第46回総選挙新潟県第4区の雑感 (2012.12.17)

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「美人コンテスト」と揶揄する声もあったが、新潟4区は戦前から事実上の女性候補者対決だった。3期9年間の実績を掲げた菊田真紀子氏(43)=民主・前=に、自民党県連の公募で応募した金子恵美氏(34)=自民・新=が挑んだ。結果は金子氏80,514票に対し、菊田氏66,457票。大票田の三条市をはじめ、すべての開票所で金子氏の得票が菊田氏を上回り、金子氏の完勝だった。

当選確実が伝えられて目をうるませてあいさつする金子氏
当選確実が伝えられて目をうるませてあいさつする金子氏

第46回総選挙の選挙戦フォトアルバム

5月から毎月開かれた三条市の三条マルシェへ取材に行くたびに、母と一緒にあいさつ回りをする金子氏に会った。それまではイベントで見かけるていどだった。三条マルシェではあいさつを交わすていどで、人柄さえ知るのは難しく、ましてや見識や能力など知る由もない。

公示前夜に開かれた新津JC主催の公開討論会は貴重な機会だった。立候補した4人がパネリストを務め、事前に用意された質問について持論を展開した。政権与党で外務政務官も務めた菊田氏の体験に基づく説得力には到底かなわないが、論理的な歯切れのいい話しぶりだった。加えて菊田氏や民主党に対する当てこすりや、菊田氏に指摘された部分をその場で反論する瞬発力もあり、ひるまずに菊田氏と堂々と渡り合い、大器の片鱗を見せた。奇しくも菊田氏の初当選も今の金子氏と同じ34歳のときで、新しい世代の胎動を感じさせる。

新津JC主催の公開討論会で金子氏と菊田氏が対決
新津JC主催の公開討論会で金子氏と菊田氏が対決

自民党選挙対策局の援護射撃がすごかった。党の大物を次々と4区への遊説に投入した。片山さつき、小池百合子、中曽根弘文、鴨下一郎、石破茂、終盤になって小泉進次郎、麻生太郎と豪華なラインナップ。あらためて自民党の玉の多さに圧倒された。

戦前から自民圧勝の予測が伝えられた。新潟県では民主党が勝てるとすれば4区くらいしかないと言われる情勢に、菊田陣営は守勢に回った。総決起集会では、政権交代前の約束が果たせなかったことをわびた。前原誠司国家戦略担当大臣を前に、支持者が談判状を読み上げて民主党を批判する“ガス抜き”の奇策も。

選挙戦終盤になって、その構図はさらにくっきり。いずれも涙の訴えになったが、もう少しで勝てるという金子氏に対し、このままでは落選してしまうという菊田氏の悲痛な訴えには追われるものの厳しさがありありだった。

開票を待つ両陣営のムードも正反対。金子陣営は結婚式場にも使われる会場を借りたこともあり、勝利を期待するわくわく感に包まれた。200人ほどが集まった金子陣営に対し、菊田陣営は100人ほどと少なかった。言葉が少なく、重い空気が漂った。振り返れば、選挙の当落予測を気にする余り、これまでのようなイケイケな雰囲気が陰をひそめた気がする。

選挙戦、目に涙をためて支援を求める菊田氏
選挙戦、目に涙をためて支援を求める菊田氏

国定勇人三条市長は菊田氏の演説会であいさつするなど、菊田氏にあからさまに肩入れした。菊田氏側から強い要請があったとはいえ、首長としてこれだけ特定の候補を応援するのは珍しい。しかし、民主党の意向に寄らず国定市長の思いを国政に反映させようと奔走してくれた菊田氏には大きな借りがあり、その力をこれからも三条市は必要としている。そうしたロジックで国定市長は菊田氏を応援した。

この衆院選でも市長選のしこりが顔をのぞかせた。反国定市長の組織の多くが金子氏支持に回った。金子氏有利の下馬評のなかで国定市長が菊田氏支持に回るのは大きなリスクだったが、菊田氏が比例区で踏みとどまったことで、地元から2人の代議士が誕生。なんとも強運な国定市長だ。

金子氏の応援に小泉進次郎氏が訪れたときのイオン県央店前
金子氏の応援に小泉進次郎氏が訪れたときのイオン県央店前

全国レベルで見た個人的な感想を率直に言えば、自民党が勝ち過ぎ。自民党は単独過半数を大きく上回り、自公で320議席、参院で否決された法案を再可決できる3分の2を超えた。

14日に金子氏の応援に訪れた麻生太郎元首相は、今回の選挙の争点ははっきりしている、「この3年3カ月間の民主党の実績が問われてる」と言った。まったくもってその通りだが、それだけで割り切れない部分もある。国民の過半数が脱原発に賛成と言われるが、自民党の基本路線は原発推進。自民党の大勝は原発推進に国民からお墨付きをもらったと言われたら、国民は納得するのだろうか。自民党は勝って当然だが、ここまでの大勝は国民が期待したものだろうか。

金子氏の応援に訪れた麻生元首相
金子氏の応援に訪れた麻生元首相

民主党のマニフェスト破りで、マニフェスト選挙が一気に色あせたが、それほど捨てたものではないと思う。民主党はマニフェストで勝ち、マニフェストで負けた。掲げたマニフェストを国民が支持し、それなら政権を任せてみようとなった。しかしマニフェストの多くは実行できなかった。それなら政権から下りてもらいましょうと。「うそつき」という、子どもにでもわかる投票の判断材料を与え、今回の惨敗になった。結果的にマニフェストは見事に機能した。

さらに言えば、民主党は小沢一郎氏の政治家生命を延命させたのではないだろうか。マニフェストは小沢・鳩山ラインが主導したはずだ。小沢氏が民主党にとどまっていたとしてもマニフェストの多くは実現できなかっただろう。「うそつき」呼ばわりされるのは小沢氏のはずだったが、民主党から追われたことでそれを免れたのは皮肉だ。もっとも民主党がマニフェストから大きくかじを切る時点で解散、総選挙すべきだったわけで、自業自得だ。


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