誰もが三条マルシェを作れるレシピ本と言える三条マルシェの実績報告書が完成、現場の具体的なノウハウを惜しみなく公開 (2013.5.14)

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全国どの自治体でもこの1冊で三条マルシェが開催できる「三条マルシェのレシピ本」と言える「〜三条マルシェ〜ごった市@ホコテン」の実績報告書がこのほど完成。これまでの三条マルシェで培ったノウハウを現場レベルで公開しており、しかも1冊1,000円で販売するという冒険的な報告書になった。

1冊1,000円で販売している「〜三条マルシェ〜ごった市@ホコテン」の実績報告書
1冊1,000円で販売している「〜三条マルシェ〜ごった市@ホコテン」の実績報告書

報告書はA4判、84ページのフルカラー印刷で、ひとまず350冊作成した。前半は平成22年度から24年度までに開催した16回の三条マルシェを文字に頼らず写真をたっぷり使った。三条マルシェの関係者や出店者はもちろん、来場者からも楽しく振り返って読んでもらえるようなレイアウトで、いわゆる“報告書”の堅苦しさとは無縁だ。

本領は後半、「マニュアル/マルシェのレシピ」だ。タイムスケジュールや三条マルシェ実行委員会の年表に始まり、事務局、交通・地域対策班、出店者募集班、会場設営班など9つの部門分けてそれぞれのマニュアルを収録した。

これまでの三条マルシェの実績を写真をふんだんに使って紹介
これまでの三条マルシェの実績を写真をふんだんに使って紹介

例えば交通・地域対策班は、自治体、住民、業者に対する地域対策から設備借用交渉、道路使用許可申請、警備計画、交通対策、駐車場対策といったように、それぞれの部門が開催日から逆算していつ、何を、どうすればいいかという手順を現場のレベルで具体的に記述。三条マルシェで積み上げたノウハウを凝縮し、これから三条マルシェのようなイベントを始めようとするすべての人にとって、のどから手が出るほどほしくなる情報が詰まっている。

三条市は2010年9月から冬期間を除いて月1回のペースで三条マルシェを開いている。大ざっぱに言えば中心市街地の活性化を目的に市街地を歩行者天国にして開く青空市。民間をまじえて実行委員会形式で企画、運営する。2012年10月の開催は9万3,000人が来場して来場者通算30万人を達成。高校生ボランティアを中心とした三条マルシェをサポートする「マルシェ部」も誕生し、県内はもちろん、県外からも注目を集める事業に成長した。

後半は「三条マルシェのレシピ」でこれまで培ったノウハウや手の内を明かす
後半は「三条マルシェのレシピ」でこれまで培ったノウハウや手の内を明かす

三条マルシェのスタート当初から指揮をとった三条市経済部地域経営課の恋塚忠男課長は「毎回、紙1枚の報告書は作って反省会で使ってきましたが、それをまとめた報告書は構想2年、ようやく完成しました。なかなか時間がなくて」と振り返る。

報告書の作成を計画したのは、「だれでも三条マルシェをつくれるようにしたかった」から。年度替わりに同課の職員が職員が異動する。「そのときになって“三条マルシェが動かなくなりました”では困る。誰がいなくなっても継続できるよう、気付いたことは極力、入れました」と恋塚課長。組織としての継続性を確保するのが最優先の課題だった。

三条マルシェをスタート当初から指揮してきた地域経営課の恋塚課長
三条マルシェをスタート当初から指揮してきた地域経営課の恋塚課長

培ったノウハウを出し惜しみする気はさらさらない。「これを読めばどこのまちでも三条マルシェができます」と恋塚課長が言い切るほど、報告書の情報量には自信がある。「だからサボったらすぐによそに追い付かれる。ほかの自治体が本気になればすぐに三条マルシェ以上のものができる」と言いつつ、「その危機感をもっていれば、うちの職員はさらにそれ以上のものがつくれる。いい情報源をもっているからで、それは実行委員会だったり、市民だったり」と職員を鼓舞し、市民の力を信じている。三条マルシェを生み出した個の力の結集に感謝して、最後のページには「関係者名簿」として実行委員会と地域経営課職員のすべての名前を掲載した。

三条マルシェに感化されて隣りの燕市は昨年、「つばめるしぇ」をスタートした。ほかにも県内の複数の自治体から三条マルシェと同じものをやりたいという問い合わせがある。青森県・青森市新町商店街振興組合は、三条マルシェで見た高校生による書道パフォーマンスに感動し、地元のイベントでも採用した。

最後のページには三条マルシェ関係者一人ひとりの名前を掲載
最後のページには三条マルシェ関係者一人ひとりの名前を掲載

報告書を有料にしたのも、実はほかの自治体に対するメッセージが込められている。報告書が有料とは異例だが、販売収入は実行委員会の収入に回すことにした。「そうやって三条マルシェの経費を捻出することもできることを見せたかった」と恋塚課長はこともなく話す。

すでに三条マルシェが育てた種は、市外へ飛んでいって、さまざまな芽を出し始めている。報告書はそれを加速させそうだ。俯瞰して見ると、国は地方自治体を対象にモデル事業を行ってその事例を全国に広めていくが、三条マルシェのレシピの公開は、国が主導するのではなく、地方から地方を変えていく新しい時代の地方のあり方を見せてくれているようだ。

三条マルシェを重ねるなかで、想像もしなかったような化学反応が次々と生まれた。「こんなこと、あんなこともどうかと付け足してきました。終わりがない。三条マルシェは何を目指しているのかと聞かれると“わかりません”と答えます」と恋塚課長。三条マルシェの未来は誰にもわからないし、みんなで未来をつくっていく。


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