燕三条地域の若手農家でつくる「燕三条イタリア野菜研究会」(内山徳寿会長・30人)は27日、三条産の小麦粉でパンを作りたいという要望に応えて栽培した小麦の収穫を行った。燕三条地域の若手農家でつくる「燕三条イタリア野菜研究会」(内山徳寿会長・30人)は27日、三条産の小麦粉でパンを作りたいという要望に応えて栽培した小麦の収穫を行った。
昨年10月、三条市戸口地内の田んぼ約5,500平方メートルに小麦の種をまき、いよいよ麦秋、収穫のときを迎えた。収穫のこの日は、まぶしいほどの青空の下、小麦畑はまさに小麦色に染まっていた。
研究会メンバーなど10人ほどが見守るなか、内山会長がコンバインに乗って刈り取り。コンバインはイネの収穫と同じ機械で、装備されている「米モード」を「麦モード」にシフトし、あとは米の収穫と同じ要領だ。
内山会長にとっては、初めての小麦の収穫し、小麦の栽培、収穫が「できるんだな」と実感した。今春は雨が少なく、野菜の生産には困ったが、小麦は良かったとか。来シーズンは、内山会長は作付け面積を縮小して再び小麦を生産するほか、研究会のほかのメンバー1人も初挑戦すると言う。
収穫した小麦は、乾燥させてから検査し、新潟市の製粉会社で製粉。約1トンの小麦粉になる見込みで、依頼を受けたパン店「サン・フォーレット」=三条市北入蔵2=に納めるほか、パスタやケーキ用に個人にも販売する。また、100%三条産のカレーラーメンを作ろうという「燕三条ラーメン王国」関係者からの引き合いもあったようだ。
収穫に立ち会った「サン・フォーレット」のスタッフは、この小麦を使って「おいしいパンができるようにスタッフの意見やアイデアを聞きながらみんなで作り上げていく」と言い、「お客さんに喜んでいただき、三条地域産の麦が増えていってくれたら」と期待する。この小麦を使った商品の発売は8月を見込み、小麦の香りが出るような製法で作りたい考えだ。
研究会は、伝統的な野菜とあわせ、レストランや料理店などからのニーズにあわせてイタリア野菜をはじめ、手がけたことのない農作物の生産に挑戦しており、今回の小麦も挑戦のひとつ。「サン・フォーレット」から、県内には小麦粉の生産者が少なく、三条産は手に入らなかったことから研究会に栽培を依頼した。