三条市に避難している福島県浜通り地域の子どもたちが4月にランドセルなどを贈ってくれた兵庫県豊岡市の中貝市長に直接、礼を述べて感謝 (2011.8.10)

東日本大震災で三条市に避難している福島県浜通り地域の子どもたちが9日、4月にランドセルなどを贈ってくれた兵庫県豊岡市の中貝宗治市長が三条市を訪れたことから直接、礼を言って感謝の気持ちを伝えた。

中貝市長は、この日午前9時から三条市役所で市職員向けの講演を行った。その会場に中貝市長が入場したところでサプライズ。会場内で待ち構えていた浜通りから避難している約20人が中貝市長に、避難している人たちが書いた手紙と、手作りの竹細工、三条六角巻凧をそえて手渡して感謝の気持ちを伝えた。

会場では、南相馬市の伊藤昭子さん(39)と遠藤菜波さん(11)の2人が代表して自分たちの書いた手紙を読んだ。三条小学校6年生になった遠藤さんは、「新品のランドセルありがとうございました。そしてトマトやピーマンなどの野菜もありがとうございました。とてもおいしかったです」と礼を述べた。

続けて東日本大震災のときは学校にいて、「ものすごい地震で、まわりの友達は泣いていました。家に帰ると家の中のものはすべて落ちていて壁にもひびが入っていました」、避難では「ランドセルや筆箱、大事なものすべてを家においてきました」。

三条市に避難して三条小学校に通うことになったが、「でもランドセルがありません」と心配していたときに、豊岡市からのランドセルを受け取った。6年生なのに「こんなぴかぴかな新品のランドセルをもらっていいのかなとおもいましたが、とてもうれしかったです」、「これからの1年間、このランドセルを大切にしていきます。友だちもたくさんできました。この新潟でできた友だちも大切にしていきたいです」と感謝の気持ちを伝えた。

伊藤さんは、豊岡市の心遣いは何事にも代えがたく、「生まれ育ったまちに私たちも一日も早く戻れることを願っております。温かい気配り、心配りをいただき、ありがとうございました」と礼を述べた。

中貝市長は、「大変感激をいたしました」、「福島県から避難してこられた皆さん、ほんとにお見舞い申し上げます。必ず復興はできます。わたしたちはそのために、ずっとずっと支援をしてまいりますので、どうか希望をもちながら、この地でも、一日一日の暮らしを大切にしていっていただければ」と励ました。

また、被災者を一生懸命に支援する三条市民にも敬意を表す一方、再び水害に襲われたことを見舞った。

さらに「きょう午後、東京で（秋篠宮妃）紀子さまにお会いすることになっていますので、福島からの皆さんのお気持ちはしっかり伝えたいと思っています」。

中貝市長は、阪神・淡路大震災と台風23号による大水害の2つの災害を体験したと言い、最大の教訓は「人と人とのつながりが人間を救う」、「同じように被災された方たちのことが他人ごとではないと思っている」、「横のつながりを日本全体に広げていければ」と話した。

兵庫県豊岡市は、7・13水害と同じ年の平成16年（2004年）9月に台風23号で大きな水害を経験。大きな水害を体験した全国の自治体の市町村区長が集まる「水害サミット」では、三条市の国定勇人市長と豊岡市の中貝宗治市長はともに中心メンバー。

そういった縁もあり、避難先の三条市内の小中学校に通う子どもたちのために、4月の入学式や始業式を前に新品のランドセルや手提げかばんをプレゼントした。その後も、三条市と避難している人たちとの交流イベントに、同市のコメ「コウノトリ米」や野菜、但馬牛10キロを送り、今回の水害でも飲料水2,000本を救援物資として三条市に送った。

中貝市長は、前日8日に三条市を訪れ、国定市長を訪問したあと水害の被災地を視察、9日朝、三条市職員への講演を行ったもの。

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