復元して初めての公開

1,3000年前の奈良時代前半、三角田遺跡(燕市松橋)の土師器の鍋

1,3000年前の奈良時代前半、三角田遺跡(燕市松橋)の土師器の鍋

600年前の室町時代、藤ノ木遺跡(三条市井栗)の鉄鍋

600年前の室町時代、藤ノ木遺跡(三条市井栗)の鉄鍋

現代の荒沢紀一さんがデザインしたステンレスの深型両手鍋

現代の荒沢紀一さんがデザインしたステンレスの深型両手鍋

今回のテーマに即した展示は「鍋」。メーンの展示物となっているのが5,000年前、縄文時代中期の長野遺跡(三条市長野)から出土した縄文土器の火焔型土器の復元品。7割くらい破片が見つかったものを専門業者に依頼して復元したもので、誰もが教科書で目にする火焔型土器の美しい造形は圧倒的な存在感を放つ。

「鍋」はこれをスタートに次が三角田遺跡(燕市松橋)の土師器の鍋。奈良時代前半の今から1,300年前のもので、今でいうボールのような形状だ。その次は藤ノ木遺跡(三条市井栗)の鉄鍋で、600年前の室町時代のもの。その鉄は今でも再現が困難とされるほど薄く、現代にも通用しそうなデザインは秀逸。

そして現代、地元洋食器メーカーのデザイナーの草分け、荒沢紀一さん(68)=燕市白山町1=が手掛けたステンレスの深型両手鍋へと続く。

さらに綾ノ前・菖蒲沢遺跡(三条市月岡)の現代では小刀とも言える「刀子(とうす)」、割前遺跡(三条市白山新田)の包丁、そして現代の包丁を年代順に並べる。小諏訪前遺跡(燕市米納津)の食べ物をすくう「杓子(しゃくし)」、吉野屋遺跡(三条市吉野屋)の「匙(さじ)」、燕市の小林工業製のデラックススプーンをまとめて展示。数千年の時を超えて燕三条のプロダクトデザイン対決が実現している。

今は別の市として歩んでいるが、そもそも三条、燕は村上藩三条陣屋の管内であり、歴史的な結びつきは深く、これを一体として歴史や文化をひもとくことの方が自然ともいえる。

驚くほど多様な平安時代の器

驚くほど多様な平安時代の器

今の三条、燕の金属加工産業は違った形に見えるが、室町時代の北小脇遺跡(燕市米納津)から出土した、ふいごと炉の間に取り付ける「羽口(はぐち)」をはじめ、燕三条地域の金属産業のルーツは同じ室町時代にさかのぼることがわかり、この地域を「燕三条」としてひとくくりに考えることは、その意味で先祖返りともいえる。

保内三王山古墳群(三条市上保内)の出土品のコーナー

保内三王山古墳群(三条市上保内)の出土品のコーナー

ほかにも三条市・保内三王山古墳群(三条市上保内)の出土品の三種の神器、平安時代の驚くほど多様な須恵器の器、さまざまな形状の壺(つぼ)など、見どころはたくさんある。

開場は毎日午前9時から午後4時半まで、11月2日は休館日。また、10月31日の午前10時からと午後2時から、11月3日の午後2時からの3回、燕市教育委員会生涯学習課の布施智也主任ら担当が展示説明を行うで、広く参加を呼びかけている。入場無料。