三条市は、三条市体育文化センターが耐震診断の結果、震度6強以上の大規模地震で崩壊の危険性が高いことがわかったため、12月1日から原則として利用を中止する。耐震診断を受けて三条市がただちに施設の利用を中止するのは今回が初めて。
30日に新潟県建築設計協同組合耐震判定会から診断結果の正式通知があった。結果はIs値0.096、q値0.380だった。耐震診断促進法では、Is値が0.6以上、q値1.0以上が必要としており、いずれもそれを大きく下回る結果だった。
このため、12月1日から利用中止することにした。ただ、予約を来年3月末まで受けており、すでに周知が行われている、どうしてもほかの会場を確保できといった場合は利用を妨げず、個別に調整し、柔軟に対応する。3月末で完全に利用中止となる。
同センターに入居する三条市老人クラブ連合会、三条市身体障害者福祉協会、子育て支援グループかるがもの3団体の事務局は、代替の場所を用意して速やかに移動してもらう。
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*1 Is値 地震力に対する建物の強度、靱性(変形能力、粘り強さ)を考慮し、建築物の階ごとに算出する構造耐震指標であり、0.6 以上必要。 | ||||||
*2 q値 建物が水平方面の力に対して持つ耐性のことで、水平荷重の検証のための指標であり、1.0以上必要。 |
国定勇人三条市長は30日、臨時記者会見行い、利用を申し込んでいる団体に対して「万万が一の事態が発生したときには大変、危険きわまりない建物であることに変わりはないので、極力、他施設への利用をお願いしたい」と求めた。
利用の多い三条市文化団体協議会や三条市体育協会の傘下の団体には事前に正式な結果が通知されしだい結果を伝えると言ってある。建物は「できるだけ早い段階で解体し、非常に多くの方からご利用いただいている施設なので、新たな三条市体育文化センターの機能を有する施設を建築していくという運びになる」。
その後については「検討している段階」と前置きしたうえで、総合体育館が隣接していることから、「言い方は悪いが相乗効果をねらえるような機能の拡充をあわせて図れるようなことをしていくのが望ましい」とし、さらに「有利な財源調達を鑑みたときにも現地改築と複合化、集約化の3つが望ましいと思う」との考えを示した。
三条市体育文化センターは43年前の1972年、ボウリングブームにのってボウリング場「三条ミナミボウル」として建設された。あっと言う間にブームが去るとボウリング場は激減し、同ボウリング場も三条市が買い取って改修し、79年に三条市体育文化センターとして再出発した。
鉄骨造3階建て、延べ床面積5,730平方メートル。昨年度の利用者は10万2,887人。来年3月末までに470件の利用予約がある。同センターには30日から利用中止の告知を掲示し、周知している。