リオ五輪のカヌー銅メダリスト羽根田卓也選手が分水で講演、分水高校も訪問 (2017.4.6)

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県内では珍しい高校カヌー部に注目して燕市・県立分水高校の存続を願う地元の分水ロータリークラブ(山田恭弘会長・会員32人)は5日、昨年のリオデジャネイロ五輪のカヌースラローム男子の銅メダリスト、羽根田卓也選手(29)を招いて講演会を開くとともに分水高校を訪問してカヌー部(河村翔馬部長・部員20人)と交流してもらった。

 分水高校でカヌー部員と話す羽根田卓也選手
分水高校でカヌー部員と話す羽根田卓也選手

羽根田卓也さんは講演前に分水高校を訪れた。部員は玄関前に出て羽根田卓也さんを出迎え、エルゴと呼ばれるカヌーのトレーニングマシンを設置した部屋をはじめ同校の運動施設を案内したあと、部員の質問に答えてもらった。

羽根田卓也さんは愛知県豊田市出身。元カヌー選手の父と兄の影響でカヌーをはじめ、杜若高校時代に日本選手権を制し、卒業するとカヌーの強豪国スロバキアへ移り住んでトレーニングを続けている。3回目の五輪出場となったリオ五輪で銅メダルを獲得した。

カヌー部員の案内で校内の運動施設を見学する羽根田卓也さん
カヌー部員の案内で校内の運動施設を見学する羽根田卓也さん

赤いスポーツウェアにジーンズで来校した羽根田卓也さん。筋肉美でも知られるが服の上からはそれを感じることはできず、体つきがごついわけでもなく、知らなければ外見から世界的なアスリートと気づかないが、引き締まった体形。「ハネタク」のニックネームで知られるイケメンだ。

運動施設を見学しながら、今年度から部活動に入ることが必須ではなくなったと聞くと「だめですよ。子どもに部活やらせなきゃ」、「エルゴ室なんてあんの?」とぼそっと話した。

エルゴ室を見学
エルゴ室を見学

部員との交流では、高校からプロテインを大量に飲まない方がいい、練習前後に炭水化物をしっかりとるようアドバイス。緊張をほぐすにはどうしたらいいかという質問には、逆に「緊張を自分のエネルギーに変えられるようにしてかなきゃ」と逆転の発想を示した。

カヌー部の練習場所は冬の3カ月間、カモの狩猟場となるためカヌーに乗ることができないが、羽根田卓也さんは「冬の3カ月は、ほとんどカヌーに乗らない。体づくりに専念している」と決して大きなハンディにはならないとした。

カヌー部員と対話し、質問に答える
カヌー部員と対話し、質問に答える

過去3回の五輪出場の気持ちの変化やスポンサーになってもらっているミキハウスには、何のつてもなく社長にあてて履歴書を同封した手紙を送ってから会ってもらった裏話も明かした。

その後、羽根田卓也さんは練習場所も見学。夜の講演会はほぼ満席の約500人が来場し、カヌー競技について一通り紹介したあと、カヌー部の正副部長の3人もステージに上がって質問しながら、日ごろのトレーニングや休日の過ごし方などについて話した。

カヌー部員と記念撮影
カヌー部員と記念撮影

東京や大阪方面から20人近い女性ファンが訪れ、なかには朝8時半から会場で待った人も。スポーツ関係の講演会としては若い女性が目立ち、講演の後半は恋愛に関する質問が相次ぎ、アイドルのようだった。

「ゴール前で気持ちが途切れてしまう」という河村部長に「スタート前ならわかるけど、もうちょっと我慢しろよ」、「おれもつれーよ」と笑わせ、恋愛ネタにも軽妙に応じた。

分水公民館で開かれた講演会
分水公民館で開かれた講演会

座右の銘は宮本武蔵の「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす。」。最後に「まずは東京五輪が控えている。自分の競技人生のなかで集大成になると感じている。ここで結果を言うつもりもない。まず、東京五輪に向けて積み重ねをしていき、皆さんに胸を張ってここにまた来られるような成績を残したい。頑張りたいので皆さん応援をよろしくお願いします」と締めくくった。

県教委は昨年3月、「県立高校の将来構想」を策定し、適性な学校規模を1学年あたり4〜8学級とする一方、特色ある教育活動を展開するうえであえて小規模が妥当な学校もあり得るとした。2016年度から2学級募集となっている分水高校は存続が危ぶまれている。

カヌー部の正副部長とトーク
カヌー部の正副部長とトーク

分水高校は地元の強い運動があって1983年に開校した新しい学校。分水ロータリークラブでは、カヌーも分水高校の特色ある教育活動のひとつとして存続につなげられればと昨年夏、小中学生を対象にカヌー教室を開いた。

その後、リオ五輪で羽根田卓也さんが同メダルに輝き、羽根田卓也さんを招こうと父、邦彦さん(57)が元ロータリアンと知って豊田ロータリークラブに照会し、そこから青年会議所の縁で邦彦さんとつながった。

リオ五輪で使ったカヌーを展示
リオ五輪で使ったカヌーを展示

羽根田卓也さんは1年のうち日本にいるのは30日もないとのことで、カヌーの普及になるならと貴重な講演が実現した。

羽根田卓也さんはこの1年で十日町市へトレーニングのクロスカントリーの練習に2、3度、訪れていると言い、新潟の印象については「至れり尽くせり過ぎ。ここまでしてくれるところはほかにないというくらい」ともてなしを喜んでいた。

羽根田卓也さんは9日に富山県富山市で開かれる第40回NHK杯全日本カヌースラローム競技大会に出場するため、翌日は富山市へ向かった。講演会場にはリオ五輪でも使ったカヌーを展示。このカヌーは9日の大会で使うのが最後になるという。

御守りにもmiki house
御守りにもmiki house

練習場の案内などで羽根田卓也さんと行動をともにした副部長の3年生川俣萌華さん(18)は「テレビよりすっごいかっこよくてオーラが違います。最初は緊張しましたが、話していくうちに緊張がなくなり、気さくに話せました」と言い、「昨年、団体で自分は結果が出なかったけど、きょうの話を聞いて大会前のモチベーションのもってき方を参考にして昨年よりいい成績をあげたい」と目を輝かせた。

羽根田卓也さんが取り組むスラロームは急流でゲートを通過し、タイムを競う競技だが、分水高校は直線コースでゴールまでの早さを競うスプリントに取り組んでいる。

昨年は当時の2年高橋帝雅・3年大久保泰成のペアがインターハイで200メートル6位、500メートル8位で入賞し、国体でも少年男子カヤックペアの500メートルと200メートルでいずれも3位入賞を果たす好成績をあげている。


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