「まちづくり×映画づくり」をテーマに岐阜県恵那市の映画を使ったまちづくりについて聞く (2015.8.21)

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今年度、中編映画制作に取り組んでいる燕三条青年会議所(石黒良行理事長)は13日、燕三条地場産業振興センターリサーチコアで公開例会を開き、「まちづくり×映画づくり」をテーマに映画を使ったまちづくりに取り組んだ岐阜県恵那市の「えな“心の合併”Project」にかかわった2人によるトークセッションを聞いた。

左が映画「ふるさとがえり」を撮った林広樹監督、右がプロジェクトをけん引した「非営利活動法人えなここ」の小板代表
左が映画「ふるさとがえり」を撮った林広樹監督、右がプロジェクトをけん引した「非営利活動法人えなここ」の小板代表

このプロジェクトでは、恵那市を舞台に映画づくりでまちづくりをしようと、05年に構想が始まり、10年夏にクランクイン。2011年公開の映画「ふるさとがえり」として完成した。映画の制作にあたった、映画を使ったまちづくりを推進する有限会社Fireworks代表取締役の林広樹監督とプロジェクトをけん引した「非営利活動法人えなここ」の小板潤治代表の2人がトークセッションを行った。

ふたりは互いに話を補足するような形で映画づくりのプロセスを順を追って話した。小板代表はプロジェクトを始めるころ地元青年会議所で理事長を務めるなどしていた。恵那市は平成の大合併で04年に6市町村が合併して恵那市となった。合併があつれきになっていて、とくに旧市町村の職員が異動するとその問題が大きくなるなか、行政マンが何か市民の心をつなげることができないかと林監督に会いにいったところから始まった。

50年前に名画「青い山脈」のロケーションが恵那市で行われ、年配の人はそのエピソードを誇らしく話している。「ぼくらも50年先に伝える映画ができるかもしれないがきっかけだった」と小板代表。

林監督は「ふつうの映画は、つくりたい映画があってロケ地を選ぶ」。まちづくりのための映画はロケ地が先に決まっている。そこから試行錯誤が始まった。プロジェクト名は“心の合併”とあるが、言い換えると「心がばらばらですよと宣言していることになる」。それほど市民の関係性が閉じていた。

思いつきで始めたので、最初からの賛同者はいない。組織をつくるのはやめ、行政から一銭ももらわずにスタートした。最初にやるべきことはつながることで、ひざをつきあわせて酒を飲むところから始めた。自身がよそ者であることが最初の壁だったが、だんだん理解者、協力者が増えた。

小板代表もどんな形でもいいからかかわりあいをつくりたかった。市民から何らかの形でかかわってほしいと思い、どうしたらみんなが映画を自分事と思うようになってくれるか考えた。

具体的には祭りをジャックし、そこでPRをさせてもらい、映画をつくりたいと言い続け、個人の参加にこだわった。企画、脚本があって始まるのがふつうだが、シナリオもなく、まったくのゼロからのスタート。逆に手間暇をかけることでかかわりたいと思った。

100人余りが聴く
100人余りが聴く

まだシナリオもない映画の予告編をつくり、そのなかに市民の応援メッセージを入れたのが成功した。撮影中はいろいろなものが足りず、町中が借り物競走のようになった。小板代表は「問題が起きることが参加にもつながった」、「映画づくりにギブ・アンド・テークはない」、林監督は「映画ができてまちが変わるのではなく、つくる段階から変わってくる」。

一部、一般来場者も含む100人余りが出席した。なるほどと思う話が多く、これから映画づくりをまちづくりにつなげようとプロジェクトを進めている燕三条JCの会員にとっては、まさにまちづくりに成功した好例で、熱いふたりの話に聞き入っていた。

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