三条市がガンバレGO徳!!パブリックビューイング、酒井高徳選手は後半からピッチに立ち、スペイン相手に大金星の歴史的瞬間を約260人が共有し、見届ける (2012.7.27)

ロンドン五輪男子サッカーで日本代表が初戦でスペインを破った26日深夜、代表入りした三条市出身の酒井高徳選手（ドイツ・シュトゥットガルト所属）を応援しようと三条市がパブリックビューイングを行った会場の三条市総合福祉センターは勝利が決まった瞬間、熱狂に包まれた。来場した約260人は三条市出身選手で半世紀ぶりの五輪の舞台へ出場、優勝候補の強豪スペインを相手に大金星というまさに歴史的な瞬間を共有し、見届けた。

試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、酒井選手の父、酒井幸一さん(58)は飛び上がって喜んだ。大げさではなく文字通り幸一さんの体は宙に舞った。

国定勇人三条市長、酒井高徳後援会の須佐茂男会長、幸一さん、酒井選手の母ヌーバー・アンジェリカ・マリールーさん(59)と最前列で席を並べて観戦した。

前半は両チームとも様子を見るようなこうちゃくした試合展開だった。午後10時45分キックオフ。あくびする人もあったが34分、試合が動いた。コーナーキックからセットプレーで日本が先制する。歓喜が爆発した。

日本の1-0のままハーフタイムを迎えた。誰もがこのまま終わるとは思っていなかった。須佐会長も「2-1で日本の勝ち」と日本の勝利を信じながらもスペインが不発に終わるとも思っていなかった。

酒井選手が先発しないのは想定内だったが、会場を訪れたファンはなんとか五輪のピッチに酒井選手が立ってほしいという期待感が高まる。テレビ解説の「酒井ですか…？」の声に酒井選手が交代の準備を始めたのかと会場が色めき立ったが、先発の酒井宏選手が体を痛めているとわかると、ため息。

しかし、酒井宏選手と酒井高徳選手はポジションが重なる。酒井宏選手が自ら試合続行不可能をアピールすると、交代で呼ばれたのは酒井高徳選手。74分、ついに酒井選手がピッチに駆け込むと、会場は大歓声にわいた。

テレビで酒井選手が大きく映されるたびに歓声と鳴り物付きで「さーかーいっ！」のコール。ルーレットのような足技でボールが足から離れるシーンもあったが、それもご愛敬。酒井選手は無難にディフェンスをこなした。

日本は再三、決定機を迎えながらも得点できない。90分が終わってロスタイムは予想外に長い4分。じりじりと時間が過ぎるのを待ち、1-0のまま酒井選手はピッチの上で終了のホイッスルを聞いた。

会場の人たちは両手を振り上げ、抱き合い、拍手して無我夢中で喜びを爆発させた。勝利のあいさつのマイクを向けられた国定市長は、興奮で声を上ずらせ、目に涙を浮かべて言葉にならない。とにかく「万歳！」を繰り返すよりほかなかった。

試合後、まだ興奮冷めやらないまま国定市長がコメントしてくれた。コメントの動画とその全文は次の通り。

【コメント】いやー、ほんとに良かったですよ。1対0でした。わたしはですね、正直スペインに勝てるとは思ってませんでした。そしたら酒井高徳の後援会長に怒られました。2-0で勝てるっていうふうに後援会長は言ってたんですね。わたしはできれば引き分けだと思ってましたけれども、1-0で勝てるとは思いませんでした。しかも、高徳がちゃんと出場して、で勝ち取った勝ち点3ですかから、あと2戦を期待してますし、じゃあ本選出たらパブリックビューイングどうするんだという言葉を聞いてますけれども、ちょっと前向きに検討したいかなというふうに思っています。