燕市が誘致を進めた第10回加工技術の進歩に関する国際会議（ICPMT2012）が開会、27日までの3日間、燕三条地場産センターで日中の研究者68人が研究成果を発表 (2012.9.25)

燕市が誘致を進めた第10回加工技術の進歩に関する国際会議（ICPMT2012）が25日から27日までの3日間、燕三条地場産業振興センターで開かれており、日本の47人と中国からの21人の合わせて68人の研究者が参加して25日午前9時半からのオープニングセレモニーで開幕した。

初めて燕市を会場に開かれている第10回加工技術の進歩に関する国際会議、ICPMT2012のオープニングセレモニー

生産加工に関する広範囲のテーマを扱う国際会議でほぼ1年おきに日中の都市で開かれており、日本で過去に大阪や島根県で開かれたことがあるが、東日本での開催は今回が初めて。日本の精密工学会と中国の北京航空航天大学、燕市が主催する。

左から京大工学博士の鳴瀧則彦広島大教授、北京航空航天大学の陳教授、鈴木燕市長

オープニングセレモニーで議長に就く京都大工学博士の鳴瀧則彦広島大学教授は「燕市をはじめこの地域は工業的な地域で、たくさんのことを学び、議論してほしい」、北京航空航天大学の陳鼎昌（チェン・ディンチャン）教授「わたしの感じたことを中国の友だちに伝えたい」とあいさつ。鈴木力燕市長は燕市の工業の歴史や現状、国際会議にあわせて地域の産業紹介を目的に同じ会場で燕三条ものづくり連携フォーラムを企画したことを話し、「今回の国際会議が有意義なものになること」を願った。

記念写真のあと、キーノート講演に始まり、切削、研磨、CAD/CAM、表面処理、特殊加工など1日2回のセッションが行われるほか、燕市周辺の名所などを散策、見学するレディースプログラム、26日は午後から燕市内の企業見学のあとバンケットも行う。最近の日中緊張で中国側から出席のキャンセルが何人かあった。

会場の前で記念撮影

会議は非公開のこともあり、燕三条地場産業振興センターでは同じ3日間、燕三条ものづくり連携フォーラムを開く。25日午後0時半から開会式を行って始まり、各種のセミナーが行われる。注目は26日午後3時から燕市主催で行う特別講演で、日立製作所の社長、会長を歴任した庄山悦彦相談役を講師に「世界に向けた日本のモノづくり」のテーマで聴く。セミナーの内容は次の通り。

25日（火）13:00～13:45 （ロボットデモは14:30まで）
福祉ロボット関連セミナー（主催:（財）燕三条地場産業振興センター）
講師：NPO法人UD21にいがた代表理事秋元幸平氏（（株）青芳製作所専務取締役）
ロボットスーツHALなど、福祉や医療現場で使われているロボットの現状を新潟県での事例を交えて講演、必要とされていく周辺機器について解説。ロボットスーツHALのデモンストレーションを行い、聴講者も実際に体験できる。

25日（火）14:00～15:30
タイビジネスセミナー（主催:（財）にいがた産業創造機構）
講師：東京ディベロップコンサルタント（株）中根雅裕氏
タイ・バンコクで日本企業の進出サポートを手掛ける中根雅裕氏を講師にタイの最新状況や今後の展望、日系中小企業の現地進出サポートの実例から進出メリット、デメリットなどを解説。セミナー終了後に講師による個別相談会も。要予約。

26日（水）10:30～12:00
台湾ビジネスマッチングセミナー（主催:（財）燕三条地場産業振興センター／台湾工業技術研究院）
講師：台湾工業技術研究院施武陽氏ほか
台湾工業技術研究院は、科学技術振興のために各種研究を行っているだけでなく、民間への技術移譲や国外企業とライセンス契約を取り付け、台湾企業へサブライセンスするなどの活動を行ってる。セミナーでは台湾企業と日本企業のさまざまな形でのビジネスマッチングについて、台湾企業からも直接プレゼンテーションを行う。通訳付き。

26日（水）13:30～14:30
ものづくり中小企業の国際化戦略（主催:（財）燕三条地場産業振興センター）
講師：東京経済大学専任講師山本聡氏
ものづくり中小企業が直面しているグローバルな産業構造の変化を「国際化するものづくり中小企業の姿」の観点から講演。そのなかで中小企業の介在するものづくりが、どのように国内に残っていくかを考え、その際、「測定・解析」に代表される科学的なものづくりにも焦点を当ててる。

27日（木）10:30～11:30
50年のプレス金型製作の当社の歴史と現状（主催:三条市成長産業分野進出研究会,(財)燕三条地場産センター)
講師：（株）ツバメックス取締役社長賀井治久氏
自動車用のプレス金型メーカーである同社の50年の歴史を振り返るとともに、海外進出、海外企業との競争など、現状について講演。三条市の成長産業分野進出研究会と共催でオープンセミナーとする。