燕南小6年をエースに擁する中之口ジュニアが全日本バレーボール小学生大会男子で県勢初の優勝 (2015.8.31)

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11日から14日まで東京などで開かれた第35回全日本バレーボール小学生大会の男子で、燕市の小学生を主将であり、エースアタッカーに擁する新潟市西蒲区中之口地区の中之口ジュニアバレーボールクラブが県勢初の優勝を飾った。

第35回全日本バレーボール小学生大会の男子で県勢初の優勝飾った中之口ジュニアバレーボールクラブ
第35回全日本バレーボール小学生大会の男子で県勢初の優勝飾った中之口ジュニアバレーボールクラブ

大会には全国の都道府県代表の48チームが参加。16組に分かれて予選リーグを行い、中之口ジュニアは3組1位となり、4組1位の帯広JJB(北海道)との準々決勝進出戦に勝って決勝トーナメントに進んだ。

決勝トーナメントでは、準々決勝でみまた(宮崎)、準決勝で島門Jr(福岡)にストレート勝ちし、決勝ではますらお(茨城)にフルセットの接戦の末、2-1で勝利し、優勝を決めた。

中之口ジュニアは1人の選手交代も行わずに全試合、6年生5人と3年生1人の6人の固定したレギュラーで戦った。決勝の対戦相手のますらおは、7月に練習試合で対戦したばかりだった。選手のけがもあって戦力が落ちていたこともあるが、3セットを行って全敗。いやな相手だった。

チームの得点源は、主将の燕南小学校6年坪谷悠翔君も「最後まで勝てると思わなかった」と正直に打ち明ける。第1セットは15-15までいく接戦を制し、21-16でとれたのが大きかった。監督の会社員板井勝さん(44)=中之口地区=は「いつものプレーができ、安心して見ていられた」。

=エースアタッカーの坪谷君(中央)
エースアタッカーの坪谷君(中央)

第2セットは11-21で落としたが「わたしより子どもの方が勝負にこだわっていた」と言い、15点先取の第3セットに向かう選手に気落ちはなかった。「あとは技術ではなく、プレッシャーに打ち勝つ精神力が強いチームが勝つと思った」。11-11と並んだところで、坪谷君のスパイクがそれまで取れなかったワンタッチを誘い、勢いにのってとんとんと得点。最後は坪谷君のスパイクで試合を終わらせた。

身長167センチの坪谷君が繰り出すスパイクは、超小学生級。テレビで観たバレーボールにあこがれてバレーボールができるところを探し、保育園年長児で中之口ジュニアに入部した。坪谷君にとって全国大会は小学校2年生の初めてベンチ入りし、ゲームに出場したのは今回で3回目だった。

自分のスパイクで全国優勝を決めた瞬間も、優勝の実感はなかったが、時間がたつにつれて喜びがわき上がっている。自身も調子が良く、「声を出してみんなでプレーできたのが良かった」と振り返る。「将来は全日本の選手になりたい」と言い切り、中之口中学校へ進学を希望している。また、坪谷君の弟、燕南小3年陽向君もレギュラーとして出場した。

中之口地区は旧中之口村の時代からバレーボールが強いことで知られる。中之口ジュニアは1990年に中学校バレーボール部の先生が創部した小学生のバレーボールクラブ。全国大会出場は今回で11回目で、過去最高位は8年前のベスト8。県内のバレーボールは全国でも下位にあり、今回の大会での優勝が県勢初だけではなく、全中やインターハイを含めても県内の高校生以下のチームが全国大会で優勝したのは、おそらく初めて。

中之口中学校体育館での練習のようす
中之口中学校体育館での練習のようす

全国大会に優勝するようなチームは、選手層が厚い恵まれた環境にあると思われがちだが、中之口ジュニアは、2年前に部員がわずか3、4人まで減り、廃部の危機に直面していた。横越ジュニアとの合同チーム、新潟ジュニアで大会に臨んだのもつい最近。和太鼓を習っている子どもを勧誘するなど、部員の増強に力を入れ、今では14人がクラブに登録する。レギュラーの大半は勧誘の成果だ。

練習試合で県外への遠征もある。遠征の費用が負担となるが、部員の知り合いなどが燕、中之口ですすんで店内に募金箱を設置している店が数店ある。小学校を卒業した部員もクラブの練習に良く顔を出して後輩を指導してくれる。

3年前に監督からコーチとなって指導を続ける燕市の会社員西村誓さん(60)は「地域の人で中之口ジュニアのことを知らない人がいないというくらい知られている。部員に声かけ、応援して、支援してくれるいい地域と思う」と言い、地域が支えるチームだ。

5年生部員はひとりもなく、来年は6年生がゼロに。チーム力の低下は仕方ないが、2年越しでチームづくりに取り組む。一方で優勝メンバーのほとんどが来年は中之口中学校バレーボール部に進むので、来年以降の同部の活躍にも期待が膨らむ。

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