燕市産業史料館でケトル展、ステンレス製ケトル第1号、金字塔の「K-1」も (2015.1.10)

燕市産業史料館では、9日から2月1日まで同史料館でケトル展を開いており、歴史やデザイン、機能、製造技術と多様な視点から地元燕市で製造されたものを中心にケトルを展示している。

燕市産業史料館で開かれているケトル展

31のケトルを展示している。燕市で西洋のケトルが製造されるに至るバックボーンになったのは、伝統工芸の鎚起銅器の技術。燕の鎚起銅器の老舗、玉川堂の三代玉川覚平が百年余り前の明治40年（1907）に製造した湯沸かしからある。

玉川堂の三代玉川覚平が明治40年に製造した湯沸かし

今もケトルを製造する燕市の玉虎堂製作所が昭和21年（1946）に製造した第一号小型湯沸かしは、国内初のステンレス製ケトルと思われる。そしてデザインや機能の美しさから国産ケトルの金字塔ともいえる燕市の小林工業が昭和50年（1975）に製造した「ラッキーウッド　ケトル　K-1」。ほかにもさまざまな形状や色、アイデアを凝らしたケトルが並ぶ。

初めてのステンレス製ケトル、燕市の玉虎堂製作所が昭和21年に製造した第一号小型湯沸かし

さらにスペースの都合で企画室に展示できなかったが、一般展示室に玉虎堂が今も製造する1リットルから10リットルまで、10個の内容量の違うステンレス製ケトル10個をマトリョーシカのようにずらりと並べる。当たり前に日常生活に存在するケトルだが、ずらりと展示することで今までとはまったく違ったイメージでケトルをとらえられるはずだ。

高い次元で機能性やデザインを融合させた逸品、燕市の小林工業が昭和50年に製造した「ラッキーウッド　ケトル　K-1」

会期中のイベントとして2回のMINI講演会を開き、12日午後2時から燕商工会議所の大口一英さんが「『ケトル』を語ってみました」、2月1日午後2時から同史料館の齋藤優介学芸員が「『やかん』を語ってみました」をそれぞれテーマに講演する。参加の予約は必要なく、入館券だけで参加できる。

玉虎堂が今も製造する1リットルから10リットルまで、10個の内容量の違うステンレス製ケトル10個がマトリョーシカのようにずらりと並ぶ

午前9時から午後4時30分まで開館、会期中の休館日は13日、19日、26日。入館料は一般300円、小中学生100円、小学生未満無料。土、日曜と祝日は市内の小中学生と付き添いの保護者1人が無料。問い合わせは同史料館（電話：0256-63-7666）へ。